2025/07/01
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
「最近、うちの子がごはんを食べるときにむせたり、吐き戻すようになった」「固形物を嫌がって食べない」…そんな症状が見られたら、食道狭窄(しょくどうきょうさく)という病気の可能性があります。
今回は、気づかずに放っておくと危険な「食道狭窄」について説明します。
食道狭窄とは?
食道狭窄とは、食道(口から胃までの食べ物の通り道)が何らかの原因で狭くなってしまう病気です。その結果、食べ物がうまく通らず、食後すぐに吐いたり、飲み込みにくくなったりします。
特に注意したいのは、食道がただ狭くなるだけでなく、炎症や傷、腫瘍などが原因で慢性的に狭くなることもあるという点です。
どんな原因があるの?
食道狭窄の主な原因には、次のようなものがあります
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誤飲による傷や火傷
→ おもちゃの破片、骨、薬品などを誤って飲み込むと、食道に傷をつけてしまうことがあります。特に錠剤や薬品を大量に飲んだ場合、化学的な火傷が原因になることもあります。 -
胃酸の逆流
→ 嘔吐を繰り返したり、胃酸が逆流することで食道の粘膜が炎症を起こし、治癒の過程で狭くなることがあります。 -
外科手術や内視鏡のあと
→ 食道への処置後に一時的な傷ができ、その後の治り方次第で狭窄が生じることがあります。 -
腫瘍や異物による圧迫
→ 食道の周囲に腫瘍ができたり、異物が長時間詰まったままだと、その部分が狭くなります。
どんな症状が出るの?
食道狭窄のサインとしては、以下のような症状が見られます
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ごはんを食べた直後に吐く(特に未消化のもの)
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食べ物を飲み込むのに時間がかかる、首を伸ばして飲み込もうとする
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よだれが増える
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固形物を嫌がり、やわらかい食事しか食べたがらない
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体重が減ってきた
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食後に苦しそうにする
これらの症状が出ている場合は、早めの受診をおすすめします。
診断はどうやってするの?
動物病院では、以下のような方法で診断を行います
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X線検査(バリウム造影)
→ 食道の通りを確認するために、バリウムを飲ませてレントゲン撮影します。 -
内視鏡検査
→ 食道の内部を直接カメラで観察することで、狭くなっている場所や炎症の有無を確認します。 -
超音波やCT検査(必要に応じて)
→ 食道の外からの圧迫や腫瘍が疑われる場合に用います。
治療法と予後は?
原因や狭窄の程度によって治療法が変わりますが、主な治療法は以下の通りです
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バルーン拡張術
→ 内視鏡を使い、狭くなった部分を小さなバルーンで拡げる治療です。数回の施術が必要になることもあります。 -
食道チューブの設置
→ 一時的に食事を直接胃に送るチューブを設置して、食道を休ませることもあります。 -
薬物療法
→ 胃酸の逆流が原因の場合、胃酸を抑える薬や炎症を抑える薬を使うことがあります。 -
手術
→ 腫瘍や重大な異物による狭窄では、手術が必要になる場合もあります。
治療後は、再発防止のために食事内容の見直しや投薬が必要です。早期発見・早期治療が回復の鍵です。
最後に:食べ方の変化は、重要なサイン
食道狭窄は珍しい病気ではありますが、見逃されやすいのが難点です。
「歳を取って食が細くなったのかな」「わがままになったのかも」と思ってしまいがちですが、食事中の苦しそうな様子や嘔吐は、体からの重要なサインです。
もし愛犬・愛猫に少しでも気になる症状があれば、遠慮なくご相談ください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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