2025/08/13
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は【 尿失禁 】についてご説明いたします。
尿失禁とは?犬猫にも起こる“おもらし”の話
「最近、うちの子がトイレ以外でおしっこをしてしまう…」
「寝ている間に、知らないうちにおしっこを漏らしていた」
こうした症状は「尿失禁」と呼ばれ、犬や猫でも見られることのある排尿トラブルのひとつです。
今回は、犬猫の尿失禁について、原因・考えられる病気・診断・治療法・ご家庭でのケアまで解説していきます。
尿失禁とは?
尿失禁とは、本人(犬猫)が意図せずに尿を漏らしてしまう状態を指します。トイレの失敗や粗相と混同されやすいですが、「失禁」はより身体的なトラブルや病気が背景にあることが多いです。
特に、シニア期に入った犬や猫では「年のせい」と見過ごされがちですが、治療可能な病気が隠れている場合もあるため、注意が必要です。
よくある原因と考えられる病気
犬猫の尿失禁の原因はさまざまで、以下のようなものが挙げられます。
加齢・筋力低下
高齢になると、尿道括約筋(おしっこを我慢する筋肉)の機能が弱まり、寝ている間や歩いているときに漏れてしまうことがあります。特に避妊手術を受けたメス犬に多く見られます。
神経疾患
椎間板ヘルニアや脊髄疾患などにより、排尿に関わる神経が障害されると、尿のコントロールが難しくなり失禁が起こります。
泌尿器疾患
膀胱炎、尿路結石、腫瘍などの泌尿器の病気も、排尿の異常を引き起こすことがあります。特に膀胱の刺激による頻尿や突然の失禁が見られる場合があります。
内分泌疾患
糖尿病やクッシング症候群などのホルモン異常により、多尿になった結果としておもらしをしてしまうケースもあります。
尿失禁か、ただの粗相か?
尿失禁と、いわゆる「トイレの失敗」を見分けるのは難しいことがあります。以下のようなポイントが参考になります。
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寝ている間に漏らしている → 尿失禁の可能性大
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トイレに間に合わず慌てて漏らす → 尿路疾患や神経異常の可能性
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明確にトイレ以外の場所で排尿している → 行動学的な問題の可能性
飼い主さんの観察が非常に重要です。些細なことでも、受診時に獣医師に伝えると診断の助けになります。
診断と治療法
尿失禁の診断には、身体検査、尿検査、血液検査、X線・超音波検査などを組み合わせて行います。
治療法は原因によって異なります。
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膀胱炎や感染症 → 抗生剤治療
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神経性の問題 → 投薬・リハビリ・場合によっては手術
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ホルモン性尿失禁 → 特定のホルモン剤投与(メス犬に効果があることも)
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筋力低下 → 排尿を補助する内服薬やサプリメント
完治が難しい場合でも、「おむつの活用」「寝具の工夫」「こまめな排尿介助」などによりQOL(生活の質)を保つことができます。
ご家庭でできるケア・サポート
尿失禁のある犬猫と暮らすには、少し工夫が必要です。
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おむつやマナーベルトを使う
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吸収性の高いベッドシーツやペットシーツを敷く
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陰部周囲を清潔に保つ(尿やけや感染を防ぐ)
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こまめな排尿のサポートや声かけ
「もう年だから仕方ない」とあきらめず、愛犬・愛猫が快適に過ごせる環境を一緒に整えていきましょう。
犬猫の尿失禁は、「加齢」だけではなく、治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。
尿漏れが見られたときは、恥ずかしがらずに、ぜひお気軽にご相談ください。
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