2025/12/08
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
ー突然の真っ赤な下痢・激しい嘔吐は緊急サインですー
犬が突然、大量の血が混じった水様性の下痢をし、吐血する——。
飼い主さんにとって強い不安と動揺を感じる状態ですが、実はこの症状は
「急性出血性下痢症候群」という病気のサインかもしれません。
しかし同時に、適切な治療が早く行われれば、多くの子が回復できる疾患でもあります。
今回はそんな急性出血性下痢症候群についてご紹介します。
急性出血性下痢症候群とはどんな病気?
急性出血性下痢症候群は、
重度の出血性下痢・吐血、脱水、元気・食欲低下がみられる消化器疾患です。
以前は「出血性胃腸炎」とも呼ばれていました。
多くは小型犬に見られ、若~中年齢の子に多くみられます。

症状
この疾患では、以下のような症状が突然現れます。
- 真っ赤〜暗赤色の水のような大量の血便
- 激しい嘔吐・吐血
- 強い脱水ですぐにぐったりする
- 食欲廃絶
特に、
「朝は少し元気がない程度だったのに、夕方にはぐったりしていた」などは注意が必要です。
原因
はっきりと明らかになっておらず、以下のようなことが原因として考えられています。
腸内細菌の毒素
腸の粘膜を急速に傷つけ、出血性の炎症を起こす可能性があります。
免疫反応の急な変化
強いストレス、環境の変化、アレルギー反応などが腸のバリア機能を低下させることがあります。
急な食事変更・脂肪の多い食餌
腸内環境の急変が引き金になることがあります。
診断方法
血液検査
糞便検査
超音波検査
X線検査
などが挙げられます。
治療
症状によって以下のような治療法を検討していきます。
輸液
体液のバランスを整え、循環を改善し、ショックを防ぎます。
重症例は入院し、静脈からの点滴で継続的に管理します。
抗菌薬
腸内細菌の異常増殖が疑われる場合に使用します。
食事管理
症状が落ち着いたら、
低脂肪・高消化性の療法食を少量から始めるのが大切です。
予後
適切な治療が早く行われれば、
多くの子が2〜4日で大きく改善します。
ただし、
- 重度の脱水
- 電解質異常
- ショック
がある場合は、命に関わることも。
再発は少ないものの、体質や食事内容で起きることがあります。
退院後も、しばらくは獣医師の指示のもとフード管理が大切になっていきます。
まとめ
急性出血性下痢症候群は、
“突然の血便・吐血・急激な脱水” が特徴の疾患です。
また早期に適切な治療を行えば、ほとんどの犬が短期間で回復できる疾患でもあります。
「いつもと下痢の様子が違う…」
「急に元気がなくなった…」
そんな時は、お早めにご相談ください。
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