くしゃみ・逆くしゃみ・鼻水…鼻腔内異物に注意

こんにちは!世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳

ワンちゃんやネコちゃんが突然、くしゃみや逆くしゃみを連発したり、片側だけ鼻水が出ていることはありませんか?

その原因のひとつとして「鼻腔内異物(びくうないいぶつ)」があります。

これは、鼻の中に植物の種や食べ物のかけらなど、異物が入り込んでしまい炎症を起こす病気です。

今回は、鼻腔内異物の原因や症状、診断・治療の流れ、予防のポイントについてわかりやすく解説します。

 

 

鼻腔内異物とは?

鼻腔内異物とは、異物が鼻の奥(鼻腔)に入り込んでしまい、炎症や鼻水の貯留を引き起こす状態です。

初期段階では、体がくしゃみなどで異物を排出しようとしますが、うまく出せない場合には炎症が広がり、鼻汁が粘性を増して慢性化します。

 

原因と侵入経路

鼻腔内異物は、異物が鼻に入る経路によって2つのパターンがあります。

外鼻孔(鼻の穴)から入る場合

  • 比較的鼻の穴が大きい犬に多い
  • 植物(草の種、穂など)を吸い込むケースが多い
  • 散歩中や草むらで遊んだときに発生しやすい

鼻咽頭・後鼻孔から入る場合

  • 外鼻孔の小さい小型犬に多い
  • 嘔吐や吐出の際に食べ物のかけらを吸い込む
  • 食事中の興奮や麻酔後の逆流などが原因

 

主な症状

鼻腔内異物の症状は比較的特徴的です。

  • 突然始まるくしゃみ
  • 逆くしゃみ(吸い込むような音を伴う発作)
  • 鼻水(片側または両側)
  • 顔を振る仕草
  • 鼻出血はほとんどなし(あっても軽度)

鼻水が片側だけの場合は外鼻孔から入った可能性が高く、

両側の場合は後鼻孔から入った可能性があります。

特に後鼻孔や鼻咽頭に異物がある場合は、激しい逆くしゃみが目立ちます。

 

診断方法

診断の第一歩は、詳しい問診です。

症状が出た直前に散歩や嘔吐などのイベントがあったかを確認します。

検査としては、

  • 頭部X線検査
  • CT検査、MRI検査
    が行われますが、異物が必ず映るわけではありません。
    映らない場合は、局所的な鼻汁の貯留や炎症所見から推測します。
    確定診断は異物を実際に摘出できた時点でなされます。

 

治療方針

鼻腔内異物の根本治療は摘出です。

抗菌薬だけでは一時的に症状が良くなることはありますが、再発する可能性が高くなります。

摘出が難しいケース

  • 外鼻孔が小さい小型犬などでは、カテーテルで洗浄し、異物を後鼻孔に押し出す方法を取る場合があります。
  • 食べ物の破片などは鉗子で掴みにくく、洗浄が有効なこともあります。
  • どうしても取れない場合は外科手術が必要になることもあります。

 

予後と注意点

異物が完全に取れれば予後は良好です。

しかし、細かく粉砕された異物が残っている場合や、二次的な鼻咽頭狭窄が生じた場合は、症状が長引くこともあります。

摘出後も抗菌薬やステロイド点鼻などで炎症を抑える治療を行います。

また、再び異物を吸い込まないよう、生活環境の見直しが大切です。

 

予防のポイント

  • 草むらや種子が多い場所での散歩を避ける
  • 食事中の興奮を抑え、落ち着いて食べられる環境を作る
  • 異物を吸い込んだ疑いがあれば、すぐに動物病院へ

 

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