2025/10/16
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
犬・猫の胃・腸管内異物~「誤食かも」と思ったらすぐに受診を~
こんなことはありませんか?
「目を離したすきに靴下がなくなっている」
「遊んでいたおもちゃの部品が見当たらない」
「ひもで遊んでいた猫が急に吐きはじめた」
動物病院で実際に多く見られるのが、犬や猫が食べてはいけない物を飲み込んでしまう=胃・腸管内異物です。
最初は軽い嘔吐だけでも、腸に詰まってしまうと数時間で命に関わることもあります。
今回は、飼い主さまに知っておいていただきたい 誤食のリスク・症状・治療・予防法 をご紹介します。
胃・腸管内異物とは?
犬や猫が誤って飲み込んだ異物が胃や腸にとどまり、消化管を塞いでしまう状態です。
小さな物は自然に排泄されることもありますが、詰まってしまうと食べ物や液体が通らなくなり、嘔吐や腹痛を引き起こします。さらに悪化すると 腸閉塞・腸の壊死・穿孔(穴があく)・腹膜炎 へ進み、命の危険に直結します。
誤食しやすいもの
動物病院でよく見られるケースをご紹介します。
- 衣類・布製品:靴下、タオル、下着(犬で特に多い)
- おもちゃ:ゴムボール、ぬいぐるみのパーツ、プラスチック製品
- ひも状のもの:毛糸、リボン、ビニールひも(猫で多い)
- 食べ物関連:鶏や魚の骨、竹串、アルミホイル、ラップ
- その他:石、木片、ボタン、コインなど
犬は「なんでも口に入れる」習性から、猫は「紐状のものを好む」習性から、誤食に至ることが多いのが特徴です。
症状
異物の種類や大きさ、詰まった場所によって症状は異なりますが、代表的なのは以下です。
- 繰り返し吐く
- 食欲が落ちる、食べたがらない
- 元気がなくなる、ぐったりする
- 下痢や血便
- お腹を触られるのを嫌がる
- 便が出ない、排便姿勢をとっても出ない
⚠️ 特に 嘔吐が続く・食欲が全くない・急に元気がなくなった という場合は、腸閉塞が起きている可能性が高く、早急な治療が必要です。
診断方法
誤食が疑われるときは、次のような検査を組み合わせて行います。
- X線検査:金属や骨、石などが確認できます。
- 造影検査:造影剤の通過状態によって閉塞の有無を確認します。
- 超音波検査:ひも状やレントゲンに写りにくい異物の検出に有効です。
- 内視鏡検査:胃の中の異物を直接確認でき、同時に摘出できることもあります。
治療方法
1. 経過観察
小さな異物で自然に便として排泄される可能性がある場合。点滴や薬でサポートしながら様子を見ます。
2. 吐かせる処置
飲み込んでから2-3時間以内で、異物が胃の中にある場合は薬で吐かせて取り出すことがあります。
※串や鋭利な骨などでは危険なため実施しません。
3. 内視鏡で摘出
胃~十二指腸の中にある異物で、形状によっては開腹手術を避けて取り出せます。
4. 外科手術
腸に詰まっている場合や、内視鏡で取れない場合は開腹手術が必要です。
腸が傷んでいる場合には、腸の一部を切除することもあります。
予後と注意点
手術で異物を取り出せば回復することが多いですが、腸に穴が開いて腹膜炎を起こしている場合は命の危険が大きくなります。
また、一度誤食をした子は繰り返しやすいため、再発防止の環境づくりが欠かせません。
誤食を防ぐために飼い主さまができること
- 衣類・小物・子どものおもちゃは片づける
- ゴミ箱はフタ付きのものを使う
- 壊れやすいおもちゃは与えない
- 食事や調理中は近づけない
- 猫の場合はひも・毛糸・リボンを出しっぱなしにしない
「うちの子は大丈夫」と思っていても、実際に誤食は突然起きます。
まとめ
胃・腸管内異物は、「様子を見よう」としている間に命に関わる状態になる病気です。
「おもちゃを飲み込んだかも」
「何度も吐いている」
「急に元気がなくなった」
こんなときは自己判断せず、できるだけ早くご相談・ご来院ください。
早期発見・早期治療が、わんちゃん・ねこちゃんの命を守ります。
【関連する記事はこちらから】
吐こうとするけど吐かない、食欲がない……もしかして食道内異物⁉
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。
けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
東京都世田谷区等々力1-34-18
シュロス等々力1F
TEL:03-3704-1014
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。