2025/10/01
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今日は、ワンちゃん・ネコちゃんの関節に起こる怖い病気の一つ、「感染性関節炎(かんせんせいかんせつえん)」について詳しくご紹介いたします。
「最近、足を引きずってる」「関節を触ると嫌がる」
そんな症状に気づいたら、感染性関節炎が隠れているかもしれません。
放っておくと、関節が壊れて一生痛みが残る可能性もあるため、早期発見・早期治療がカギになります。
感染性関節炎ってどんな病気?
感染性関節炎とは、関節内に細菌やウイルス、真菌(カビ)などが入り込み、炎症を起こす病気です。
健康な関節は無菌(細菌などがいない状態)ですが、さまざまな原因で病原体が入り込むと、関節内で炎症が起こり、痛み・腫れ・歩行異常などの症状が現れます。
原因はなに?
主に細菌感染によって起こります。以下のような経路で感染することが多いです。
犬や猫での主な感染経路
原因・経路 | 説明 |
---|---|
ケガや咬み傷 | 他の動物とのケンカによる咬み傷や刺し傷から細菌が侵入 |
手術後の感染 | 関節手術や注射などの処置後に感染する場合があります |
血液を介した感染 | 皮膚炎や膀胱炎など他の部位の感染が、血液に乗って関節へ広がることがあります |
異物混入 | トゲや破片などが関節に入り込むことで炎症を起こす場合も |
特に外に出る猫は、ケンカによる咬み傷が多く、感染性関節炎のリスクが高いです。
主な症状
感染性関節炎になると、次のような症状が見られることがあります。
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片足をかばう、足をつけない(跛行:はこう)
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関節を触ると嫌がる・怒る
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関節の腫れ・熱っぽさ
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食欲が落ちる、元気がない
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熱が出る(発熱)
👉 痛みの強さによっては、まったく歩かなくなることもあります。
診断方法は?
病気を確定するために、以下のような検査を行います。
検査内容
検査 | 内容 |
---|---|
視診・触診 | 歩き方、痛みの部位、腫れなどを確認します |
血液検査 | 炎症の程度や全身状態を評価します |
レントゲン検査 | 骨や関節の異常がないかを確認 |
関節液の検査 | 関節液を採取して、細菌の有無・種類を調べます(とても重要!) |
超音波検査 | 関節内の液体のたまりなどを確認する場合もあります |
関節液の検査は、感染しているかどうかを見極めるための決め手となります。
治療法は?
感染の原因となる細菌をやっつけることが基本です。症状や進行度によって治療法が変わります。
軽度〜中程度の場合
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抗生物質の内服や注射
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細菌に合ったお薬を選び、数日〜数週間投与します。
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重度・慢性化している場合
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関節内洗浄:膿や細菌を洗い流します(鎮静または麻酔下)
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外科的処置:関節にたまった異物の除去や、重度の破壊に対する処置が必要になることもあります
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関節内注射:消炎剤などを使って炎症を抑えます
🕒 治療開始が早いほど、関節のダメージを抑えることができます。
逆に、治療が遅れると関節が変形して元に戻らなくなることもあります。
飼い主さんにできること
感染性関節炎を防ぐため、また早期に発見するためには、日頃の観察がとても大切です。
観察ポイント
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歩き方がいつもと違う
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足をかばっている
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足を触られるのを嫌がる
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関節に腫れや熱感がある
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外傷や咬み傷がある
特に外に出る猫はケンカによる咬傷が多いため、小さな傷でも油断せずに動物病院で診察を行いましょう。
感染を防ぐために
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ワンちゃん・ネコちゃんの傷は早めに処置
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外に出る子は、定期的な健康チェック
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手術や関節注射後は、傷口を清潔に保ち、気になる症状があればすぐ相談
まとめ
感染性関節炎は、重症化すると関節が壊れて元に戻らなくなる可能性のある病気です。
でも、早期に見つけて治療を始めれば、回復する可能性は高くなります。
「なんだか歩き方が変だな…?」
「足を痛がってるかも?」
そんな“ちょっとした変化”に気づいたときが、受診のタイミングです。
大切な家族がずっと健康に過ごせるよう、気になることがあればいつでもご相談ください。
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