2023/01/26
こんにちは!獣医師の日塔です。
みなさんは、愛犬・愛猫の口臭が気になったことはありませんか?
その口臭の原因は、実は「歯周病」かもしれません‼️
歯周病は3歳以上のワンちゃん・ネコちゃんの8割以上が罹患していると言われています。
今回はわんちゃん・ねこちゃんの「歯周病」について説明したいと思います。
まず、「歯周病」とは「歯肉炎」と「歯周炎」の総称です。
「歯肉炎」は食べカスや、細菌の固まりである歯垢(プラーク)が歯と歯肉の間に溜まり、それによって炎症を起こした状態です。
「歯周炎」はさらに炎症が進み、歯の支持組織である歯周組織にまで炎症が波及した状態です。 進行すると歯周組織が溶解し、歯のグラつき、最終的には歯を失うことになってしまいます。また、時には下顎が骨折してしまう事もあります。
当院で歯科処置を実施したトイプードルちゃんの症例で、
歯科用レントゲンで下顎を撮影したところ…
歯周病の進行によって、歯を支える、歯槽骨の消失が認められました。
本来であれば、赤で示した部分は歯槽骨があった部分です。
また、青で示した部分は歯周病病の進行により下顎骨が非常に薄くなっている状態です。
この下顎骨の状態では、遊んでいる際などに、顔をぶつけたりすると、容易に骨折してしまうことが予想されます。
特に、トイプードルちゃんなどの小型犬では、もともと下顎骨が薄いため、歯周病の進行が原因で、下顎骨の骨折を引き起こしやすいので、注意が必要です。
これだけでも怖い病気ですが、実はこれだけではありません!
「歯周病」は全身の健康状態にも大きな影響を及ぼすことがわかっています。
具体的には…ワンちゃんの心臓病(僧帽弁逆流)の有病率は歯周病患者で17倍!!
また、ネコちゃんの歯周病(ステージ3,4)で慢性腎臓病のリスクが1.5倍!
などの影響が明らかになっています
以上のことから、「歯周病」はしっかりとした予防・治療が必要な病気であることを分かっていただけたかと思います。
それでは、「歯周病」の進行を抑えるにはどうしたら良いでしょうか。
それは日々のご自宅でのハミガキと、麻酔をかけた定期的(年1度が推奨)な歯垢・歯石除去になります。
この2つを組み合わせて実施していく事が非常に重要になります。
ハミガキやってみたいけどやり方がわからない、最近うちの子のお口が臭う…などお口に関するお困りごとがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
将来健康な歯を残す事ができるよう、若い頃から歯周病対策を行なっていきましょう!!