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Cat Dental Diseases
猫の歯の病気
「食べたいのに、痛くて食べられない」そんな猫ちゃんの苦痛を、終わらせてあげたい。
猫は痛みにとても敏感な動物で、痛みを感じた瞬間からストレスを感じ行動に変化が出ます。
よだれが多くなり口の周りが汚れたり、顔を洗うことが多くなり前肢が汚れたり、痛みで歯ぎしり、頭を傾けて食べる、食べる速度が遅くなるなどの症状が出ます。その頃になると、食べる速度も遅くなりトータルで食べる量も減っていきます。そして気が付いたときはかなり体重が減少していて、麻酔処置も危険になってしまうことも少なくありません。
猫の口内炎・歯周病は内科的な治療(抗生剤やステロイド等の投薬・注射)で根本治癒することはなく、必ず抜歯などの外科を必要とします。内科管理された症例は完治することはなく、外科治療を行っても治るまでに時間が余計にかかることが多いです。
わたしたちは、「痛みの原因を根本から取り除くこと」を大切にしています。
麻酔をかけて外科的な処置をするのは可哀そうと思われるかもしれませんが、痛みの根本を取り除くことで痛みなくご飯を食べることができ、快適に生活できるようになり穏やかになった猫ちゃんをわたしたちはたくさん見てきました。
痛みで眠れない日々を終わらせ、もう一度穏やかで幸せな毎日を取り戻しませんか。
世田谷で猫ちゃんの「お口の痛み」に悩む方は、諦める前に一度相談ください。
内科治療(投薬やお注射)の限界
皆さんが歯医者さんを受診されたとき、何も処置がなく薬だけ処方され終わったことはありますか?
おそらくそのような方はいないでしょう。犬も猫もお口の問題は基本的には外科的な「処置」が必要になります。投薬・注射だけの治療は根本解決ではなく、一時しのぎに過ぎません。それどころか中長期的には状態悪化を起こし、いざ外科治療に踏み切った際も、治るまで時間が余計にかかってしまいます。
当院へ転院・セカンドオピニオンで来院される症例のほとんどが、残念ながら「その場しのぎの内科療法」を続けられてきたケースです。
お口の問題は第一に外科が必要であり、内科治療は「手術後の痛みの管理や維持」のために適応されるべきものです。
猫ちゃんの歯科手術における配慮
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ストレスへの配慮
猫ちゃんはとてもデリケートで痛みに繊細な動物です。お預かり中は猫専用部屋や隔離入院室・ICUで管理し、少しでもストレスがないように管理いたします。
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痛みが強い口内炎・歯周病など
これらの治療ではどうしても抜歯することが多く、痛みを生じます。できる限り痛みを感じないように局所麻酔や神経ブロック・全身の鎮痛薬等を使用しペインマネジメント(痛み管理)を行っています。
また侵襲(手術による障害)を最小限にするため、日々技術の向上を行っております。 -
専門的な診断と治療・高度医療設備
外見でわからくても、歯の根っこに問題があったり、歯肉の下で歯が溶けたり(吸収病巣)を見逃さぬよう、歯科専用レントゲンやCT、手術用顕微鏡を駆使し診断治療にあたっております。
Stomatitis
口内炎
猫の口内炎について
人の口内炎は数日で治りますが、猫の口内炎は人とは全く異なります。
猫の口内炎(こうないえん)は、口腔内に炎症が生じる病気で、特に歯肉や舌、喉などに痛みを引き起こします。
炎症が進行すると、痛みや腫れが発生し、食事をとることが困難になることもあります。
口内炎の原因
現時点では、口内炎を発症する明確な原因は不明ですが、ウイルス、細菌、歯周炎、免疫異常が関わっているのではないかという説があります。
口内炎での免疫異常は、免疫が過剰に働き攻撃対象ではない自分自身を攻撃してしまうことで歯肉に強い炎症反応が起こってしまう状態です。
口内炎の症状
- 食欲低下
- 口臭
- よだれが多い
- 歯肉、粘膜、舌の腫れ
- 体重減少
治療方法
猫で口内炎が生じた場合は抜歯を行います。
抜歯は上下の奥の歯を抜く全臼歯抜歯と、全ての歯を抜く総顎抜歯があります。
