2025/07/08
こんにちは!
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は【 鉛中毒 】についてご説明いたします。
「うちの子が最近元気がない」「嘔吐や下痢が続いている」「原因不明のけいれんがあった」
そんな時、もしかすると“鉛中毒”が原因かもしれないって、ご存じでしたか?
鉛中毒とは?なぜ犬にとって危険なの?
鉛中毒とは、犬が鉛(なまり)という金属を体内に取り込んでしまい、さまざまな臓器に悪影響を与える中毒症状のことです。
鉛は自然界に存在する物質ですが、過剰に摂取すると神経や消化器、腎臓などに深刻なダメージを与えることがわかっています。
人間でも鉛中毒は問題になりますが、犬の体は小さく、わずかな量の鉛でも命に関わる影響が出ることがあります。
どこに鉛があるの?日常に潜む意外なリスク
「鉛なんて身近にないでしょ?」と思うかもしれません。ところが、犬が口にしてしまう身近なものの中には、鉛を含む製品が意外と多くあるのです。
たとえば…
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古い塗料を使った家具や壁
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鉛を含む釣り具や重り
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一部の犬用おもちゃや首輪・アクセサリー(海外製に多い)
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古い配管や水道管の水
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鉛を使ったはんだや工芸用品
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鉛を含むバッテリーや電子機器の部品
とくに好奇心旺盛な若い犬や、なんでも噛むクセのある子は要注意。鉛を含む物をかじったり飲み込んだりすると、体内に吸収されてしまいます。
鉛中毒の症状は?こんなサインに注意!
鉛中毒の症状は犬によって異なりますが、主に以下のような兆候が見られます。
消化器系の症状
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嘔吐
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食欲不振
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下痢(時に血が混じる)
神経系の症状
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よだれが多くなる
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筋肉のふるえやけいれん
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歩き方がおかしい、ふらつく
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過度な興奮、または無気力
その他
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体重減少
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黄疸(肝臓障害が進んでいる場合)
これらの症状が急に現れたり、数日続いたりする場合は、できるだけ早く動物病院で診てもらうことが大切です。
鉛中毒は進行が早いこともあるため、早期発見・早期治療が命を守るカギになります。
鉛中毒の診断と治療法
動物病院では、血液検査やX線検査などで鉛中毒を疑い、診断を行います。X線で鉛の破片が体内に見つかることもあります。
治療には、以下のような方法が用いられます。
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キレート療法:鉛を排出させるための薬を使って尿や胆汁中に排出させる治療法
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輸液療法:脱水や毒素の排出を助けるための点滴
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対症療法:けいれんや嘔吐などの症状に対して処置を行う
症状や中毒の程度によって入院が必要になる場合もあります。
予防が何より大事!今日からできる鉛中毒対策
鉛中毒は、正しく予防すれば防ぐことができる病気です。大切な愛犬を守るために、次のポイントをチェックしましょう!
✅ 犬用おもちゃ・首輪は信頼できるメーカーの安全基準を満たしたものを選ぶ
✅ 古い建物に住んでいる場合は鉛塗料の使用がないか確認する
✅ 釣り具や工具、バッテリーなどを犬の届く場所に放置しない
✅ 散歩中の拾い食いや不審な物の誤飲に目を光らせる
✅ DIYや工事の際は、作業場所に犬を立ち入らせない
まとめ:気づかないうちに近づく“見えない毒”に注意を
鉛中毒は、見た目では気づきにくく、でも体に大きなダメージを与える恐ろしい中毒です。日頃からリスクを意識して生活することで、愛犬の健康を守ることができます。
もし「いつもと様子が違うな」と感じたら、動物病院に相談してください。
早めの対応が、命を救う第一歩です。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
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シュロス等々力1F
TEL:03-3704-1014
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