歯の表面がデコボコして茶色い…それ、エナメル質石灰化不全かもしれません

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どんな病気?

エナメル質は歯の一番外側にある硬い物質ですが、生後間もない時期に一度しか作られません。「エナメル質石灰化不全」は、この発育時にエナメル質がうまく作られず、表面が薄くなったり欠けたりしてしまう状態です。自然に回復することはないため、生涯を通じて影響が残る可能性があります。

 

原因は何?

多くの原因が考えられますが、主に次のようなものが挙げられます

  • 乳歯の脱落時の外傷:噛む・ぶつけるなどの衝撃で、まだ生え揃っていない永久歯の表面が傷つくことがあります。
  • 乳歯の感染や膿瘍:乳歯の根元の炎症が永久歯に波及してしまうことがあります。
  • 栄養不良や全身の感染症:重篤な栄養失調やジステンパーのような病気は、歯の発育に影響を与えます。
  • 遺伝性の可能性:まれに遺伝的にエナメルの形成不全を起こす犬猫も存在します。

 

どんな症状が出るの?

影響を受ける歯は1本〜全歯と幅広く、見た目には次のような特徴が見られます

  • 歯にくぼみがあり、ザラザラとした触感
  • 明るい色のエナメルが暗褐色や黒に変色
  • エナメル部分が剥がれて象牙質がむき出しになる
  • むき出しになった象牙質は細かい管(象牙細管)を通じて刺激が伝わり、知覚過敏や痛みを引き起こす可能性あり
  • 表面のざらつきで歯垢や歯石がつきやすく、歯周病リスク増

また、進行した症例では歯根の形に異常があることもあり、将来的に歯が抜けやすくなるリスクもあります。

 

似ている病気はある?

  • う蝕(虫歯)
  • 歯冠の破折
  • 奇形歯(形態異常)

との鑑別が必要です。詳しく調べるためには、レントゲン検査で歯の根の状態なども確認します。

 

どうやって治療するの?

目的は「象牙質の露出・過敏を防ぎ、感染を予防し、歯垢の付着を抑える」こと。

  • ザラついた部分を滑らかにする研磨処置
  • 接着性レジン(合成樹脂)による修復
    • むき出しの象牙質をコーティングし、表面を固く・滑らかに仕上げます
  • 抜歯は、歯根に奇形があったり感染や痛みが強い場合に選択されます

 

日頃のケアがカギ!

  • 乳歯が抜けたあとの歯並びや、歯の色・形をチェック
  • 食べ物やおもちゃに無理な刺激がないか気をつける
  • 気になるところがあれば早めに方針を相談
  • 定期的な歯科健診で早期発見・早期対応を

 

まとめ

  • エナメル質石灰化不全は、生後間もない時期にエナメル質がうまく作られず、象牙質が露出しやすい状態になる疾患
  • 原因は事故・乳歯トラブル・栄養不良・遺伝など多岐にわたる
  • 象牙質露出は知覚過敏・感染・歯周病につながる可能性あり
  • 滑らかな修復処置(レジン)で、進行を予防・改善していきます

 

 

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