犬・猫の「乳腺炎」 ― おっぱいの腫れ、痛み、膿は危険信号 ―

こんにちは!けいこくの森動物病院です🌳

授乳中・偽妊娠中に多いトラブル、見逃していませんか?

「母犬が授乳を嫌がる」「乳首の周りが赤く腫れている」「お乳から膿のような液が

そんな症状、乳腺炎(にゅうせんえん)かもしれません。

乳腺炎は、主に授乳期や偽妊娠中の雌犬・雌猫に発生する乳腺の感染症で、放っておくと命に関わることもあります。

🧠乳腺炎とは?|炎症と感染が引き起こす乳腺トラブル

乳腺炎=乳腺に細菌が感染し、炎症を起こしている状態です。

特に、以下のようなシチュエーションで発症しやすくなります

  • 授乳中、乳首に傷がついて細菌が侵入
  • 偽妊娠による乳汁の分泌と乳汁うっ滞(うったい)
  • 乳腺の清潔が保たれていない
  • 子犬・子猫の爪で乳頭が傷ついた多くの場合、黄色ブドウ球菌や大腸菌などの常在菌が感染源です。乳腺に膿がたまり、「膿瘍(のうよう)」になると外科的処置が必要になることも。

 

📋こんな子は要注意|乳腺炎になりやすいケース

🍼授乳中

乳頭が傷つきやすく、細菌感染の入り口になる

🤰偽妊娠中

ホルモンにより乳腺が発達し乳汁がたまる

🧼環境が不衛生

細菌が皮膚や乳頭から侵入しやすい

 

特に出産後2〜3週間は、乳腺炎の発症リスクが最も高くなります。毎日の観察が重要です。

 

⚠️乳腺炎のサインとは?|見逃さないための症状チェック

🔸初期に現れやすい局所症状

  • 乳腺の腫れや硬いしこり
  • 赤く熱をもった皮膚
  • 授乳時に痛がる、泣く、逃げる
  • 乳汁の変化(濁り・血混じり・膿状)

 

進行すると見られる全身症状

  • 高熱
  • 元気消失・寝たきり状態
  • 食欲不振
  • 嘔吐や下痢(重度の場合)

👉 特に「乳腺がパンパンに腫れて熱をもっている」「お乳から異常な液が出る」「授乳を嫌がる」などがあれば、即日受診が望ましい症状です。

 

🧪どうやって診断するの?|動物病院での検査内容

乳腺炎は見た目だけでは確定できません。以下のような検査を組み合わせて診断します。

正確な診断が、最適な治療へつながります。

視診・触診

腫れ、熱感、痛みの程度を評価

乳汁検査

膿や乳汁を採取し、細菌培養や顕微鏡検査

超音波検査

膿瘍や乳腺組織の状態を視覚化

血液検査

炎症マーカー(白血球数、CRPなど)の確認

 

💊治療法症状別に最適なアプローチを

【内科的治療】軽度〜中等度の乳腺炎

  • 抗生物質:細菌に合わせた効果的なものを選択
  • 消炎鎮痛剤:痛みと炎症を抑える
  • 授乳管理:必要に応じて人工哺乳への切り替え

【外科的治療】重度・膿瘍形成時

  • 切開排膿:溜まった膿を外へ出す
  • 乳腺の部分切除:感染が広がっている場合の最終手段

👉 内科治療で治る段階での早期発見・早期対応が重要です。

 

🛡予防のポイント|乳腺炎を防ぐためにできること

日常のケアで、乳腺炎は高確率で防げます。

授乳中のケア

  • 母体の乳頭やお腹を毎日清拭(温かい濡れタオルでOK
  • 子犬・子猫の爪を定期的に切る(引っかき防止)
  • 授乳後に乳腺の張りをチェック。必要があれば搾乳

 

生活環境の衛生管理

  • 寝床の清潔を保つ(タオルはこまめに交換)
  • 授乳スペースは乾燥・通気を意識

 

避妊手術の検討

  • 偽妊娠の予防
  • 乳腺炎の再発&乳腺腫瘍リスクの低下(特に犬)

 

よくあるご質問(Q&A

お乳にしこりがあるけど乳腺炎?腫瘍?

初期の乳腺炎と乳腺腫瘍は非常によく似ています。

しこりの形・硬さ・左右差などで判断しますが、確定には検査が必要です。

 

授乳中だけど抗生物質は使えますか?

授乳中でも使える安全な抗生物質を選択します。

 

🏁まとめ|乳腺炎は「見つけたらすぐ病院」が鉄則!

  • 乳腺炎は細菌感染による乳腺の炎症
  • 授乳中・偽妊娠中に多く、早期発見で完治が見込める
  • 症状は腫れ・赤み・膿・痛みなど多彩
  • 治療は早期の抗生物質投与がカギ。重症化すると外科処置も必要に
  • 日々の観察・清潔管理・避妊でしっかり予防!

 

当院では、乳腺炎に関する以下の対応が可能です。

✅ 授乳中でも安心の抗菌薬選択

✅ 乳腺腫瘍との鑑別検査(超音波・細胞診)

✅ 予防のための生活指導・避妊手術のご相談も対応

💡「おっぱいが腫れてる」「しこりがあるかも」と思ったら、それは体が出してくれているサインです。

症状が軽いうちに、どうぞお気軽にご相談ください。

あなたの気づきが、ご家族の未来を守ります🐾

 

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