暖かい季節がやってきましたが顔回りや足先、耳の痒みは出ていませんか?

こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

今回はわんちゃんのアトピー性皮膚炎についてご紹介いたします。

はじめに

わんちゃんの皮膚トラブルの中でもよく見られるのが「アトピー性皮膚炎」です。これは、アレルギー体質のわんちゃんに多く見られる慢性の皮膚疾患で、かゆみや赤み、脱毛などを引き起こします。わんちゃんにとって非常につらい症状であり、放置すると悪化してしまうこともあります。ここでは、アトピー性皮膚炎の原因や症状、診断方法、治療法、そして予防のポイントについて解説します。

原因

わんちゃんのアトピー性皮膚炎は、特定のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)に対して免疫系が過剰に反応してしまうことで発症します。

主なアレルゲン

  • ハウスダスト(室内のホコリ、ダニなど)

  • 花粉(スギ、ブタクサ、イネ科など)

  • カビ類

  • 人間や他の動物のフケ

これらのアレルゲンが皮膚から侵入し、過剰な免疫反応を引き起こすことで、皮膚に炎症が起こり、かゆみや湿疹といった症状が出ます。また、遺伝的な体質も関係しており、特定の犬種(柴犬、シーズー、ラブラドール・レトリーバー、フレンチ・ブルドッグなど)では発症率が高いことが知られています。

症状

アトピー性皮膚炎の主な症状は「かゆみ」です。わんちゃんはかゆみを感じると、体を舐めたり噛んだり、地面に体をこすりつけたりします。これにより、皮膚が赤くなったり、脱毛したり、時には出血を伴うこともあります。

よく見られる部位

  • 顔(特に目や口のまわり)

  • 耳(外耳炎を併発することも)

  • 前足の内側

  • 脇の下

  • お腹まわり

  • 足の指の間

かゆみが慢性的に続くと、皮膚が黒ずんだり、硬くなったりすることもあります(苔癬化)

診断

アトピー性皮膚炎は、他の皮膚疾患(ノミアレルギー性皮膚炎、食物アレルギー、細菌や真菌感染など)と似た症状を示すため、慎重な診断が必要です。

 

  1. 問診・視診:いつから症状があるか、季節性はあるか、どの部位に症状が出ているかなどを詳しく伺います。

  2. 除外診断:他の皮膚疾患の可能性を排除するため、ノミの駆除や食事療法(除去食試験)を行います。

  3. 皮膚検査:皮膚の状態を調べるために、顕微鏡検査や培養検査を行うこともあります。

  4. アレルゲン特異的IgE検査:血液検査でどのアレルゲンに反応しているかを調べます(100%の確定診断とはなりませんが、治療の参考になります)。

治療法

アトピー性皮膚炎は完治が難しい疾患ですが、症状のコントロールによってわんちゃんの生活の質(QOL)を大きく改善できます。

1. アレルゲンの回避

可能であれば、原因となるアレルゲンを取り除く、または接触を減らすことが重要です。たとえば、こまめな掃除でダニやホコリを減らす、空気清浄機を使用する、花粉の多い時期は外出を控えるなどの対策が有効です。

2. 薬物療法

  • 抗ヒスタミン薬ステロイド:かゆみや炎症を抑えるために使用します。ただし長期使用には副作用のリスクがあります。※自己判断で中止・増減しない

  • シクロスポリン:免疫抑制作用があり、中~重度の症状に用いられます。

  • オクラシチニブ(アポキル):副作用が少なく、かゆみをすばやく抑える薬です。  

  など

3. スキンケア

皮膚のバリア機能を高めるために、保湿剤入りのシャンプーを定期的に使ったり、乾燥を防ぐケアが推奨されます。特に脂漏体質のわんちゃんには、適切な皮膚ケアが重要です。

4. 食事療法

皮膚の健康を保つために、オメガ3脂肪酸などを含むサプリメントやスキンケア用の療法食を与えることがあります。

予防と注意点

アトピー性皮膚炎は慢性疾患であるため、再発や悪化を防ぐには日常的な管理が不可欠です。

  • 皮膚の状態をこまめに観察する

  • 定期的なスキンケアとシャンプー

  • アレルゲンの季節に注意して生活環境を整える

 

また、早期発見・早期治療が症状の悪化を防ぐカギです。かゆがる仕草が見られた場合は、自己判断せず、早めに動物病院を受診しましょう。

【 アトピーと食物アレルギーの違いと関係性 】

  • アトピー性皮膚炎は、主に環境中のアレルゲン(ダニ、花粉など)によって引き起こされます。

  • 食物アレルギーは、食べ物に含まれる特定のタンパク質に対する免疫反応です。

  • 両者は併発していることも多く、症状も似ている(かゆみ、皮膚炎など)ため、まずは除去食試験を行って、食物アレルギーが関与していないかを確認することがあります。

まとめ

わんちゃんのアトピー性皮膚炎は、適切な治療とケアによって、症状をうまくコントロールすることができます。かゆみを我慢させることなく、快適な生活を送れるよう、動物病院を受診し適切な治療をしていくことが大切です。愛犬の健康と幸せのために、日々の観察とケアを怠らないようにしましょう。

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

当院では月に一度専門の先生にお越しいただいて皮膚科診療も行っております🎵


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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

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