2025/11/30
こんにちは!世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳
今回は コンポジットレジンを用いた歯の修復治療の症例をご紹介します。
犬に多い歯の破折
犬は硬いおもちゃ、ヒヅメ、骨、硬いガムなどを噛むことで、歯に大きな負担がかかり、知らないうちに歯が折れてしまうことがあります。特に犬歯や上顎の前臼歯は破折が起きやすい部位です。
破折の中には 神経(歯髄)が露出する露髄を伴うものと、 露髄していない破折 があります。
露髄していない場合でも、放置すると細菌が歯髄に侵入し、後から痛みや感染が起きることがあります。
今回の症例
6歳・柴犬
スケーリング歯石除去処置中に、右の犬歯に破折を確認しました。幸い、歯髄の露出はなく、歯を残す方針となりました。
診察時の所見
- 破折はエナメル質と象牙質の一部に及ぶ
- 歯髄は露出していない
- 感染の兆候なし
露髄はなくても、このままにすると象牙質を通じて細菌が入り込み、後から感染を起こす可能性があります。そのため、コンポジットレジンによる修復 を行うこととしました。
コンポジットレジンとは?
コンポジットレジンは、歯科治療で一般的に用いられる白い樹脂製の材料です。
破折している歯にレジンを被せることで、再度の破損や感染を防ぐ効果があります。
治療の流れ
①下処理(エッチング•プライミング•ボンディング)
レジンをしっかり歯に接着させるために、歯の表面を処理します。これらの工程により、レジンが強く安定して歯に固定され、長持ちしやすくなります。
②レジンの充填
コンポジットレジンを少しずつ積層し、欠損部を元の歯の形に近づけるように修復します。
③光照射で硬化
レジンは特殊な光で硬化させることで、しっかりと固まり歯の表面に密着します。
④研磨して完成
最後に研磨してつるつるに仕上げ、プラークがつきにくい状態に整えます。
ビフォーアフター
処置前

処置後

今回露髄していなかったため、根管治療や抜歯といった大きな処置を避けることができました。
飼い主さまへ
犬は破折があっても気づかれないことが多くあります。
スケーリング中に「隠れた破折」が見つかるというのは珍しくありません。
特に以下のアイテムは破折リスクが高いです
- ヒヅメ
- 骨
- 鹿角
- とても硬いガム
- 固いプラスチックのおもちゃ
「自分の爪で押してへこまない硬さのもの」は原則噛ませない方が安全です。
まとめ
今回は「露髄のない破折」をコンポジットレジンで修復し、歯を残すことができました。
破折は放置すれば痛みや感染につながるため、早期発見・早期治療がとても重要です。
定期的な歯科検診やスケーリングで、隠れたトラブルの早期発見につながります。
愛犬の歯で気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。
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