2025/07/27
こんにちは!世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳
今回は、当院で実際に行った歯科治療の症例をご紹介します。
今回の患者様
9歳のトイプードルさんです。
お留守番をされている際にケージなどの硬いものを噛む行為で歯がかけて(破折)しまったというご相談を受け、かかりつけの病院さんから紹介をいただき、歯科処置を行いました。
↑処置前の写真です。
↑左上顎の犬歯です。先のところがかけてしまっています。
↑右上顎の犬歯です。同じく先のところがかけてしまっています。
診察
当院ではまず、診察室にてできる範囲での口腔内の現状確認、仮診断を行います。
そして術前検査として胸部レントゲン、心臓と腹部のエコー、血液検査、尿検査を実施し、麻酔のリスクを事前にしっかりと確認します。
今回の患者様は咳が多いことが気になるとのご相談がありましたが、詳しく検査したところ気管虚脱による咳の症状とみられ、全身麻酔をかけるにあたって問題ないと判断されました。
口腔内検査・診断
ここから麻酔下で口腔内の写真撮影、レントゲン撮影を行います。
そして歯肉と歯の溝の深さ測定などを行い、病状を診断します。
その際にかけてしまった歯が歯髄と呼ばれる歯の神経や血管の走っている部分が表面に出てしまっていないかを確認します。
今回欠けてしまった3本の歯は歯髄は露出していませんでした。
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歯科処置
歯科処置では基本的に三つの工程を行います。
全身麻酔状態を維持しつつ、歯科診断に基づいて1本ずつ必要な処置を行います。
スケーリング
歯の表面と歯周ポケット内の歯石、歯垢除去
抜歯(抜歯対象の歯)
歯肉を切開、歯を抜去後、不良組織を除去し、縫合
ポリッシング
歯の表面の研磨
レジン処置
この三つの工程に加えて、歯が欠けてしまっている箇所にはレジンと呼ばれる特殊な光で固まるコーティング剤を歯につけます。
この工程により歯内が保護され、歯髄が露出する恐れを未然に防ぐことができます。
処置後の写真
歯にこびりついていた歯石をスケーリングにて除去しました。
右上顎前臼歯のレジン処置後です。かけていた部分がコーティングされ、元の歯のような形に戻りました。
上顎の二つの犬歯もレジン処置を行いました。
最後に
今回の処置では神経の露出が今回はありませんでしたが、場合によっては神経の露出によって、強い痛みや感染リスクが高まるため、放置はとても危険です。
歯がかけてしまう(破折)原因の多くは固すぎるおもちゃやおやつ、ケージを齧る行為によるものが多いです。
そのいずれもが未然に防ぐことができる原因のことが多い為、普段の生活から気を配っておくことが大切です。
「何か様子が変だな?」と思ったときには、ぜひ早めに動物病院にご相談ください。
健康な歯で、おいしく楽しく毎日を過ごせるよう、日頃の観察とケアが何よりの予防です!
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
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TEL:03-3704-1014
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