放置すると腫瘍のリスクがあがる…⁉潜在精巣のついて

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こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

 

男の子のワンちゃんの健康管理で、意外と見落とされがちなのが「潜在精巣(せんざいせいそう)」、別名「陰睾(いんこう)」という状態です。

見た目には元気に見えても、放置してしまうと将来的に命に関わる病気を引き起こす可能性があります。今回は潜在精巣について、原因やリスク、治療方法などをわかりやすくご紹介します。

 

潜在精巣とは?

通常、オスの犬は生後2〜6ヶ月頃までに両方の精巣(睾丸)が陰嚢(いんのう:おしりの下の袋)に降りてきます。しかし、何らかの理由で精巣が腹腔内や鼠径部(足のつけ根)に留まり、陰嚢に降りてこない状態を「潜在精巣」と呼びます

犬では片側性、とくに右側の精巣で発生が多く、腹腔内よりも鼠径部皮下の停留が多いです。特に小型犬やトイ犬種(トイプードル、チワワ、ポメラニアンなど)に多く見られる傾向があります。

 

なぜ問題なの?潜在精巣のリスク

一見、精巣が見当たらないだけで元気に見えるかもしれませんが、潜在精巣には以下のような大きなリスクがあります。

1. 腫瘍化のリスクが高い

陰嚢にない精巣は、正常より高い温度にさらされ続けるため、がん化するリスクが大幅に高まります。特に「セルトリ細胞腫」などの腫瘍が多く報告されており、放置すると全身に悪影響を及ぼすこともあります。

 

2. 精巣捻転(ねんてん)を起こすことがある

腹腔内にある精巣がねじれて血流が止まってしまうと、激しい痛みやショック症状を引き起こす危険があります。これは緊急手術が必要な状態で、発見が遅れると命に関わることも。

 

3. 遺伝性の問題

潜在精巣は遺伝的な要因が強いとされているため、繁殖には適しません。将来の健康な犬のためにも、潜在精巣のある犬は繁殖に用いないことが大切です。

 

潜在精巣の診断方法

外から触っても精巣が確認できない場合、レントゲン検査や超音波検査(エコー)を使って、腹部の中や鼠径部にあるかを確認します。早期に発見することで、腫瘍化する前に適切な対応が可能になります。

 

治療はどうするの?

治療は外科手術による精巣の摘出(去勢手術)が基本です。通常の去勢手術よりも少し難易度が高くなりますが、腹腔鏡を使った方法などもあり、体への負担を軽減する工夫もされています。

潜在精巣を放置することは将来的にリスクが大きいため、早めに去勢手術を行うことが勧められます。特に1歳を過ぎても精巣が確認できない場合は、手術のタイミングを獣医師と相談しましょう。

 

 

まとめ

潜在精巣は見た目だけでは気づきにくい問題ですが、将来的な健康リスクは非常に高い病態です。放置してしまうと腫瘍化や捻転といった深刻なトラブルを招く恐れがあります。

男の子のワンちゃんをお迎えしたら、まず精巣がきちんと両方降りているかをチェックしましょう。もし気になる場合や、確認できない場合は、早めに動物病院での診察を受けることをおすすめします。

大切な家族の健康を守るために、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

 

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