その激しいかゆみや脱毛…もしかしたらシラミ・ハジラミ症かも!?

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【そのかゆみ、その原因は?】犬猫のシラミ・ハジラミ症について

最近、うちの子が体をかゆがる」「ブラッシングしていたら、小さな虫が動いていた」——そんなとき、ノミやダニだけでなく、シラミやハジラミが原因のこともあります。

シラミ・ハジラミ症はかゆみ被毛のダメージだけでなく、重度になると貧血皮膚炎を引き起こすこともある寄生虫性皮膚疾患です。

今回はそんなシラミ・ハジラミ症の原因・症状・診断・治療・予防などを紹介します!

 

 

 

シラミとハジラミの違い

まず混同されやすい「シラミ」と「ハジラミ」は、どちらも吸血性や皮膚寄生性の外部寄生虫ですが、吸血するかどうかで大きく異なります。

種類

主な寄生対象

食性

特徴

シラミ(sucking louse)

など

吸血性

血を吸い、強いかゆみ貧血を起こす

ハジラミ(chewing louse)

・ウサギ・鳥など

皮膚の角質被毛・羽毛などを食べる

吸血しないが、激しいかゆみ被毛損傷を起こす

犬に寄生する主な種類

  • 犬シラミ
  • 犬ハジラミ

猫に寄生する主な種類

  • 猫ハジラミ が代表的です。

 

これらは宿主特異性が高く、犬のシラミが猫や人にうつることはほとんどありません。

 

 

感染経路と発生状況

シラミやハジラミは、成虫・卵ともに宿主の体表で生活します。環境中では長く生きられないため、感染は主に直接接触によって起こります。

多頭飼育の環境やペットホテル、ブリーダーの環境などでは、接触感染が広がりやすい傾向にあります。

また、以下のような条件で発生リスクが高まります。

  • シャンプーやブラッシングなどのケアが不十分な場合
  • 被毛が長くもつれ汚れが多い場合
  • 栄養状態が悪い免疫力が低下している動物
  • 保護犬保護猫野外での生活経験がある動物

日本国内でも、保護施設や野良猫、長期放置されてしまった犬などでシラミ・ハジラミの寄生が報告されています。

 

 

主な症状

シラミ・ハジラミ症の症状は、寄生部位吸血摂食の仕方によって少し異なります。

一般的な症状には以下が挙げられます。

  • 激しいかゆみ(特に耳の後ろ尾の付け根など)
  • フケの増加
  • 被毛の艶の低下脱毛
  • 咬傷かき壊しによる皮膚炎
  • シラミの付着白っぽい粒状物が毛に密着)

重度の場合は、シラミによる吸血で貧血を起こすこともあります。

特に幼齢動物体力のない子では注意が必要です。

 

 

診断方法

動物病院では、次のような方法で診断を行います。

  1. 肉眼ルーペ観察
     被毛に付着した成虫を直接確認します。ハジラミは動きが比較的早く、被毛の根元を移動します。
  2. テープ検査
     皮膚表面を透明テープで採取し、顕微鏡で観察することで虫体を確認します。
  3. コーミング検査
     ノミ取りコームなどで被毛をとかし、虫体を採取して顕微鏡で観察します。

顕微鏡下では、シラミとハジラミの形態の違い(細長い吸血口か、丸みを帯びた口か)から種の判別が可能です。

 

 

治療法

治療の基本は、外用薬や内服薬による駆虫と、環境管理です。

外用駆虫薬

現在、多くのノミ・マダニ駆除薬にシラミ・ハジラミへの効果も認められています。

代表的な有効成分として、

  • フィプロニル
  • イミダクロプリド
  • セラメクチン
  • フルララネル、アフォキソラネルなどのイソオキサゾリン系

が挙げられます。

ただし、対象動物年齢によって使用可否が異なるため、必ず病院で処方を受けましょう。

シャンプー療法

重度に汚染された被毛には、駆虫シャンプー低刺激性シャンプーでの洗浄も有効です。

シラミの卵は薬剤に抵抗性を持つため、数日後に再度シャンプー再投与を行うことがあります。

環境の清掃

環境中で長く生存はできませんが、ブラシベッドタオルなどの共有物から再感染する場合があります。

使用品は洗濯乾燥し、掃除機でしっかり吸い取ることが推奨されます。

 

 

予防法

  • 定期的にノミ・マダニ予防薬を使用する
  • ブラッシングで皮膚・被毛の状態をチェックする
  • 保護動物や新しく迎えたペットは一度病院で身体検査などを受けることが大切です
  • 多頭飼育の場合は全頭一斉に駆虫・清掃を行う

また、犬猫のシラミやハジラミは基本的に人には感染しません

ただし、人のシラミ(アタマジラミなど)とは別種ですが、強い咬傷皮膚炎がある場合は、念のため医師にご相談ください。

 

 

まとめ

シラミ・ハジラミ症は、放置しても自然には治らない寄生虫疾患です。

外から保護した長らくシャンプーをしていないわんちゃんねこちゃんなどでは、軽度でも早めの受診をおすすめします。

ノミやダニのように市販薬で一時的に落ち着くこともありますが、根本的な駆虫再感染防止には動物病院での診断と治療計画が大切です。

かゆみ皮膚トラブルに気づいたら、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

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