2025/06/28
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
見た目では分かりにくいけれど、気づかないうちに進行してしまう「含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)」という病気があります。
日常生活の中でふとお口を見てみると歯茎が大きく腫れあがっているなんてことがあるかもしれません!
含歯性嚢胞とは?
含歯性嚢胞とは、あごの骨の中にできる袋状の腫瘤(しゅりゅう)で、主に“埋まったままの歯”の周りに発生する嚢胞(のうほう:液体のたまった袋)のことです。
犬の乳歯や永久歯が生え変わるときに、歯が正しく生えてこなかったり、歯が骨の中に埋まったままになることで、その周りに嚢胞ができてしまうことがあります。
どんな犬がなりやすいの?
- 小型犬(特にトイプードル、チワワ、ヨークシャーテリアなど)
- 下あごに犬歯や前臼歯が残っている犬
- 乳歯が抜けずに残ってしまった犬
特に、**生え変わりの時期(6ヶ月~1歳)**に乳歯が残ったままの犬は要注意です!
下あごの第1前臼歯や犬歯でよく見られます。
飼い主が気づけるサインは?
含歯性嚢胞は初期にはほとんど症状がありません。ただし、進行すると次のようなサインが出ることもあります。
- 顔の腫れ(特に口の周り)
- よだれが増える
- ごはんを食べづらそうにする
- 片側だけで噛む
- 出血や口臭
でも、多くは健康診断やレントゲンで偶然見つかることがほとんどです。
症例写真
6歳のチワワさんです。
急に口の中に腫れ物ができたということでいらっしゃいました。
診察したところ左の上顎に大きな袋状のできものがありました。 また、本来あるべき犬歯が見えなかったため、この中に犬歯が埋まっていることが疑われました。
麻酔をかけて口腔内レントゲンの検査を行ったところ、予想通り犬歯が埋まっていたことや、周囲の顎の骨が溶けてしまっていたことがわかりました。
症状
含歯性嚢胞が大きくなると、周りの骨を溶かしてしまうことがあります。
-
顎の骨を圧迫して破壊
-
周囲の歯がぐらつく
-
膿がたまって痛みや腫れが出る
-
顔の変形やあごの骨折
といった深刻な問題につながることがあります。
治療法
治療は主に手術で嚢胞を取り除くことです。多くの場合、原因となっている埋伏歯(うもれている歯)も一緒に抜歯します。
手術は全身麻酔が必要ですが、早期に対応すれば予後は良好です。
最後に
含歯性嚢胞は目に見えにくい病気ですが、定期的なチェックと早期発見が大切です。
✅ 特に「乳歯が抜けない」「歯の本数が足りない」「歯がなかなか生えてこない」といった異常がある場合は注意が必要です。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
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