2025/10/10
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
動物病院で「輸液(ゆえき)」という言葉を耳にされたことがある方も多いと思います。
輸液療法とは、体に必要な水分や電解質(ナトリウム・カリウムなど)、栄養分を補う治療のことです。人間の「点滴」と同じような治療で、犬や猫でもさまざまな場面で行われます。
私たちの体の約60%は水分でできており、そのバランスが崩れると臓器の働きがうまくいかなくなります。脱水や病気によって体内の水分や電解質が不足すると、体温調整や血液の流れ、腎臓や肝臓の機能にも悪影響を及ぼすため、輸液によってバランスを整えることがとても大切です。
💧 どんなときに輸液が必要になるの?
輸液はさまざまな状況で使われます。
- 嘔吐や下痢による脱水
胃腸炎や感染症で水分が失われると、体内の電解質が乱れます。輸液で水分とミネラルを補うことで回復を助けます。 - 腎臓病
慢性腎臓病では、尿を作る機能が低下し、体内の老廃物を排出しにくくなります。輸液によって血液を薄め、老廃物を排泄しやすくします。 - 手術や麻酔のとき
手術中や麻酔時は血圧が下がりやすくなるため、輸液で循環を維持します。 - 食欲不振や衰弱時
食事や水が十分に摂れない状態では、体がエネルギー不足になります。輸液で水分や栄養を補うことで体力の回復を助けます。
💉 輸液の方法について
動物の状態によって、輸液の方法は異なります。
- 静脈内輸液(点滴)
血管に直接チューブをつなぎ、点滴で体内に補給します。重度の脱水や手術中など、迅速な効果が必要なときに行います。 - 皮下輸液
皮膚の下(主に首や背中のあたり)に液体を注入する方法です。自宅で飼い主さんが行うケースもあり、腎臓病の子でよく使われます。
液体は数時間かけて体内に吸収されます。
🐶🐱 輸液で気をつけたいこと
輸液はとても有効な治療ですが、やりすぎると体に負担がかかることもあります。
特に心臓病の子では、体に水分が多すぎると肺や胸に水がたまり(肺水腫・胸水)、呼吸が苦しくなることがあります。そのため、輸液の量やスピードは動物の状態をよく見ながら慎重に調整する必要があります。
また、皮下輸液後に液がたまってふくらんで見えることがありますが、数時間〜1日程度で吸収されていくので心配ありません。ただし、痛がる・赤く腫れるなどの異常がある場合はすぐに病院へご相談ください。
🌿 まとめ
輸液療法は、体の水分・電解質のバランスを整える基本的かつとても大切な治療です。
「なんとなく元気がない」「食欲が落ちてきた」といった症状の裏に、脱水や体内の不調が隠れていることもあります。
気になることがあれば早めに動物病院にご相談ください。輸液を通して体のバランスを整えることで、ワンちゃん・ネコちゃんの回復を大きくサポートすることができます。
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