2025/09/09
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は【 皮下腫瘍 】についてご説明いたします。
【犬猫の皮下腫瘍】気づいたときに知っておきたいこと
ある日、ふと愛犬や愛猫の体をなでていたら、「ん?しこりがある…」と気づいたことはありませんか?
犬や猫の皮膚の下にできる“しこり”の正体は、皮下腫瘍と呼ばれるものかもしれません。
皮下腫瘍ってなに?
皮下腫瘍とは、皮膚のすぐ下にできる腫瘍(できもの)のことです。
腫瘍には大きく分けて良性腫瘍と悪性腫瘍があり、見た目や触り心地だけでは判断が難しいことがほとんどです。
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良性腫瘍:進行が遅く、転移もしない。例:脂肪腫、皮脂腺腫など
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悪性腫瘍:増殖が速く、他の臓器へ転移する可能性がある。例:肥満細胞腫、軟部組織肉腫など
特に高齢の犬や猫では、皮下にしこりが見つかるケースが増えてきます。
どんな症状で気づくの?
皮下腫瘍は、日常のスキンシップの中で偶然見つかることが多いです。以下のような変化に気づいたら、注意が必要です。
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しこりが急に大きくなった
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表面が赤くなったり、出血している
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しこりの周りが痛そう、または触られるのを嫌がる
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しこりの数が増えてきた
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体調(食欲や元気)が落ちてきた
小さなしこりでも、見逃さないことが大切です。
犬猫に多い皮下腫瘍の種類
犬や猫に見られる代表的な皮下腫瘍には以下のようなものがあります。
【犬に多い腫瘍】
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脂肪腫:柔らかく動く良性腫瘍です。手術が必要ない場合もあります。
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肥満細胞腫:悪性腫瘍です。見た目が様々で、診断が難しく早期の手術が推奨されます。
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皮膚組織球腫:若い犬に多く、自然に消えることもある良性腫瘍です。
【猫に多い腫瘍】
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注射部位関連肉腫(FISS):ワクチンなどの注射部位にできることがあり、悪性腫瘍で進行が速いです。
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扁平上皮癌:耳や鼻、口の周辺に多く見られる皮膚癌です。
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基底細胞腫瘍:高齢猫に多く、通常は良性腫瘍です。
種類によって対応が大きく異なるため、まずはしっかりと診断することが重要です。
どうやって診断するの?
皮下腫瘍の診断には、以下のような検査を行うことがあります。
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細胞診(FNA):細い針でしこりの細胞を採取し、顕微鏡で観察する方法です。
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組織検査(生検):しこりの一部を切除して詳しく調べる検査です。
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画像検査(X線・超音波):内部の広がりや転移の有無を確認します。特に悪性が疑われる場合に行います。
まずは負担の少ない検査から始め、必要に応じて段階的に詳しい検査を進めていきます。
治療法は?放っておいてもいい?
腫瘍の種類や進行具合によって、治療方針は異なります。
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良性の場合:大きさが変わらず、症状がなければ経過観察で済むこともあります。
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悪性の場合:早期手術が基本です。必要に応じて抗がん剤や放射線治療を併用することもあります。
「良性だから大丈夫」と思って放っておくと、あとから悪化するケースもあります。
大切なのは、正確な診断と早めの対応です。
予防はできるの?
皮下腫瘍そのものを完全に防ぐことは難しいですが、早期発見のためにできることはたくさんあります。
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日頃から全身を触ってチェックする
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年に1〜2回の健康診断を受ける
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気になるしこりがあれば、すぐに動物病院へ相談する
また、猫の場合はワクチン注射の部位を工夫することで、注射部位関連肉腫のリスクを下げられることもあります。
まとめ
犬や猫の皮下腫瘍は、良性か悪性かによって対処が大きく異なります。
どんな小さなしこりでも、「ただの脂肪のかたまりだろう」と自己判断せず、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。
皮膚のしこりは、飼い主さんが一番最初に気づける病気のサインです。
「いつもと違う」に気づいてあげることが、愛犬・愛猫の健康を守る第一歩になります。
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