2025/07/12
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳
【要注意】わんちゃんの皮膚のしこりや脱毛、もしかして「深在性膿皮症」かも?
「最近うちの子の皮膚が赤くなっていて、なかなか治らない…」
「膿が出てるようなところがあるけど、様子を見ていて大丈夫?」
そんな不安をお持ちの飼い主さまに、今回はわんちゃんに多い皮膚病「深在性膿皮症」について詳しくご紹介します。
皮膚の奥深くまで細菌が入り込むことで起きるこの病気は、見た目よりも深刻で、長引きやすく再発しやすいのが特徴です。
早期の治療と正しいケアがとても重要になります。
深在性膿皮症とは? ── 皮膚の奥まで炎症が進むこわい皮膚病
膿皮症とは、細菌が皮膚に感染して膿や炎症が起こる病気のこと。
その中でも「深在性膿皮症(しんざいせいのうひしょう)」は、皮膚の表面だけでなく、毛根や皮下の組織まで感染が広がるタイプです。
簡単に言えば、「表面的な湿疹」ではなく、「皮膚の奥深くまで膿が溜まるような重い炎症」が起きている状態です。
進行すると、しこり・潰瘍・膿・脱毛・皮膚の変形などが現れ、見た目の変化だけでなく強い痛みやかゆみ、体全体への悪影響が出ることも。
症状チェック:こんなサインは要注意!
以下のような症状が見られたら、深在性膿皮症の可能性があります。
✅ 皮膚に赤く腫れたしこりがある
✅ しこりが破れて膿が出ている
✅ 脱毛や皮膚の黒ずみ、厚みがある
✅ 同じ場所を繰り返し掻いたり舐めたりする
✅ 薬を使ってもなかなか良くならない皮膚病がある
これらは一見すると「ただのかぶれ」や「虫刺され」にも見えますが、深在性膿皮症の初期サインであることも少なくありません。
原因は?なぜ深くまで炎症が進んでしまうのか
この病気の直接的な原因は、皮膚に常在する細菌(特にブドウ球菌の一種)です。
健康なときは悪さをしませんが、皮膚のバリア機能が低下したときに感染が起こりやすくなります。
また、次のような「皮膚の免疫低下」や「全身の問題」が引き金になることが多いです。
主なリスク要因
- アトピー性皮膚炎や食物アレルギー
- ホルモン異常(甲状腺機能低下症・クッシング症候群)
- 免疫力の低下
- 過度なグルーミングや舐め壊しによる傷
- 不適切な薬の使いすぎ(耐性菌の原因に)
こうした背景があると、皮膚の奥まで細菌が入り込みやすく、慢性化しやすくなるのです。
治療は「根気と継続」がカギ
深在性膿皮症の治療は、表面だけの治療では不十分です。
毛包や皮下にまで感染が及んでいるため、皮膚の奥までしっかりと治療が必要になります。
治療の基本ステップ
- 抗菌薬の投与(内服・注射)
- 必要に応じて培養検査を行い、効果のある薬を選びます。
- 通常は4~6週間以上かけてしっかり治療します。
- 薬用シャンプーによるスキンケア
- 感染部位の細菌量を減らし、再発を防ぎます。
- 抗菌成分入りの専用シャンプーを週1~2回使用。
- 基礎疾患の同時治療
- アレルギーやホルモン疾患などがある場合は並行して治療。
- 定期的な診察と検査
- 目に見える症状がなくなっても、皮膚の中に菌が残っていることもあるため、獣医師の指示のもと治療をしていきます。
再発を防ぐために大切なこと
深在性膿皮症は、一度よくなっても再発することがあります。
「ちょっと良くなったから治療をやめる」のは、再発・悪化のもと。
以下の点に気をつけて、再発を防ぎましょう!
- 容量通りに薬を最後まで使い切る
- 完治したかどうかは状態によって要確認
- スキンケアを習慣づけて皮膚を清潔に保つ
- アレルギーや基礎疾患があれば継続管理を
こんな時はすぐご相談ください!
- 「薬を飲んでるのに良くならない」
- 「皮膚の症状を繰り返している」
- 「しこりや膿が出ている」
これらは、深在性膿皮症の見逃してはいけないサインかもしれません。
早期に治療すれば、わんちゃんの負担をぐっと減らすことができます。
皮膚病は軽く見られがちですが、重症化すれば命に関わるケースもあります。何か気になることなどありましたらお気軽にご相談ください!
当院では皮膚トラブルに適した、獣医師監修のもと薬用シャンプーの実施(当院トリマーが担当)や月1回の皮膚科専門医をお呼びしての診療も行っております。
こちらも気になる方はぜひぜひご連絡ください!
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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