2025/05/21
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は猫のカリシウイルス感染症についてご紹介いたします。
カリシウイルスってどんなウイルス?
猫カリシウイルス(FCV)は、主に上部気道感染症(いわゆる猫風邪)を引き起こすウイルスです。ウイルス自体は非常に小さく、目に見えませんが、猫の体調に大きな影響を与えることがあります。
このウイルスは、感染猫のくしゃみ、唾液、鼻水などを通じて、ほかの猫に広がります。また、食器やトイレ、飼い主さんの手などを介してうつることもあります。とても感染力が強いため、多頭飼いのお家や猫がたくさんいる施設では特に注意が必要です。
どんな症状が出るの?
カリシウイルスに感染した猫は、次のような症状を示すことがあります
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くしゃみ、鼻水、咳
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目ヤニ、結膜炎
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口内炎・舌潰瘍(よだれが増える、口を痛がる)
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食欲不振や元気消失
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発熱
特に口内炎や舌の潰瘍は、カリシウイルス特有の症状です。ひどくなると、痛みのためにごはんが食べられなくなることもあります。
どうやって診断・治療するの?
症状や口の中の状態からある程度は判断できますが、確定診断にはウイルス検査が必要です。動物病院では、鼻水や口腔内の拭い液を使って、PCR検査やウイルス分離などを行うことがあります。
抗生物質の投与
細菌の二次感染を防ぐために使用。
鎮痛薬・抗炎症薬
→ 口内炎や潰瘍の痛み・炎症を和らげる。
点滴(皮下・静脈)
→ 脱水や栄養不足の補助。
栄養サポート
→ 食欲がない場合は強制給餌や食欲増進剤を使用。
ネブライザー(吸入療法)
→ 鼻づまりや咳など呼吸器症状を緩和。
自宅ケアのポイント
→ 清潔・温かい環境、目ヤニや鼻水の清拭、水分・食事の確保。
隔離管理
→ 他の猫への感染を防ぐため、接触を避ける。
ウイルスは予防できる?
予防接種(ワクチン)が非常に有効です。
一般的な3種混合ワクチンに、カリシウイルスが含まれています。子猫の時期に複数回接種し、その後も1年に1回の追加接種を受けることで、感染のリスクを大きく減らすことができます。
また、完全な予防ではありませんが、室内飼育を徹底することや、外から帰った際に手を洗うなどの衛生管理も重要です。
多頭飼いや保護猫との接触時には特に注意!
新しく猫を迎える場合、特に保護猫や外から来た猫には、ウイルス検査やワクチン接種歴の確認をしてから、先住猫と接触させるようにしましょう。隔離期間を設けて観察するのもおすすめです。
最後に:早期発見・早期治療がカギ!
カリシウイルス感染症は、軽症で済むこともありますが、悪化すると重篤な症状につながることがあります。「最近ごはんを食べない」「口を痛がっている」「風邪っぽい症状がある」など、
いつもと違う様子があれば、早めに動物病院を受診してください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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