2025/06/03
こんにちは!
世田谷区等々力けいこくの森動物病院です。
今回はわんちゃん🐶の流涙症についてご説明いたします。
目の下がいつも濡れている、茶色く変色している、涙やけが目立つといった症状がある場合、それは流涙症かもしれません。見た目の問題だけでなく、健康上のトラブルに発展することもあるため、正しい知識とケアが大切です。
流涙症とは?
流涙症とは、涙が正常に排出されずに目からあふれ出てしまう状態のことです。健康なわんちゃんでも涙は常に分泌されていますが、通常は目頭の涙点から鼻涙管(びるいかん)を通って鼻の奥へ排出されます。ところが、この排出機能がうまく働かないと、涙が目からあふれ出し、目の下が常に濡れた状態になります。
主な原因
流涙症にはさまざまな原因があり、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
1. 涙の量が過剰になるタイプ(産生過多型)
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アレルギー性結膜炎
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眼瞼内反(がんけんないはん)・外反
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まつ毛の異常(逆さまつ毛など)
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目にゴミや異物が入る
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角膜炎や結膜炎などの炎症
このタイプでは、目の刺激により涙がたくさん出てしまい、あふれて流れ出します。
2. 涙の排出経路の異常(排出障害型)
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鼻涙管の閉塞・狭窄
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涙点の異常や閉鎖
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先天的な顔面の構造(特に短頭種)
特にシーズー、マルチーズ、トイプードル、チワワ、ペキニーズ、フレンチブルドッグなどの短頭種は、鼻涙管が細く詰まりやすいため、先天的に涙があふれやすい傾向があります。
症状とリスク
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目の下が常に濡れている
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目の下の被毛が赤茶色に変色(涙やけ)
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皮膚炎やただれの原因になることも
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涙の臭いや、目元のかゆみ・違和感
放置すると、常に濡れている目元に雑菌が繁殖しやすくなり、皮膚炎や眼病のリスクが高まります。見た目の問題だけでなく、わんちゃん自身もストレスを感じることがあります。
診断と治療
流涙症の治療は、原因に応じて異なります。
▼ 検査内容
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涙の分泌量を測る「シルマーテスト」
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涙の排出経路を確認する「フルオレセイン染色試験」
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鼻涙管洗浄による閉塞の確認
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顕微鏡による目の状態の観察
▼ 治療法
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まつ毛や異物の除去
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抗生物質や抗炎症点眼薬の使用
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鼻涙管洗浄や開通処置
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眼瞼形成手術(内反や外反がある場合)
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アレルギー対策や生活環境の見直し
慢性的なケースでは定期的なケアが必要になります。手術が必要となることもあるため、自己判断で放置せず、必ず動物病院での診察を受けましょう。
自宅でできるケア
動物病院での治療と併せて、日常的なケアも重要です。
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目元を清潔に保つ(涙やけ用の清拭シートなどの使用)
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被毛のカットで目元をすっきりさせる
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空気中のホコリ・花粉などの刺激を避ける
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フードや添加物の見直し(アレルギー対策)
ケア用品についても、わんちゃんの皮膚や目に優しい製品を選ぶようにしましょう。
まとめ
流涙症は「よくあること」と軽く見られがちですが、原因によっては治療が必要な病気です。涙が多い状態が続くようであれば、ぜひ一度、動物病院で詳しい検査を受けてください。早期発見・早期治療で、愛犬の目の健康と快適な生活を守りましょう。
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