最近食べ方がおかしかったり、口周り触るのを嫌がる…もしかして歯の内部吸収かも?

  • HOME
  • ブログ
  • 最近食べ方がおかしかったり、口周り触るのを嫌がる…もしかして歯の内部吸収かも?

こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳

【犬や猫の歯が溶ける!?】見逃しがちな「内部吸収」とは?原因・症状・対処法を解説

愛犬・愛猫の「歯が変な色になっている」「歯が欠けているように見える」…そんなとき、“内部吸収”という病気が潜んでいるかもしれません。

「内部吸収(internal resorption)」は、歯の内側からゆっくりと歯質が壊れていく静かな歯の病気です。

あまり知られていませんが、進行すると激しい痛みや歯の崩壊を引き起こすこともあり、早期発見と適切な処置が非常に重要です。

今回は、

  • どんな症状が出るの?
  • なぜ起こるの?
  • どうやって見つけるの?
  • 治療法や予防策は?

今回は、この上記の点についてご紹介します!

 

 

内部吸収とは?

─ 歯の内側から起こる“破壊反応

内部吸収(internal resorption)」は、歯の中心部である歯髄(神経)周囲の組織が歯質を吸収してしまう異常反応です。

正常な状態では、歯髄は歯に栄養を供給し維持する組織ですが、外傷や炎症をきっかけにこの機能が狂うと、自ら歯の内部を溶かし始めることがあります。

🔍 ポイント

  • 象牙質 → 内側から徐々に破壊
  • 進行すると歯の壁が薄くなり、破折感染が起こる
  • 外から見てもわからないことが多く、歯科レントゲン検査が必須

 

 

外部吸収や吸収病巣とはどう違う?

種類

発生部位

主な原因

主な対象

内部吸収

歯の内側(歯髄側)

外傷、歯髄炎など

犬・猫両方に起こる

外部吸収

歯の外側(セメント質側)

歯周病や咬合ストレスなど

犬に多い

吸収病巣

特定の病理反応

不明(猫に多い)

猫特有

 

 

 

なぜ起こる?考えられる原因

内部吸収は、以下のような因子がきっかけで発症すると考えられています。

🧩 主な原因

  • 外傷:高所からの落下、硬いものを噛んだ衝撃、口腔内の打撲
  • 慢性的な歯髄炎:歯の神経に持続的な炎症がある状態
  • 過去の歯科処置:歯の治療や歯科外科の影響による反応性変化
  • 矯正力:長期的な噛み合わせのずれ過剰な咬みあわせによる圧力
  • 全身疾患との関連:まれに内分泌免疫異常が関与

とはいえ、はっきりした外傷歴がなくても自然に発症する例もあるため、こまめな定期検診が重要となります。

 

 

どんな症状が出るの?

内部吸収の厄介な点は、「初期にはほとんど症状がない」ということです。

進行して初めて、下記のような症状が現れます。

🚨 要注意サイン

  • 歯の色がピンクグレーに変色
  • 歯の表面にくぼみがある
  • 歯が突然欠けた折れた
  • 食べ方がおかしい片側だけで噛む
  • 口臭よだれの増加
  • 顔を触ると嫌がる怒る

特に猫は痛みを隠す傾向があるため、「食欲はあるのに食べない」など微妙な行動変化に要注意です。

 

 

どうやって診断するの?

内部吸収は歯科レントゲンやCTなどの画像診断で初めて確認できる病変です。外見上は全く問題ないように見えても、内部ではすでに吸収が始まっていることがあります。

🧪 主な診断法

  • 歯科X線検査(歯科用レントゲン):吸収像の確認に最適(麻酔下)
  • 口腔内視診・触診歯の構造破折の確認など

 

 

治療法は?──基本は「抜歯」

進行した内部吸収は自然には治らず、放置すれば激しい痛み歯の崩壊を招くため、治療が必要です。

💉 主な治療法

  • 抜歯最も確実かつ痛みからの解放が早い方法
  • 歯内治療(根管治療):ごく初期の一部症例のみ選択
  • 疼痛管理・抗菌処置感染炎症を伴う場合に併用

 

 

予防できる?──最大のカギは「早期発見」

内部吸収を完全に防ぐ方法はありませんが、早期に見つけて処置することで痛みを避けることはできます。

🏠 飼い主さんができること

  • 月1回、口の中をチェック(色・形の変化に注目)
  • 硬すぎるガムおもちゃを避ける(特におやつは子供用ハサミで容易に切れるものが適切な硬さだといわれています)
  • 顔を触られたときの反応に注意
  • 年1回の口腔内レントゲン検査のおすすめ特に中高齢の犬猫

 

まとめ 〜“静かに進む歯の病気”から守るために〜

内部吸収は、「静かに進行する歯の病気」です。

外見では判断が難しく、飼い主の目では見つけにくいものですが、進行すれば歯が崩壊し、強い痛み感染を引き起こす可能性があります。

だからこそ重要なのは、“見えないうちに見つける”こと。

✅ 毎日のちょっとした口元の変化に気づくこと

定期的な歯科レントゲン検査を受けること

違和感を感じたらすぐの相談が肝心

これらの小さな習慣が、愛犬・愛猫の歯の健康と快適な生活を守ります。

 

当院では夏頃に歯科キャンペーンも実施予定です。ぜひこの機会に歯についてのお悩みなどご相談ください!!

 

 

 

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。

けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

〒158-0082

東京都世田谷区等々力1-34-18

シュロス等々力1F

TEL:03-3704-1014

。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。