犬や猫の子宮水症(しきゅうすいしょう)とは? ~静かに進む子宮の病気、早めのチェックが大切です🐶🐱~

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こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

はじめに🌸

「うちの子は避妊手術をしていないけど大丈夫かな?」

そんな心配をされたことはありませんか?

メスの犬や猫に多い子宮の病気として有名なのは 子宮蓄膿症

命に関わるケースもあり、動物病院でも緊急手術になることが多い怖い病気です。

しかし実は、その 前段階で見つかることがある病気 が「子宮水症(しきゅうすいしょう)」です💧

子宮水症は「膿」ではなく 透明や淡黄色の水のような液体 が子宮内にたまる状態。

症状が軽いため見逃されがちですが、放置すると子宮蓄膿症に進行する可能性があります⚠️

 

子宮水症とは?🔎

子宮水症(hydrometra)は、子宮の中に 感染を伴わない液体(無菌性の分泌液) がたまる病気です。

似ている「子宮蓄膿症」との違いを整理すると👇

 

 

 

 子宮水症

  子宮蓄膿症

  液体の性質

  透明〜淡黄色

 

水のような膿
(濁っていて悪臭あり)

 感染

 なし

 あり

 症状

 軽度〜無症状

 発熱・元気消失・多飲多尿など重症化

 治療

 手術で根治

 緊急手術が必要になることが多い

 

👉 子宮水症は「まだ感染していないが、見過ごすと危険」なサインです。

 

子宮水症の原因🌀

子宮水症は、主に ホルモンの影響子宮の変化 によって起こります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用

発情後に分泌されるホルモンにより、子宮内膜が厚くなり、分泌物が増えます。

妊娠しなければ、この液体が子宮内に残ることがあります。

子宮頸管が閉じること🚪

子宮の出口が閉じると、液体が外に排出されずにたまります。

加齢や発情の繰り返しによる子宮内膜の変化

避妊していないメスでは、年齢とともに子宮内膜が「嚢胞性過形成」という状態になり、液体がたまりやすくなります。

まれなケース:子宮の先天的な異常

若い子でも子宮の構造に異常があると起こることがあります。

 

子宮水症が起こりやすい子🐾

  • 避妊手術をしていないメス
  • 6歳以上の中高齢
  • 出産経験がない(未経産)
  • 発情を繰り返している

👉 特に犬で多く見られますが、猫でも油断はできません。

 

子宮水症の症状⚠️

子宮水症は 「静かに進む病気」 です。多くは無症状か、わずかな変化しか見られません。

よくあるサイン

  • 外陰部から透明〜淡黄色の分泌物💧(においはほとんどない)
  • おなかがふくらんできたように見える
  • 少し元気や食欲が落ちる😔
  • トイレの回数が増える

👉 発熱や強い食欲不振、多飲多尿、嘔吐などの症状が出たら すでに子宮蓄膿症に進行している可能性が高く、命に関わる状態 です。すぐに受診してください🚑

 

子宮水症の診断🔬

動物病院では以下のような検査を行います。

超音波検査(エコー)

子宮に液体がたまっている様子を確認できます。

膿か水かの区別は難しいこともあります。

 

X線検査(レントゲン)

子宮が管状に拡張して写る場合があります。

血液検査💉

子宮水症では炎症反応が出ないことが多いですが、感染があれば白血球数や炎症マーカーが上昇します。

 

👉 「分泌物がある=すぐに子宮蓄膿症とは限らない」ため、必ず検査で区別する必要 があります。

 

子宮水症の治療🏥

外科的治療(卵巣子宮摘出術)✂️

もっとも確実で再発しない治療は、 避妊手術(卵巣子宮摘出術) です。

子宮と卵巣を取り除くことで、子宮水症も子宮蓄膿症も完全に予防できます。

  • ✅ メリット:完治できる、再発の心配なし
  • ⚠️ デメリット:全身麻酔が必要(高齢や持病がある場合は注意が必要)

👉 子宮蓄膿症になる前に手術を受けることがとても重要です。

 

予防

もっとも効果的な予防法は 若いうちの避妊手術 です。

避妊手術は👇のようなメリットがあります。

  • 子宮水症・子宮蓄膿症を完全に防げる
  • 卵巣腫瘍や乳腺腫瘍の予防にもつながる
  • 発情に伴うストレスや行動の変化を防げる

 

飼い主さまへのメッセージ💌

  • 子宮水症は 気づきにくい病気 ですが、放置すると命に関わる子宮蓄膿症に進むことがあります。
  • 「分泌物が出ている」「おなかが膨らんできた」など、少しでも気になるサインがあれば早めに受診してください。
  • 若いうちに避妊手術をすることが最も確実な予防です。

💡 「うちの子はどうかな?」と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください。

早期発見・早期治療で、ワンちゃん・ネコちゃんともっと長く幸せな時間を過ごしましょう🐾

 

まとめ🌿

子宮水症は、犬や猫のメスに起こる 静かに進行する子宮の病気 です。

症状が軽いため気づかれにくいものの、放置すると命に関わる子宮蓄膿症へ進む可能性があります⚠️

  • 子宮水症は 分泌物やおなかのふくらみ で気づくことがある
  • 診断には 超音波検査や血液検査 が必要
  • 最も確実な治療・予防は 避妊手術(卵巣子宮摘出術)
  • 早期発見・早期治療が健康寿命を延ばすカギ

「ちょっと気になる症状がある」「避妊手術を迷っている」そんなときは、ぜひ一度ご相談ください🐶🐱

小さな不安を早めに解決することが、大切な家族の健康を守る一番の近道です💖

 

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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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