2025/07/29
こんにちは!世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳
今回は、短頭種の猫ちゃんでみられる「外鼻孔狭窄症(がいびこうきょうさくしょう)」について詳しくお話しします。
「寝ているときのいびきが気になる…」「遊ぶとすぐにゼーゼーしてしまう…」そんな猫ちゃんの症状が実は外鼻孔狭窄症によるものかもしれません。
外鼻孔狭窄症とは?
外鼻孔狭窄症とは、猫ちゃんのお鼻の穴(外鼻孔)が生まれつきまたは発達の過程で狭くなってしまうことで、呼吸がしづらくなる病気です。
特に「短頭種」と呼ばれる、鼻が短く平らな顔立ちの猫ちゃんによく見られます。外鼻孔が狭いと、息を吸うときに大きないびき音が出たり、呼吸時に強い努力が必要になり、体への負担が大きくなってしまいます。
外鼻孔狭窄症の原因と好発品種
外鼻孔狭窄症は、短頭種気道症候群の一部として発生します。
他にも軟口蓋過長(のどの奥の軟らかい部分が長い)、気管低形成(気管が細い)、喉頭小嚢外反などの異常が同時に見られることがあります。
特に以下の品種で多く報告されています
- ペルシャ
- ヒマラヤン
- スコティッシュフォールド
- バーミーズ など
若い猫ちゃんでも発症することがあり、見た目では可愛らしい平たい顔立ちが、実は呼吸のトラブルを引き起こすリスクになっているのです。
主な症状と診断の流れ
外鼻孔狭窄症の猫ちゃんに見られる主な症状は次の通りです
- 安静時や睡眠時にはあまり目立たないが、興奮時や遊んでいるときにいびきが大きくなる
- 水のような鼻水やくしゃみ
- 呼吸が苦しそうで、場合によっては口を開けて呼吸(開口呼吸)する
- 鼻の穴がとても小さい、またはつぶれているように見える
診断は、顔立ち・品種・呼吸の状態を診て判断します。
治療方法について
外科的治療
最も効果的なのは、鼻の穴の狭い部分を外科的に切除して広げる手術です。
これにより、呼吸がぐっと楽になり、他の呼吸器への負担も減らすことができます。
内科的治療
軽度の外鼻孔狭窄症や、外科手術までの間に行うことが多い治療です
- 体重管理:肥満は呼吸への負担を増やします。
- 消炎薬の内服:鼻やのどの炎症・浮腫を和らげて呼吸を助けます。
- 興奮を避ける:過度な運動やストレスを避け、適度な温度・湿度で管理します。
緊急時の対応
重度の呼吸困難やチアノーゼ(舌や歯茎が紫色になる)を起こしている場合
- 酸素吸入
- 注射で炎症・浮腫を抑える
- 鎮静薬で呼吸のリズムを整える
- 体を冷やして体温を下げる
これらを行い、症状が安定したら外科治療を検討します。
飼い主さんにお願いしたい日常のケア
- 猫ちゃんのいびきや呼吸の音がいつ、どのように変化するかをよく観察してください。
- 特に遊んだあとや暑い日、興奮したときに呼吸が荒くなっていないか注意しましょう。
- 肥満は大敵!体重管理を意識してあげてください。
- 室温・湿度を適切に保ち、猫ちゃんが快適に過ごせるようにしましょう。
- 定期的な健康診断で、他の短頭種気道症候群の有無も確認しましょう。
まとめ
外鼻孔狭窄症は、見た目には可愛い短頭種の猫ちゃんに多く発生しますが、放置すると他の呼吸器の異常を引き起こすリスクもあります。
「少しいびきが大きいかな?」と感じたら、それは大切なサインかもしれません。まずはお気軽にご相談ください😊
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