顎の下に黒いポツポツ|犬と猫のざ瘡について

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こんにちは!世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。

今回は、意外と多くのワンちゃん・ネコちゃんに見られる皮膚トラブル、「ざ瘡(ざそう)」について解説します。

「うちの子のあごに黒いポツポツが…」
「最近、顔のまわりにかさぶたのようなものができた」
そんな症状、もしかすると「動物のアクネ」=ざ瘡かもしれません。

「にきび」というと人間特有のものと思われがちですが、実は犬や猫にもできる皮膚疾患です。放っておくと悪化し、化膿や脱毛、かゆみの原因になることも。早めのケアが大切です。

今回は、犬と猫のざ瘡について、原因・症状・治療法・予防法まで、解説していきます。

ざ瘡(ざそう)ってなに?

「ざ瘡」とは、いわゆる“にきび”のことです。皮脂腺(皮膚にある脂を出す腺)が詰まって炎症を起こすことで、ポツポツとしたできものや黒い点、赤みなどが見られます。

犬や猫のざ瘡は主に以下の場所に発生しやすいです:

  • あごの下(特に猫)

  • 唇のまわり

  • 尻尾のつけ根(犬に多い)

 

猫に多い「猫にきび」

猫に非常に多いのが「あごニキビ」です。
黒いポツポツや、小さなかさぶたのようなものがあごにできていませんか?

これは「猫にきび」とも呼ばれ、比較的よく見られる皮膚疾患です。見た目は“黒いごま”のようにも見えるため、飼い主さんが「汚れかな?」と思ってこすってしまうことも。

しかし無理にこすってしまうと、炎症が悪化し、赤く腫れたり、化膿することもあります。

犬にもできる「ざ瘡」

犬では、短毛種や皮脂の分泌が多い犬種(例:フレンチブルドッグ、パグ、グレートデーンなど)でよく見られます。

  • あごや口周りが赤くなっている

  • 毛が抜けて、ぶつぶつしている

  • かゆがって、顔を床にこすりつける

こうした症状が見られた場合は、犬のざ瘡が疑われます。

なぜざ瘡ができるの?

ざ瘡の主な原因は、毛穴の詰まり皮脂の過剰分泌細菌感染などです。

主な原因:

  • 皮脂の分泌が多い体質

  • 不衛生な環境(食器、寝床など)

  • ストレスや免疫力の低下

  • ホルモンバランスの乱れ(特に成長期)

  • アレルギーや接触性皮膚炎

  • 毛づくろい頻度の低下(老齢猫など)

特に猫の場合、プラスチック製の食器がざ瘡を引き起こすこともあります。これは、プラスチック素材に対するアレルギー反応が関与していると言われています。

ざ瘡の症状チェックリスト

✅ あごの下に黒いポツポツがある
✅ 毛が抜けて赤くなっている
✅ 顔をかゆがっている・こすっている
✅ かさぶたや化膿が見られる
✅ 食器やおもちゃが不衛生になっている

いずれかに当てはまれば、動物病院での診察をおすすめします。

ざ瘡の治療法

ざ瘡の治療は、症状の程度や原因に応じてさまざまです。
軽度のざ瘡であれば、清潔を保ち、正しいスキンケアを行うことで改善することもあります。

軽度の場合:

  • 温かい濡れタオルで優しく拭く

  • 獣医師が推奨するスキンケアローションなどを使用

  • 食器の材質を変更

  • 抗菌シャンプーや拭き取り剤の使用

中等度~重度の場合:

  • 抗菌薬(内服・外用)

  • 抗炎症薬(ステロイドなど)

  • 細菌培養検査による薬剤選択

  • アレルギー対策

自己判断で市販の薬や人間用の薬を使うことはお勧めできません。動物の皮膚は人間よりもずっと繊細なので、悪化してしまう可能性があります。

放置するとどうなる?

「見た目だけの問題かな」と思って放っておくと、次のような問題が起こることもあります:

  • 化膿して膿が出る

  • 強いかゆみによる自傷行為(引っかき傷、脱毛)

  • 二次感染(細菌・真菌の増殖)

  • 慢性的な皮膚炎

特に猫は、自分で顔を引っかいて悪化させてしまうことがあるので要注意です。

予防のポイント

ざ瘡は、日頃のケアや環境整備で予防できることが多いです。

予防のコツ:

  • 毎日、あごや顔まわりをチェックする

  • 食器・水入れをこまめに洗う(できれば毎日)

  • 陶器やステンレス製の食器にする

  • 清潔な寝床・タオルを使用する

  • ストレスを減らす工夫をする

  • 定期的なスキンケアやシャンプー(獣医師と相談)

こんなときは、すぐ動物病院へ

  • ポツポツがどんどん広がっている

  • かゆみや痛みがひどそう

  • 出血や膿が出ている

  • 以前と同じ治療でよくならない

  • 皮膚にただれがある、臭う

ざ瘡と似た症状の皮膚病には、真菌症(カビ)、アレルギー性皮膚炎、ダニなどがあるため、自己判断は危険です。
症状が軽いうちに受診することで、治療もスムーズになり、ワンちゃん・ネコちゃんの負担も減ります。

まとめ

ざ瘡(アクネ)は、犬や猫にもよく見られる皮膚トラブルのひとつです。
あごや顔まわりの黒いポツポツは「ただの汚れ」ではなく、皮膚の病気かもしれません。

見た目は軽くても、放っておくと化膿や慢性炎症につながることもあります。
日々のケアと環境の見直し、そして異変を感じたときは、早めの受診が大切です。

当院では、皮膚トラブルの診察・治療はもちろん、ホームケアのアドバイスも行っております。

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