2025/10/18
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回はわんちゃんの排便トラブルに隠れた病気、会陰(えいん)ヘルニアについてお話ししようと思います!
会陰ヘルニアとは?
「会陰(えいん)」とは、肛門のまわりから陰部のあたりにかけての部分のことです。
犬の会陰ヘルニアは、この部分の 筋肉が弱くなってしまい、直腸や膀胱、小腸などが皮膚の下に飛び出してくる病気 です。
多くは 去勢していない中~高齢のオス犬 に見られます。
どうして起こるの?
原因はひとつではありませんが、主に次のような要因が関係しています。
- 加齢による筋力低下
- 男性ホルモンの影響
- 慢性的な便秘や排便時のいきみ
- 前立腺肥大や腫瘍による圧迫
こうした影響で肛門周囲の筋肉(骨盤隔膜)が弱くなり、直腸や膀胱などが押し出されてしまうのです。
見られる症状
初期のうちは軽い排便のしづらさだけですが、進行すると次のような症状が見られます。
- 排便しようといきむが、なかなか出ない
- 肛門の横がふくらんでいる(片側または両側)
- 排便後も残便感がある
- お尻を気にしてなめる
- 膀胱が入り込むと、おしっこが出にくくなる
- 食欲低下や元気がない
ヘルニアの中に膀胱が入り込むと、尿が出せなくなって命に関わることもあります。
このような場合は 緊急対応が必要 です。
診断方法
診断は、視診と触診(直腸検査) が基本です。
獣医師が肛門から指を入れて、筋肉の状態やふくらみの有無を確認します。
また、次のような検査を併用して、どの臓器が飛び出しているのかを調べます。
X線検査
骨盤内や膀胱の位置を確認
超音波検査(エコー)
臓器の状態や前立腺肥大の有無を確認
治療方法
根本的な治療は「外科手術」です
会陰ヘルニアは、自然に治ることはありません。
手術により臓器が飛び出さないようにする必要があります。
また、再発を防ぐために 去勢手術(精巣摘出)を同時に行う のが一般的です。
去勢により男性ホルモンの影響を減らし、筋肉の萎縮を抑えることができます。
手術前後の注意点
手術後もすぐに元通りというわけではありません。
- 数日は排便をスムーズにするために便をやわらかくする薬を使用
- 再発防止のため、便秘や下痢を避ける よう食事管理を徹底
- 手術後しばらくは安静にし、排便の様子を観察
再発率は手術方法や体質によって異なりますが、適切な管理で良好な経過を保つことができます。
予防と早期発見のポイント
完全な予防は難しい病気ですが、以下のような対策でリスクを下げることができます。
- 若いうちに 去勢手術 を行う
- 便秘を防ぐ食生活(繊維の多いフードや十分な水分)
- 排便時のいきみが強いなどの症状があれば早めに受診
- お尻の形やふくらみに異変がないか、定期的にチェック
まとめ
犬の会陰ヘルニアは、加齢やホルモンの影響で肛門まわりの筋肉が弱くなり、
内臓が飛び出してしまう病気です。
排便がしづらい、お尻が腫れているなどのサインを見逃さず、
早期に診察・治療を受けることで快適な生活を取り戻すことができます。
ワンポイント
「うんちが出にくいだけ」と思って様子を見ているうちに、
症状が急速に悪化することもあります。
会陰ヘルニアは見た目では軽く見えても、放置すると命に関わる病気 です。
気になる症状があれば、すぐに動物病院へ相談しましょう。
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