急に吐いた?もしかして「急性胃炎」かもしれません 。

 

こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳

 

「朝から何度も吐いている」「急に元気がなくなった」 

犬や猫が突然吐いたとき、多くの飼い主さんは「様子を見ていいのか」「すぐに病院へ行くべきか」と迷われます。 

中でもよくある原因のひとつが「急性胃炎」です。 

急性胃炎はよく見られる病気である一方、油断すると脱水や胃の出血、命に関わるリスクもあります。 

この記事では、現役の動物病院が急性胃炎の原因・症状・診断・治療・予防までをわかりやすく解説します。大切な家族の健康を守るために、ぜひ最後までご覧ください。 

急性胃炎とは? 

急性胃炎とは、犬や猫の胃の粘膜に急激な炎症が起きる病態を指します。 

健康な胃粘膜は、食物や胃酸の刺激から自分を守るバリア機能を持っています。

しかし、そのバランスが崩れると、防御機能が破綻し、炎症が発生し、嘔吐や食欲不振といった症状が急に現れます。 

数時間〜数日という短期間で進行するため、「昨日まで元気だったのに、今朝から急に吐いて…」というご相談が非常に多いのが特徴です。 

急性胃炎の主な原因とは? 

急性胃炎は、以下のような身近なきっかけで起こることがあります。 

誤食・異物の摂取

腐った食べ物、拾い食い、人間用のお菓子やチョコレート、草や布、ビニールなどの異物が胃を刺激します。 

「目を離したすきに何かを食べていたかも…」という場合は特に要注意です。 

急なフードの変更

 消化器に慣れていない食事への急な切り替えや、脂肪分の多いおやつを与えることで、胃が負担を感じ炎症を起こすことがあります。 

薬剤や化学物質の影響

人間用の薬(特にNSAIDs)や、殺虫剤、洗剤などの誤飲による中毒が原因で、薬剤性胃炎を発症するケースがあります。 

感染症による炎症

細菌(サルモネラ、カンピロバクターなど)、ウイルス(犬パルボウイルス、猫汎白血球減少症など)によって胃腸に炎症が起こる場合もあります。 

強いストレス

環境の変化、引っ越し、ペットホテルへの預け入れ、家族との別離など精神的ストレスも、胃の運動機能や粘膜に悪影響を及ぼすことがあります。 

急性胃炎の症状:こんな様子はすぐに病院へ 

 

急性胃炎は、次のような突然の体調変化として現れます。 

  • 繰り返し吐く(白い泡・黄色の液体・未消化のフードなど) 
  • 食欲がなくなる、元気がなくなる 
  • よだれを垂らす、吐き気のサインを見せる 
  • お腹を触られるのを嫌がる、丸くなってじっとしている 
  • 吐しゃ物に血が混じる 
  • 軟便や下痢を伴うこともある 

特に注意したいのは、吐いた後にぐったりしている、水を飲んでもすぐ吐く、1日に何度も吐くといったケースです。

こうした状態が見られる場合は、早急な動物病院での対応が必要です。 

診断の流れ:動物病院では何をする? 

急性胃炎の診断では、原因を特定しつつ、重篤な病気との鑑別を行います。 

 

問診と身体検査

食べたもの・吐いた時間・回数・吐しゃ物の内容などを詳細に伺い、腹部の触診や脱水状態の確認を行います。 

血液検査

炎症の程度、脱水や電解質の異常、内臓(特に腎臓・肝臓)の状態を確認します。 

画像検査(X線・超音波)

胃の拡張、異物の有無、ガスの溜まり方、腸管の動きなどを観察し、腫瘍や閉塞など他の疾患との鑑別を行います。 

必要に応じた内視鏡検査

異物の除去や粘膜の状態確認、組織生検が必要な場合に実施します。 

急性胃炎の治療法 

治療は、原因への対処と、炎症を鎮めるサポートが中心になります。 

胃の安静(絶食)

胃の刺激を避けるため、数時間〜半日ほどの絶食を行います。

年齢や体調によっては、水分制限の判断も獣医師が行います。 

輸液(点滴)治療

繰り返す嘔吐によって失われた水分・電解質を補います。

脱水が強い場合には、静脈点滴を行うこともあります。 

制吐剤の投与

嘔吐を止め、胃へのダメージを抑えるために、制吐剤を使用します。 

胃粘膜保護・制酸薬

ファモチジン(H2ブロッカー)などを使い、胃の回復を助けます。 

原因に応じた個別治療

感染症には抗生物質、異物があれば摘出、薬剤性であれば投薬中止と保護療法など、状況に応じた対応を行います。 

自宅でのケアと注意点 

 治療後も自宅での管理がとても重要です。 

食事の再開は段階的に

消化の良い食事(療法食、茹でたささみ+白米など)を、少量ずつ回数を分けて与えます。急に通常食に戻すと再発のリスクがあります。 

水分補給は少しずつこまめに

吐き気が落ち着いてきたら、水を少量ずつ与えます。一度に多量を与えると、再び嘔吐を誘発することがあります。 

再発予防のためにできること

  • 拾い食い・異物誤飲の防止(ゴミ箱や観葉植物など) 
  • フード変更は710日かけて少しずつ 
  • ペットホテルなど環境変化には事前に慣らす 

よくある質問(Q&A 

Q.1_1回だけ吐いただけでも、受診すべき?

元気・食欲があり、その後吐かない場合は経過観察でよいこともあります。

ただし、り返し吐く・元気がない・食欲がない・水も吐くといった場合は早急に受診してください。 

Q.2_市販の胃薬を使ってもいい?

人間用の胃薬には、動物にとって危険な成分が含まれていることがあります。

必ず獣医師に相談してください。

 

まとめ:迷ったら、動物病院へ 

急性胃炎は、適切な処置で回復することの多い病気です。 

しかし、軽く見て様子を見続けると、脱水や出血、重度の炎症に進行し、命に関わる事態になることもあります。 

「たかが吐き気」と思わず、少しでも異変を感じたら、動物病院での診察をおすすめします。 

早期の受診が、あなたの大切な家族を守る第一歩です。 

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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