皮膚がただれてる…⁉ー犬・猫の天疱瘡のついて

こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

 

ワンちゃんやネコちゃんの顔や体に、かさぶたやただれができてなかなか治らない…。

そんなときに疑われる皮膚病のひとつが「天疱瘡(てんぽうそう)」です。

天疱瘡は、免疫の異常によって自分の皮膚を攻撃してしまう自己免疫性皮膚疾患の一種です。発見が遅れると全身に広がることもあり、早期の診断と治療がとても重要になります。

 

 

🩺 天疱瘡ってどんな病気?

天疱瘡は、体の免疫システムが「自分自身の皮膚細胞」を異物と勘違いして攻撃してしまうことで起こります。

通常、皮膚の表面(表皮)は細胞同士がしっかりと接着していて、外からの刺激や感染を防いでいます。

しかし天疱瘡では、この接着部分に対して抗体が作られてしまうため、細胞同士が離れ、皮膚がめくれたり水ぶくれができたりします。

その結果、

  • 皮膚が赤くただれる
  • かさぶたができる
  • 膿が出る
  • 毛が抜ける
    といった症状が現れます。

 

👁️ どんな場所に出やすいの?

天疱瘡は、体のどこにでも出る可能性がありますが、特に以下の場所に多く見られます。

  • 鼻の周り(鼻鏡)
  • 口の周りやまぶた
  • 耳、足先、肉球
  • 陰部やお腹

顔の中心部(鼻や口まわり)にできることが多く、「鼻の色が抜けてきた」「鼻筋にかさぶたができている」などの症状が見られることがあります。

 

 

🧬 天疱瘡の種類

犬や猫では、発症部位や重症度によっていくつかのタイプに分けられます。

代表的なのは次の2つです。

  • 落葉状天疱瘡(らくようじょうてんぽうそう)
     最も多くみられるタイプで、鼻・顔・耳などにかさぶたや膿疱ができます。全身に広がることもあります。
  • 尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)
     口の中などの粘膜にも病変ができることがあり、痛みを伴うケースがあります。

どちらも見た目は皮膚炎や細菌感染と似ているため、見た目だけでは診断が難しい病気です。

 

🔬 診断と治療

天疱瘡の診断には、*皮膚の一部を採取して顕微鏡で確認する「皮膚生検」が欠かせません。

細菌感染や真菌(カビ)などの他の皮膚病との区別が必要です。

治療の中心は、免疫を抑えるお薬(免疫抑制剤)です。

最初は副腎皮質ホルモン(ステロイド)を使って炎症と免疫の反応を抑え、状態が落ち着いたら薬の量を少しずつ減らしていきます。

完治が難しいことも多く、長期間の治療と経過観察が必要です。

症状が良くなっても、急に薬をやめると再発することがあるため、獣医師の指示のもとで慎重に治療を続けていきます。

 

🐾 飼い主さんができるケア

天疱瘡は慢性の病気ですが、しっかりコントロールすれば快適に生活できる子も多いです。

おうちでのケアとしては、

  • 強くこすらず、清潔を保つ
  • シャンプーは刺激の少ないものを使用する(獣医師に相談を)
  • 紫外線で症状が悪化することがあるため、日差しの強い時間のお散歩は避ける
  • 投薬をきちんと続ける

などを心がけましょう。

また、「かさぶたが増えた」「元気がない」「食欲が落ちた」など変化があれば、すぐに動物病院に相談することが大切です。

 

 

🌸 まとめ

天疱瘡は、皮膚のトラブルの中でも早期発見と根気強い治療が鍵となる病気です。

見た目は単なる皮膚炎に見えることもありますが、放置すると全身に広がり、痛みや感染を引き起こすこともあります。

「顔のかさぶたが治らない」「鼻の色が変わってきた」と感じたら、早めに受診してください。

 

 

 

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