2025/08/25
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
はじめに🌸
「うちの子は避妊手術をしていないけど大丈夫かな?」
そんな心配をされたことはありませんか?
メスの犬や猫に多い子宮の病気として有名なのは 子宮蓄膿症。
命に関わるケースもあり、動物病院でも緊急手術になることが多い怖い病気です。
しかし実は、その 前段階で見つかることがある病気 が「子宮水症(しきゅうすいしょう)」です💧
子宮水症は「膿」ではなく 透明や淡黄色の水のような液体 が子宮内にたまる状態。
症状が軽いため見逃されがちですが、放置すると子宮蓄膿症に進行する可能性があります⚠️
子宮水症とは?🔎
子宮水症(hydrometra)は、子宮の中に 感染を伴わない液体(無菌性の分泌液) がたまる病気です。
似ている「子宮蓄膿症」との違いを整理すると👇
|
子宮水症 |
子宮蓄膿症 |
液体の性質 |
透明〜淡黄色 |
水のような膿 |
感染 |
なし |
あり |
症状 |
軽度〜無症状 |
発熱・元気消失・多飲多尿など重症化 |
治療 |
手術で根治 |
緊急手術が必要になることが多い |
👉 子宮水症は「まだ感染していないが、見過ごすと危険」なサインです。
子宮水症の原因🌀
子宮水症は、主に ホルモンの影響 と 子宮の変化 によって起こります。
黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用
発情後に分泌されるホルモンにより、子宮内膜が厚くなり、分泌物が増えます。
妊娠しなければ、この液体が子宮内に残ることがあります。
子宮頸管が閉じること🚪
子宮の出口が閉じると、液体が外に排出されずにたまります。
加齢や発情の繰り返しによる子宮内膜の変化
避妊していないメスでは、年齢とともに子宮内膜が「嚢胞性過形成」という状態になり、液体がたまりやすくなります。
まれなケース:子宮の先天的な異常
若い子でも子宮の構造に異常があると起こることがあります。
子宮水症が起こりやすい子🐾
- 避妊手術をしていないメス
- 6歳以上の中高齢
- 出産経験がない(未経産)
- 発情を繰り返している
👉 特に犬で多く見られますが、猫でも油断はできません。
子宮水症の症状⚠️
子宮水症は 「静かに進む病気」 です。多くは無症状か、わずかな変化しか見られません。
よくあるサイン
- 外陰部から透明〜淡黄色の分泌物💧(においはほとんどない)
- おなかがふくらんできたように見える
- 少し元気や食欲が落ちる😔
- トイレの回数が増える
👉 発熱や強い食欲不振、多飲多尿、嘔吐などの症状が出たら すでに子宮蓄膿症に進行している可能性が高く、命に関わる状態 です。すぐに受診してください🚑
子宮水症の診断🔬
動物病院では以下のような検査を行います。
超音波検査(エコー)
子宮に液体がたまっている様子を確認できます。
膿か水かの区別は難しいこともあります。
X線検査(レントゲン)
子宮が管状に拡張して写る場合があります。
血液検査💉
子宮水症では炎症反応が出ないことが多いですが、感染があれば白血球数や炎症マーカーが上昇します。
👉 「分泌物がある=すぐに子宮蓄膿症とは限らない」ため、必ず検査で区別する必要 があります。
子宮水症の治療🏥
外科的治療(卵巣子宮摘出術)✂️
もっとも確実で再発しない治療は、 避妊手術(卵巣子宮摘出術) です。
子宮と卵巣を取り除くことで、子宮水症も子宮蓄膿症も完全に予防できます。
- ✅ メリット:完治できる、再発の心配なし
- ⚠️ デメリット:全身麻酔が必要(高齢や持病がある場合は注意が必要)
👉 子宮蓄膿症になる前に手術を受けることがとても重要です。
予防✨
もっとも効果的な予防法は 若いうちの避妊手術 です。
避妊手術は👇のようなメリットがあります。
- 子宮水症・子宮蓄膿症を完全に防げる
- 卵巣腫瘍や乳腺腫瘍の予防にもつながる
- 発情に伴うストレスや行動の変化を防げる
飼い主さまへのメッセージ💌
- 子宮水症は 気づきにくい病気 ですが、放置すると命に関わる子宮蓄膿症に進むことがあります。
- 「分泌物が出ている」「おなかが膨らんできた」など、少しでも気になるサインがあれば早めに受診してください。
- 若いうちに避妊手術をすることが最も確実な予防です。
💡 「うちの子はどうかな?」と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
早期発見・早期治療で、ワンちゃん・ネコちゃんともっと長く幸せな時間を過ごしましょう🐾
まとめ🌿
子宮水症は、犬や猫のメスに起こる 静かに進行する子宮の病気 です。
症状が軽いため気づかれにくいものの、放置すると命に関わる子宮蓄膿症へ進む可能性があります⚠️
- 子宮水症は 分泌物やおなかのふくらみ で気づくことがある
- 診断には 超音波検査や血液検査 が必要
- 最も確実な治療・予防は 避妊手術(卵巣子宮摘出術)
- 早期発見・早期治療が健康寿命を延ばすカギ✨
「ちょっと気になる症状がある」「避妊手術を迷っている」そんなときは、ぜひ一度ご相談ください🐶🐱
小さな不安を早めに解決することが、大切な家族の健康を守る一番の近道です💖
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