抜歯をすることで免疫異常が抑えられ、口内炎が改善します。
猫は歯がなくてもごはんを食べられるので、ほとんどは抜歯後にごはんをよく食べてくれるようになります。
また、当院ではステロイド以外の疼痛管理も行っていますのでご相談ください。
症例
3歳の猫ちゃんです。
口腔内が全体的に赤く、喉の奥まで赤みがありました。
口内炎による痛みでドライフードは全然食べられず、液状のおやつを食べていました。
全身麻酔をかけて、全ての歯を抜きました。
↓手術から2週間後の写真
抜歯を行ってから2週間後はまだ赤みはありますが、手術前よりも赤みの程度が引いていました。
歯がなくなったため食べずらそうにしてるものの、元気食欲もあるとのことでした。
1か月ごとに再診を行いました。
手術から4カ月後も経つと、ごはんをモリモリ食べており、体重もしっかりと増えていました。
ブログ記事はこちらから https://www.keikoku-ah.com/dental/blogs/stomatitis
Feline Tooth Resorption
破歯細胞性吸収病巣
破歯細胞性吸収病巣とは
破歯細胞という歯を溶かす細胞の活性化によって、歯が吸収されてしまう疾患です。
破歯細胞は乳歯が永久歯に抜け変わる際に、乳歯の歯根を溶かし抜けやすくする働きがありますが、この破歯細胞が永久歯に働いてしまうことで吸収病巣が起こります。
永久歯に働く原因は解明されていませんが、免疫異常やカルシウム代謝の異常、歯周病などが関係しているとされています。
吸収病巣の症状
- 歯肉の腫れや出血
(上の画像の矢印の部分は歯肉が腫れています) - 歯の揺れ、穴
- 食欲の低下
- よだれの増加
- 食べ方の異常
(嚙み方がおかしい、食事のペースが遅くなるなど) - 口臭
治療方法
吸収病巣がある歯は抜歯もしくは歯冠切断を行います。
3歳以上の猫の25-75%は吸収病巣が起こるという報告があるため、定期健診をして早期の治療を行いましょう。
症例
9歳のミックス猫さんです。
2〜3週間前からドライフードのような固形色を食べなくなったとのことで来院されました。
話を伺うと、口を痛そうにするあまり夜もずっと鳴き続け、ご家族も参ってしまっているとのこと。診察したところ歯肉が赤く盛り上がり歯に覆いかぶさっているように見える部分があり、歯の吸収病巣が疑われました。
全身麻酔をかけて歯のレントゲン撮影・診断・治療を行いました。
歯科レントゲンにより、溶けている歯は1本だけであり歯根と顎の骨の癒着も少ないことがわかりました。
問題を起こしている歯を抜歯し、他の歯は徹底的に歯周病の原因となる汚れを除去(スケーリング)しました。
術後は、よく食べるようになり夜中鳴いていた症状も落ち着いたとのことでした。
ブログ記事はこちらから https://www.keikoku-ah.com/dental/blogs/tooth-resorption
Periodontal Disease
歯周病
猫の歯周病について
猫も犬と同様に歯周病になります。
歯周病は歯肉と歯の隙間(歯肉溝内)で起こる病気のため、全身麻酔下での歯周病治療が必要です。
歯周病の症状
- 口臭が強くなる
- よだれが多くなる
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯に歯石がついている
- 食べ物を食べる時に痛がる
- 歯茎から血が出る
- 頭を傾ける
- 口を気にすることで腕の内側が汚れている
- 体重減少
治療方法
治療法は、歯周病の進行度によって異なります。
軽度では超音波スケーラーという器具を用いて、超音波の微細な振動によって歯の表面および歯肉の下(歯肉縁下)をクリーニングします。
また、重度の歯周炎により、損傷や動揺の程度が強い場合には抜歯を行います。
症例
推定5歳のmix猫さん。もともと保護猫で、歯が急に抜け落ちたとのことで来院されました。
診察したところ強い口臭と歯肉炎、歯肉の喪失がみられました。
重度の歯周病と判断し、全身麻酔下での歯科検査と治療に進みました。
歯科レントゲン画像です。
歯周病が進行してしまい、歯を支える顎の骨(歯槽骨)が溶けていました。
強い炎症により、歯そのものも溶け始めている部分があることもわかりました。
今回は相談の上、罹患歯の抜歯を行いました。
