2025/08/16
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
犬猫の尿管結石について
犬や猫の泌尿器トラブルの中でも、放置すると命に関わることがあるのが「尿管結石」です。
尿管は、腎臓と膀胱をつなぐ細い管で、腎臓で作られた尿を膀胱へと運ぶ重要な通り道です。この尿管に結石(尿の中のミネラル成分が固まった石)が詰まってしまうと、尿の流れが妨げられ、腎臓の機能に大きなダメージを与えてしまいます。
原因
尿管結石は、尿中のミネラルバランスが崩れたときに形成されます。
特に猫ではシュウ酸カルシウム結石、犬ではストルバイト結石やシュウ酸カルシウム結石がよく見られます。
原因としては以下が考えられます。
- 水分摂取量が少ない(濃い尿ができやすくなる)
- 食事内容の偏り
- 先天的な代謝異常
- 尿路感染症
- 遺伝的要因(特定犬種・猫種に多い)
症状
尿管は非常に細いため、結石が詰まるとすぐに腎臓に負担がかかります。初期は症状が分かりにくいことも多く、次のようなサインが見られることがあります。
- 元気や食欲の低下
- 嘔吐
- 腰やお腹を触ると嫌がる
- 頻繁にトイレに行くが尿が少ない
- 血尿
- 進行すると急性腎不全の症状(ぐったり、尿がほとんど出ない)
特に両側の尿管が詰まる場合や、片側でも腎臓機能が弱っている場合は、短期間で命に関わることもあります。
診断方法
尿管結石の診断には、以下の検査が行われます。
- 血液検査:腎臓の数値(BUN、クレアチニンなど)をチェック
- 尿検査:結石の原因となる結晶や感染の有無を確認
- 画像検査
- X線検査:結石の位置や大きさを確認(種類によっては映らない場合もあり)
- 超音波検査:腎臓や尿管の拡張の有無、結石の位置を確認
- CT検査:詳細な位置や数をより正確に把握可能
治療方法
尿管結石は、自然に流れ出ることは非常に稀で、多くの場合で外科的または特殊な処置が必要になります。
- 外科手術:結石を直接取り除く尿管切開術や、新たな尿路を作る尿管膀胱吻合術など
- SUBシステム(Subcutaneous Ureteral Bypass):特に猫で行われる方法で、尿管をバイパスして腎臓から膀胱へ直接尿を流す管を設置
- 内科管理:腎臓の保護、痛み止め、点滴による腎臓機能のサポートなど(完全閉塞の場合は根本的治療にならない)
結石の種類によっては再発を防ぐために食事療法が必要になります。ストルバイト結石は溶解可能な場合がありますが、シュウ酸カルシウム結石は基本的に溶けないため、再発予防が重要です。
予防のためにできること
尿管結石は、一度発症すると再発のリスクが高いため、予防がとても大切です。
- 水分摂取量を増やす(ウェットフード、循環式給水器の利用など)
- 尿路ケア用フードの利用
- 定期的な健康診断(特に腎臓・尿検査)
- 尿の色や量、排尿の様子を日頃から観察
早期発見・早期治療が腎臓を守る最大のポイントです。
「なんとなく元気がない」「尿の色が変だな」と感じたら、すぐに動物病院で相談してください。
まとめ
尿管結石は、見逃すと命に関わる可能性のある病気です。特に猫では慢性的な腎臓病と関連することが多く、発見時にはすでに腎機能が低下している場合もあります。日常の観察と定期検診で、愛犬・愛猫の泌尿器の健康を守りましょう。
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