犬猫の下痢・嘔吐は要注意!…もしかして細菌性腸炎かも⁉

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こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

今回は犬猫の細菌性腸についてご紹介いたします。

 

 

細菌性腸炎とは?

わんちゃん・ねこちゃんの健康にとって、腸のトラブルは決して軽視できない問題です。

その中でも、「細菌性腸炎(さいきんせいちょうえん)」は、細菌が原因で腸に炎症が起こる病気で、下痢や嘔吐、元気消失などの消化器症状を引き起こします。

軽度で自然に治る場合もありますが、原因によっては命に関わることもあるため、早めの受診が大切です。

 

細菌性腸炎ってどんな病気?

腸内にはもともとたくさんの細菌が存在していますが、何らかの原因で有害な細菌が増殖したり、外から病原性の強い細菌が侵入したりすると、腸の粘膜に炎症が起こります。

これが「細菌性腸炎」です。

特に、以下のような細菌が関係していることが多くあります

  • サルモネラ菌
  • カンピロバクター
  • クロストリジウム属菌(ウェルシュ菌など)
  • 大腸菌(特に毒素を産生するタイプ)

これらの細菌は、食べ物や他の動物の便、汚染された環境などを通じて体内に侵入します。

 

感染の原因は?

細菌性腸炎は以下のような状況で発症することがあります:

  • 腐敗した食べ物や生肉の摂取
  • 他の動物の便との接触
  • 免疫力の低下(高齢、子犬・子猫、病中病後など)
  • ストレスや環境の急変
  • 抗生剤の乱用による腸内環境の乱れ

特に子犬や子猫、免疫力が弱い動物は感染しやすく、症状も重くなりやすいため注意が必要です。

 

どんな症状が出るの?

症状は軽度の軟便から、重篤な下痢・脱水・ショック状態までさまざまです。代表的な症状は以下の通りです。

  • 水様性〜粘液性の下痢
  • 血便(赤い血や黒いタール状の便)
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 発熱
  • ぐったりして元気がない
  • 脱水(皮膚の弾力低下、口の渇きなど)

感染した菌の種類や体調によっては、急激に悪化するケースもあります。

 

 

どうやって診断するの?

動物病院では、以下のような検査を通じて診断を行います。

  • 糞便検査:顕微鏡や培養で、細菌やその毒素を確認します。
  • PCR検査:特定の細菌の遺伝子を検出し、より正確に原因を特定します。
  • 血液検査:脱水の程度や感染による炎症反応をチェックします。
  • 画像検査(エコーなど):腸の動きや形を確認するために行う場合もあります。

症状が似ているウイルス性腸炎や寄生虫症との区別も重要です。

 

治療法は?

症状の程度や原因となる菌によって治療内容は異なりますが、主な治療は以下の通りです。

脱水対策

嘔吐や下痢で体の水分が失われているため、点滴(皮下または静脈)で水分と電解質を補います。

抗生物質の投与

原因菌が特定できた場合には、その菌に効果のある抗生物質を使用します。ただし、抗生物質の乱用は腸内細菌バランスを崩すため、必要な場合に限り慎重に使用します。

整腸剤・プロバイオティクス

腸内環境を整えるために、善玉菌を補うお薬やサプリメントを使用することもあります。

食事療法

胃腸にやさしい消化器用療法食を使いながら、回復をサポートします。急性期には一時的な絶食が必要なこともあります。

自宅でのケアや注意点

  • 下痢や嘔吐が1日以上続くときはすぐ受診を!
  • 市販の人間用の下痢止めを勝手に与えないこと
  • 排泄物は速やかに片づけて、消毒・清掃を徹底する
  • 多頭飼育の場合は感染拡大を防ぐため、隔離や食器の共有を避ける

予防するには?

細菌性腸炎を防ぐためには、日常のちょっとした心がけが大切です。

  • 生肉や腐敗した食べ物は絶対に与えない
  • 定期的なワクチン接種や寄生虫予防で免疫力を維持する
  • トイレやケージはこまめに清潔に
  • お散歩中の拾い食いをさせない
  • 下痢や嘔吐があったら様子見せず早めに相談

 

まとめ

細菌性腸炎は、軽い症状から命に関わる重症例まで幅広いリスクをもった病気です。特に子犬・子猫や体力の落ちた高齢動物では、進行が早くなることもあります。

「ちょっと下痢してるだけかな?」と思っても、いつもと違う便の様子・食欲不振・元気消失が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。

 

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお待ちしております。


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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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TEL:03-3704-1014

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