2025/08/12
こんにちは!
世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。
今回はわんちゃんで最も多い心臓病である「僧帽弁閉鎖不全症」についてお話いたします。
僧帽弁閉鎖不全症とは
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がうまく閉じなくなる病気です。
弁が完全に閉じないため、心室から心房へ血液が逆流し、心臓や肺に負担がかかります。
主に発症しやすい犬種・年齢
小型犬(チワワ、マルチーズ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなど)
中高齢(7歳以上)で多く見られます
猫や大型犬で発症することもあります
主な原因
弁の変性(僧帽弁粘液腫様変性):加齢や遺伝的素因で弁が変形し、閉じにくくなる
感染性心内膜炎などによる弁の損傷
先天性の弁異常
よく見られる症状
咳(特に夜間や運動後)
呼吸が早い、苦しそう
元気・食欲の低下
運動を嫌がる
失神やふらつき
※症状がない時期(無症候期)も長く続くため、早期発見には定期健診と聴診が重要です。
診断方法
聴診:心雑音の有無を確認
レントゲン検査:心臓の大きさや肺の状態を確認
心エコー検査:逆流の程度や心機能を詳細に評価
血液検査(NT-proBNPなど心臓バイオマーカー)
下の画像は犬の心臓のエコー画像です。
①正常な心臓
②僧帽弁閉鎖不全症の心臓
画像の右下の部屋が左心房、左下の部屋が左心室です。
②の僧帽弁閉鎖不全症の心臓では左心室から左心房に向かって血液が逆流している様子が描出されています。
治療
僧帽弁閉鎖不全症は、完全に治すことは難しい病気ですが、薬で進行を遅らせたり症状を和らげたりできます。
主な治療薬
- ACE阻害薬(血管拡張作用で心臓の負担を軽減)
- 強心薬(ピモベンダン)(心臓の収縮力を高める)
- 利尿薬(肺のうっ血やむくみを減らす)
重症例では外科的手術が行われることもあります。
予防と早期発見
年1〜2回の健康診断(特に7歳以上の小型犬)
心雑音が見つかったら、定期的な心エコーで経過観察
体重管理と過度な運動の回避
咳や呼吸の変化に気づいたらすぐ受診
当院の方針
当院では、僧帽弁閉鎖不全症の早期発見・進行予防のため、聴診・心エコー・レントゲンなどを組み合わせた診断を行っています。
「元気だけどシニア期に入った」という子でも、心臓病は静かに進行していることがあります。
健康診断では血液検査だけでなく、エコーやレントゲンなどの画像検査もおすすめします。
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
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