愛猫がジャンプをしなくなった…もしかして変形性関節症かも!?

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こんにちは!

けいこくの森動物病院です🌳

最近お家の猫ちゃんが高いところへの移動などしづらそうなことはありませんか?

もしかしたら高齢の猫ちゃんに起こりがちな病気である変形性関節症かもしれません…!

今回はそんな猫ちゃんに起こる病気、変形性関節症についてわかりやすく解説したいと思います!

変形性関節症とは?

猫の変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)とは、関節の軟骨がすり減ったり壊れたりして、骨や関節に変化が起こる病気です。

進行すると炎症や痛みを伴い、日常生活に大きな影響を及ぼします。

近年は医療の発展により猫の寿命が延び、高齢猫が増えているため、この病気はとても身近になってきました。

調査では、12歳以上の猫の70%以上に関節の変形が見られると報告されています。

 

原因

猫の変形性関節症には大きく分けて2つのタイプがあります。

  • 一次性:外傷や異常がないのに、加齢や体重、運動による負担から自然に発症するタイプ(高齢猫に多い)
  • 二次性:関節のけがや異常に続発するタイプ
    例:股関節形成不全、靭帯断裂、膝蓋骨脱臼、スコティッシュフォールドに多い骨の遺伝性疾患 など

肥満や遺伝、事故や外傷なども発症に関係すると考えられています。

症状

初期の段階では目立った症状が出にくく、飼い主さんが気づかないことも多い病気です。進行すると次のような変化が見られます。

  • 高い所へ飛び乗らなくなる・ジャンプを避ける
  • 動きがゆっくりになった、運動量が減った
  • 足を引きずる、歩き方がおかしい
  • 排泄の失敗(トイレに入れない・しゃがめない)
  • 関節が腫れて触ると嫌がる
  • 動くのを嫌がり、寝ている時間が増える

これらは「歳のせい」と思われがちですが、実は関節の痛みが原因かもしれません。

 

 

診断

関節の変化は進行しないとレントゲンに映らないこともあります。

そのため、早めの受診と獣医師による身体検査が重要です。

X線検査、CT、内視鏡検査、関節液の検査などで炎症や骨の変化を確認します。

治療

残念ながら、変形性関節症は一度壊れた関節を元に戻すことはできません。

そのため、治療の目標は 「進行を遅らせること」「痛みを和らげて生活の質を保つこと」 です。

 体重管理

肥満は関節に大きな負担をかけます。

  • ダイエット用療法食を利用する
  • 適正体重を獣医師と確認し、計画的に減量する

生活環境の改善

  • 高い場所へジャンプしなくても済むようにステップを設置する
  • トイレは出入りしやすい浅型に変更する
  • 食器を少し高い位置に置き、前肢の負担を軽減する

薬物治療

  • ソレンシア:変形性関節症に伴う痛みを緩和するネコ化抗NGFモノクローナル抗体製剤です。長期間効果が持続します。
  • サプリメント:オメガ3脂肪酸、緑イ貝抽出物などが効果的とされます。アンチノールなどがあります。
  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):炎症と痛みを抑える主な薬です。短期間の疼痛緩和に有効です。

 

外科療法

重症例や保存療法で改善しない場合には、人工関節置換術などの手術が検討されます。

ただし猫ではまだ一般的ではありません。

 

予後(これからの見通し)

変形性関節症は完治が難しい病気ですが、適切な管理によって猫の生活の質(QOL)を大きく改善することができます。

「歳だから仕方ない」と思わず、早めに気づいてあげることが大切です。

ジャンプをしなくなった、階段を嫌がる、動きが鈍くなった――そんな変化が見られたら、一度動物病院で相談してみてください。

 

まとめ

  • 猫の高齢化により非常に多い病気
  • 完治はできないが、進行を遅らせ痛みを和らげることが可能
  • 体重管理・環境改善・薬やサプリで生活の質を守ることが大切

【関連する記事のリンクはこちら】

階段を嫌がる・歩き方がぎこちない…それは関節症のサインかも

 

 

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