最近水をいっぱい飲んで、トイレに何回も行っている様子が…もしかしたら中枢性尿崩症かも?

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こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

 

 

犬と猫の「中枢性尿崩症」―見逃されやすい多飲多尿の原因

最近、給水器がすぐ空になる

おしっこの量が明らかに増えた

夜中に何度もトイレに行くようになった

このような変化は、体からの重要なサインです。

多飲多尿を引き起こす病気のひとつに、中枢性尿崩症があります。

今回はその中枢性尿崩症について、ご紹介します!

 

 

中枢性尿崩症とはどんな病気?

中枢性尿崩症とは、

体内の水分量を調節するホルモン「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」が不足することで起こる内分泌疾患です。

よく疑われる慢性腎臓病などの疾患と比べて、非常にまれな疾患とされています。

また主に犬でみられ、猫ではまれですが、どの年齢でも発症する可能性があります。

 

 

病気の仕組み ― なぜ水をたくさん飲むのか

健康な動物では、

脳で抗利尿ホルモンが合成・分泌され、

腎臓に作用して、尿を濃縮する

という仕組みが働いています。

中枢性尿崩症ではこの抗利尿ホルモンの分泌が低下するため、

  • 腎臓の尿細管で水分を再吸収できない
  • 薄い尿が大量に作られる(尿が濃縮できない)
  • 体が脱水を防ぐため水を欲しがる

という状態になります。

その結果、多飲多尿が慢性的に続くのです。

 

 

主な症状

代表的な症状は以下の通りです。

  • 水を異常に多く飲む
  • 尿量が非常に多い
  • 尿の色が薄い
  • トイレの失敗が増える
  • 夜間の排尿回数増加

元気・食欲が比較的保たれていることが多いため、様子を見てしまうケースも少なくありません。

 

 

似た症状を示す病気が多い点に注意!

多飲多尿は、さまざまな病気で共通して見られる症状です。

  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • クッシング症候群
  • 心因性多飲
  • 腎性尿崩症

そのため、症状だけでの判断は困難です。

 

 

診断

血液検査・尿検査

  • 腎臓・内分泌・電解質などの評価
  • 尿比重が極端に低いことが特徴的です

他疾患の除外

多飲多尿を起こす他の病気を慎重に除外します。

 

などが挙げられます。

 

 

まとめ

中枢性尿崩症のうち突発性であるものは、

適切な治療を続けることで生活の質を保ったまま長期管理が可能であり、予後は良好です。

一方で、原因が外傷性や炎症性の疾患に関与している場合は状況に応じて予後不良の場合も。

飼い主様へ ― その「水の減り」、見逃さないでください

多飲多尿は、体からの気が付きやすいSOSです。

元気だから大丈夫」と思ってしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。

早期発見・早期治療によって、

愛犬・愛猫の負担を最小限に抑えることができます。

 

 

 

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