治療後は、口臭も無くなり食欲も以前より増したとのことでした。
ブログ記事はこちらから https://www.keikoku-ah.com/dental/blogs/periodontal-disease
Canine Tooth Extrusion
犬歯の挺出
犬歯の挺出とは
写真のように、右側の犬歯が左側よりも長く見えることがあります。実際には歯そのものが伸びているわけではありません。この変化は「挺出(ていしゅつ)」と呼ばれ、歯が歯槽骨から押し出されるように移動することで、「犬歯が長くなった」ように見えるのです。挺出は犬ではほとんど見られず、猫に特有の変化です。特に上顎の犬歯でよく見られますが、下顎の犬歯に生じることもあります。
症状
- 犬歯が口唇(くちびる)に刺さって痛みを生じる
- 口が閉じにくくなる
- 歯がグラグラしている
治療
犬歯の挺出は自然に治ることはなく、放置すると痛みや感染の原因になります。温存が難しい場合は抜歯が選択されます。愛猫の犬歯が長く見えたり、口が閉じにくそうにしている場合は、早めに動物病院へご相談ください。
Tooth Fracture
破折
破折とは
歯が折れたり欠けたりしてしまうことを「歯の破折(はせつ)」と呼びます。特に犬歯に多く見られるトラブルです。犬の場合は硬いものを強く噛むことで破折が起こることが多いのに対し、猫では少し事情が違います。高い場所からの落下や家具にぶつかるといった「外傷」によって折れてしまうことが多いのです。ケンカによって折れてしまうケースも見られます。
症状
- 歯の先が丸くなっている
- 片方の歯だけ短くなっている
- 歯の色が変わってきた
- 片側だけで噛んでいる
- 硬いフードを避けるようになった
- 食欲が落ちている
- 顔が腫れてきた
- 鼻水やくしゃみが増えた
治療
破折は自然に治ることはなく、放置すると痛みや感染が続いてしまいます。
そのため、基本的に治療が必要です。
治療法には主に
- レジンで修復(神経が出ていない場合)
- 折れた歯を抜く「抜歯」
- 歯の中をきれいにして詰める「根管治療」
があります。
どの治療を選択するかは神経が露出しているかどうか、また破折の範囲や位置によって決まります。
Q&A
猫ちゃんの歯科手術のQ&A
1. 全ての歯を抜いても、ご飯は食べられますか?
A. はい、食べられます。猫ちゃんにとって歯は「嚙み切る」ための道具であり、丸飲みする習性があるため、痛みの原因である歯がなくなる方が、結果としてガツガツ食べられるようになります。
2. 高齢で持病があっても手術できますか?
A. 場合によります。心臓病や腎臓病・甲状腺機能亢進症など進行していると麻酔のリスクが上がることは確かです。が、痛みのあまり食欲が減ると体力もなくなり痩せて死んでしまいます。持病をお持ちの猫ちゃんは、しっかりとした術前検査で状況を科学的に把握し、麻酔や手術プランを立て安全と痛みを取ることを最優先に処置を行います。高度な麻酔処置が必要な場合は麻酔科医管理のもと手術を行います。
3. 歯を全部抜いたら舌がでますか?
A. いえ、猫はほとんどの場合で舌が出ることはありません。術直後は痛みのため、下の先端を出す子がいます、出っ放しになることはほぼありません。
4. 抗生剤やステロイドなどの内服薬で治せますか?
A. いいえ、治せません。抗生剤やステロイド等の内科治療は、原因解決とはならず症状はゆっくりと進行しております。それどころか外科手術を行ったときの治療期間を延長してしまうことがあります。お口の治療は外科手術が第一となり、その後痛みの管理は内科となります。
5. 入院は必要ですか?
A. ほとんどの場合、当日退院です。入院となる場合は、痛みが強い場合、手術の開始時間が遅い場合、腎臓病などの基礎疾患があり入院をした方が術後安定する場合等です。
6. 食欲が落ち痩せてきた気がするのですが、処置は可能でしょうか?
A. 状況によります。痩せはじめであれば術前検査結果によりできるだけ早めに処置をします。
猫の400gの減少は、人間でいえば約5~6㎏の激減に相当します。様子を見ていてよい状態ではありません。1か月で10%以上の体重減少がある場合は緊急性が多いため、経鼻カテーテル等で栄養管理しできる限り早期に手術を行います。