2016.06.15更新

今回の症例ブログは、当院で行う歯石除去(スケーリング)などの歯科治療についてです。

 

皆さんの家族のわんちゃん・ねこちゃんのお口の状態はいかがでしょうか?

3歳以上の犬猫の8割が、何らかの口腔内疾患に罹患していると言われています。

 

ワクチン接種や定期予防の際に、獣医師にお口の状態を確認してもらいましょう。

 

現在はトリミングサロンや一部の動物病院で、無麻酔での歯石除去を行っている施設がありますが、

大変危険な行為であり治療効果も期待できなく、動物を抑え込んで行うため大変な恐怖とストレスを与えます

アメリカの獣医師歯科学会日本の小動物歯科研究会も、基本的に無麻酔下の歯石除去を禁止しています。

この無麻酔での歯石除去については、また後日ブログでご紹介いたします。

 

それでは当院での歯科治療の流れです。

今回は歯石除去(スケーリング)のお話です。

 

症例はわんちゃんdogです。

お口の臭いが気になるということで、来院されました。

歯石沈着が見られ、歯肉炎もあり、このままと抜歯しなければいけない状態になってしまうため

麻酔をかけての歯石除去・治療を行いました。

 

歯石除去 前

全体的に歯石が沈着しているのがわかります。

当院では麻酔をかけた後、人間の歯医者さんと同じように

1本1本診断しています。診断治療の内容は飼い主様にわかるように、紙面でお渡ししております。

 

ぷろーびんぐ

歯周ポケットの深さを測定しているところです。

怪しい歯は見た目だけではわからないため、歯科専用のレントゲンで撮影・診断いたします。

 

その内容がこちら(写真の症例と診断治療書の内容は無関係です

歯科診断書

どの歯がどのくらい歯石が沈着していたか、歯の揺れ(動揺)、歯肉炎の程度、

どの部分を局所麻酔したか、治療内容等を記載しています。

 

超音波スケーラー(歯石をとる機械)で歯石除去をした場合、肉眼上はきれいに見えますが

実は顕微鏡レベルではまだ歯石が取れていないことが多く、歯面がザラついており

歯石が付きやすい状態です。

そのためツルツルにするために、2回ほど研磨します

 

ポリッシング ブラシ

まずは研磨剤をつけ、ブラシ状の物で磨いていきます。

ポリッシング ラバーカップ

次により目が細かい研磨剤を使用し、ゴムで磨き上げます。

スケーリング後

処置終了後。

 

きれいになったお口ですが、何もケアをしないとすぐに元の状態に戻ってしまいます。

きれいにした後はしっかりとしたオーラルケアを行いましょう。

 

お口の問題については、お気軽にご相談ください。

投稿者: けいこくの森動物病院

2016.04.08更新

こんばんは。

院長の豊田です。

 

今日はお昼におこなった手術についてです。

 

みなさん短頭種ってご存知ですか?

代表的な犬種に、ブルドックやフレンチ・ブルドック、パグ、シーズー、チワワ、ボストンテリア

キャバリアなどが分類されています。

 

短頭種のわんちゃんのオーナー様がいらっしゃいましたら、

寝るときにいびきをかいたり、興奮したとき「ガーガー」というような呼吸をしていませんか?

それ、実は病気なんです!

 

実は「短頭種」と書きますが、頭が短いのではなく

犬歯から一番大きな歯までが、他の犬種に比べ短いのです。

ただ骨が短く、軟部組織(軟口蓋など)の長さは他の犬種と同じような

長さがあるので、どうしても余分なところが出てきます。

その余分な軟口蓋が、呼吸のたび震えていびきが出たりします。

 

軟口蓋が長かったり、厚かったりすると気道が狭くなりますので、

当然呼吸が大変になり、最悪窒息することもあります!

わんちゃんは主に呼吸で体温調節をするため、軟口蓋が長いと

熱中症の恐れもあります!

 

この病気、ほとんどの短頭種が持っていると言われています。

理想的には、避妊去勢手術の時に一緒に手術を行うのがいいと思われます。

 

ただ再発も多いことも確かです。

せっかく軟口蓋の手術をしたのに、「数年後また軟口蓋が伸びてきた」

ということも・・・

当院ではそのようなことが起こりにくいように、鼻の穴を広げる手術も

同時に行っています。

わんちゃんって実は鼻呼吸なんです!

短頭種のオーナー様で、いつも口呼吸をしていびきをかいて寝ている子がいましたら

是非ご相談ください。

 

前置きが長くなりましたが、今日の症例です。

 

パグ1歳の女の子で、いびきをかいて寝ていたり、時々「ガーガー」いう呼吸をしていました。

麻酔をかけてお口の中をのぞいてみると・・・

軟口蓋

気道が見えません・・・

(白っぽいチューブの根元が気道になります)

 

糸で軟口蓋を引っ張ってみると・・・

軟口蓋

見えました!

この軟口蓋が軌道にかぶっていたため、呼吸がしにくくいびきなどが出ていたのです。

これでは今後悪化したら呼吸困難になってしまいます!

なんとかしないと!

軟口蓋

ということで、切除後の写真です。

1枚目の写真と違い、しっかり空気の通り道が作られています。

 

で、「よかった」ではありません。

お鼻の穴が狭いと、息を吸うたびに軟口蓋を吸い込んで、また伸びて再発をしてしまうのです!

 

このパグちゃんのお鼻は・・・

鼻

入口がとっても狭い!

これでは鼻呼吸はできません!

見た目は変わってしまうけれど、これからの生活を考えるとしっかり広げてあげないと!

 

鼻腔拡張

手術後の写真です。

鼻の穴が広がったのがわかりますか?

 

この病気は、短頭種気道症候群としてまとめられる場合が多いですが、

初期の段階では今回の二つの病態がほとんどです。

放置しているとどんどん進行して、他の病態に発展していく

慢性進行性の病気です!

進行してしまうとそれだけ麻酔に対してのリスクも格段に上がります。

 

短頭種のオーナー様、「いびき」「ガーガーした呼吸」が見られる子でしたら

ご相談ください。

 

 

投稿者: けいこくの森動物病院

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