犬の歯並びに異常?…もしかして近心転位かも⁉

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こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

 

今回は犬の上顎犬歯の近心転位についてご紹介します。

 

上顎犬歯の近心転位(ランスエフェクト)とは?

わんちゃんの歯並びにも、人と同じように「不正咬合(ふせいこうごう)」と呼ばれるかみ合わせの問題が生じることがあります。

その一つが「上顎犬歯の近心転位(じょうがくけんしのきんしんてんい)」です。

これは、上あごの犬歯(糸切り歯のような先の尖った歯)が、本来よりも前方(鼻側)にズレて生えてしまっている状態を指します。

片側だけの場合もあれば、両側ともズレてしまうこともあります。

 

 

どうして起こるの?

原因はさまざまですが、代表的なものは以下の通りです。

  • 遺伝的要因:特定の犬種(シェルティやペルシャなど)では、遺伝的に歯並びの異常が出やすいことがあります。
  • 顎と歯のアンバランス:歯のサイズに比べて顎が小さかったり、顎の成長が遅れたりすると、正しい位置に歯が生えずズレが起きることがあります。
  • 外傷・外的要因:事故や強い衝撃で歯が動いてしまうこともあります。

これらが組み合わさって、上顎犬歯の位置がずれてしまうのです。

 

どんな問題が起きる?

見た目の違和感だけでなく、次のような実際の健康トラブルを引き起こすことがあります。

  • かみ合わせの悪化:犬歯がズレることで、上下の歯がうまくかみ合わず、物が噛みにくくなることも。
  • 歯列全体への影響:周囲の歯も押されて並びが乱れ、全体の歯列不正につながることがあります。
  • 歯肉や歯のトラブル:異常な位置で咬むことで、歯肉が傷ついたり、炎症(歯肉炎・歯周病)を起こすことも。
  • 見た目の変化:歯の位置異常により、顔つきが変わって見えることもあります。

放っておくと、将来的に食べることや生活の質に影響を及ぼすことがあるため、早めの診断が大切です。

 

どうやって診断するの?

  • 視診:まずは口の中を見て、歯の位置や並び方をチェック。
  • 歯科X線検査:歯の根っこまで含めた詳しい状態を確認するために、X線検査(通常は麻酔下)が必要です。
  • CT検査:より詳細な画像診断が必要な場合、他院をご紹介してCTを撮影することもあります。

これらの検査で歯のズレの程度や、周囲の骨・組織への影響を評価していきます。

 

治療法は?

治療は、歯のズレの度合いや犬の年齢・健康状態によって異なります。

保存的治療(比較的軽度な場合)

  • 矯正装置を使って歯の位置を整える
  • 定期的な経過観察で進行具合をチェック

外科的治療(重度の場合や矯正が難しい場合)

  • 生活歯髄切断:歯の先を削って、口の中に当たらないようにする処置
  • 抜歯:周囲の歯や歯肉に強く影響している場合は、抜歯を選択することもあります

どの治療も、わんちゃんへの負担や予後をしっかり考えたうえで、獣医師が丁寧に判断・実施します。

 

予防できるの?

完全に防ぐことは難しいですが、早期発見・早期対応がとても大切です。

  • 定期的な歯科健診を受ける
  • 子犬のうちから歯の生え方をよく観察する
  • 違和感を感じたらすぐにご相談ください

 

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお待ちしております。


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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

〒158-0082

東京都世田谷区等々力1-34-18

シュロス等々力1F

TEL:03-3704-1014

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