歯科治療

ワンちゃん・ネコちゃんにも、歯の治療を

人間の歯周病はメディアで取り上げられる機会が増えていますが、実は2歳以上のワンちゃん・ネコちゃんも、8割以上が何かしらの歯周トラブルを持っていると言われています。歯周病がある程度進行してしまうと、歯を抜かなければならなくなってしまうことや、腎臓や心臓などの全身疾患の原因になることが分かっていますので、定期的に歯科検診や歯石除去をするようにしましょう。

歯周病のリスク

根尖部膿瘍(こんせんのうよう)

 

歯周病や破折(歯が折れること)による露髄(歯の神経がむき出しになること)により、歯の根の部分に感染が起こり膿がたまる状態です。基本的に抜歯が適応になります。

内歯瘻(ないしろう)

 

歯周病により根尖部膿瘍ができ、逃げ場のなくなった膿が歯茎に穴をあけてしまう状態です。

外歯瘻(がいしろう)

 

歯の根っこ部分まで炎症が進み、顔の骨が溶けて皮膚まで穴が空いてしまった状態です。

口鼻瘻管(こうびろうかん)

 

歯の根っこ部分まで炎症が進み、骨が溶けて鼻の中に穴が空いてしまった状態です。

下顎骨骨折(かがくこつこっせつ)

 

歯周病によって下の歯を支えている骨が溶けて薄くなってしまうと、ちょっとした衝撃でも簡単に骨折してしまいます。

破折(はせつ)

 

硬い物を噛んで、歯が欠ける、折れた状態です。

咬耗(こうもう)

 

固いおもちゃやおやつ、ケージなどをガジガジ噛むことで、歯が削れてしまった状態のことです。削れるスピードが速いと、神経や血管が露出し(露髄)、歯の根が腐る(根尖部膿瘍)の原因となります。

乳歯遺残(にゅうしいざん)

 

永久歯が生えてきているのに、乳歯が残っている状態のことです。乳歯が残っていると、永久歯が正常な方向で生えてこなくかみ合わせに異常が出たり、歯垢・歯石が付きやすくなるので歯周病の原因となります。 避妊・去勢の時までに抜歯するのが通常です。

歯科治療の流れ

診察(カウンセリング)

処置日の決定

歯科診断

必要に応じて歯科レントゲン撮影

歯科処置

約1週間後に再診

歯科治療専用の設備を導入しています

当院では、歯石を除去したり骨を削ったりする、歯科治療専用の設備を導入しています。また、レントゲンも通常のもの以外に歯科用のものがありますので、歯の根の部分や、歯を支えている骨までしっかりと把握することが可能です。

歯磨きアドバイス

動物も、本来は人間と同じように歯磨きをするのが望ましいのですが、嫌がってなかなか歯を磨かせてくれないということもあるようです。少しずつ慣れさせていき、スキンシップの一環として歯を磨かせてもらえるようにしていきましょう。

口を触ることに慣れさせる

少し口元を触って、嫌がらなければご褒美をあげましょう。これを繰り返していくと、少しずつ口元を触れられることに慣れていきます。そして、慣れてきたら唇をめくるなど少しずつ触らせてくれる範囲を広げていくのがお勧めです。

ガーゼで歯のお手入れをする

急に道具をお口の中に入れると嫌がることがありますので、まずはガーゼを指に巻いて歯を磨いてみましょう。上手く褒めながら行うことが重要で、無理やり押さえ付けたりしないようにしてください。

歯ブラシで歯を磨く

歯のケアに慣れてきましたら、いよいよ歯ブラシと歯磨きペーストを使って、歯を磨いていきます。いきなりゴシゴシ擦るのではなく、まずは少しだけ歯ブラシを歯に当てて、褒めながら少しずつ磨いていくと良いでしょう。

※ポイント

お口や歯を触られるのは苦痛だと思わせないようにしましょう。
歯を磨く時は力を入れ過ぎないようにしましょう。
歯ブラシは、毛が柔らかく、ヘッドが小さいものを選びましょう。
歯磨きペーストはワンちゃん専用のものを使いましょう。
歯周病で歯茎が炎症している場合はまず治療を受けましょう。

歯の健康のための注意点

ペットショップなので「ワンちゃんの歯の健康のために」と、豚などの蹄や硬い骨状のガムを目にすることがあります。ワンちゃんやネコちゃんの歯の配列は、人間のように上下で噛み合うような配列ではありません。物をよく噛む奥歯はハサミのような構造になっており、硬い蹄やガムを食べると、ハサミが刃こぼれを起こすように、簡単に歯が割れてしまいます(破折)。歯の健康のためにも、このような硬いものは極力避けましょう。

またテニスボールなどの周りが毛羽立った素材のボールは、砂が付きやすく紙やすりのような状態になります。そのようなボールで遊んでいると、歯が削れてしまい(咬耗)、修復よりも早く削れるため神経や血管が露出してしまいます(露髄)。露髄してしまうと、歯の根が腐る可能性があり(根尖部膿瘍)、歯を抜かなくてはならなくなります。
お外でボール遊びをする場合は、できるだけ毛羽立っていないボールを選びましょう。

実際の症例

破折・根尖部膿瘍・外歯瘻

15歳、ミニチュアダックスの男の子。
左頬に出来物ができ、出血しているとのことでご来院されました。

全身状態を確認し、口の中を診ると全体的に歯石の沈着が見られ、また歯肉炎も見られました。

特に左の上顎奥歯は形が崩れていたため、破折により露髄(血管・神経が露出すること)が起こり根尖部膿瘍(歯の根が腐ること)により、行き場のなくなった膿が頬にたまり破裂した(外歯瘻)と考えました。 歯石除去(スケーリング)をすると、左の奥歯(左上顎第4前臼歯)の破折・露髄が確認されたため、患歯であるその歯を抜歯しました。

歯科治療後

患歯を抜歯し、腫瘤状に見えたものも切除し縫合したため、見た目もきれいになりました。処置後半年以上たちますが、再発や異常は見られません。

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