2025/04/29
こんにちは!
けいこくの森動物病院です。🌳
今回は高齢の猫ちゃんで多い慢性腎臓病についてお話します。
犬と猫の慢性腎臓病(CKD)とは?
〜高齢期に多い病気、でも早期発見とケアで穏やかに過ごせます〜
腎臓は、体の中で「血液をろ過して老廃物を尿として排出する」「体内の水分や塩分のバランスを保つ」「ホルモンの調整を行う」など、さまざまな重要な働きをしています。
**慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)**とは、この腎臓の働きが徐々に低下していく進行性の病気です。
犬や猫、とくに高齢の子で多く見られる代表的な疾患のひとつです。
一度壊れた腎臓の組織は元に戻らないため、早期の発見と継続的なケアがとても大切です。
どんな子がかかりやすいの?
- 7歳以上の中高齢の犬・猫
- 水をたくさん飲む/おしっこが多い子
- やせてきた・食欲が落ちてきた子
- 過去に腎臓や泌尿器の病気をしたことがある子
特に猫では非常に発症率が高く、15歳以上の猫の30~40%が慢性腎臓病を抱えていると言われています。
主な症状
初期は目立った症状が出にくいのが特徴ですが、病気が進行するにつれて以下のような変化が見られます。
- 水をたくさん飲む(多飲)/おしっこの量が増える(多尿)
- 体重減少・やせてきた
- 食欲不振・吐くことが増えた
- 毛づやが悪い・被毛がボサボサしてきた
- 元気がない・動きが鈍くなった
- 口臭がアンモニア臭い(尿毒症の兆候)
気づかないうちに病気が進行していることも多いため、定期的な健康診断がとても重要です。
診断方法
慢性腎臓病の診断は、以下の検査によって行います。
- 血液検査(BUN、クレアチニン、SDMAなど)
- 尿検査(尿比重、尿蛋白、UPCなど)
- 超音波検査やレントゲン検査(腎臓の形や大きさの確認)
これらの結果を総合的に判断し、国際腎臓学会(IRIS)によるステージ分類に基づいて病気の進行度を評価します。
治療と管理
慢性腎臓病は完治が難しい病気ですが、進行を遅らせ、生活の質を保つ治療が可能です。
食事療法
- 腎臓病用の療法食に切り替えることで、腎臓への負担を軽減し、長期的な管理に繋がります。
内服薬
- 血圧のコントロール(高血圧は腎臓の悪化要因になります)
- 蛋白尿の抑制
- 吐き気や食欲不振を改善する薬
- リン結合剤などの補助サプリメント
補液療法(点滴)
- 脱水を防ぎ、腎臓の働きを助けるために皮下点滴や静脈点滴を行うこともあります。
「年のせいかな?」と思っていた症状が、腎臓病のサインだったということも少なくありません。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
慢性腎臓病は「静かに進行する病気」です。
しかし、早期に発見し、適切にケアすれば、愛犬・愛猫とより長く穏やかに過ごすことができます。
「水をよく飲むようになった」「食欲にムラがある」「年齢的に心配」と感じたら、まずは一度ご来院ください。
当院では、ご家族と一緒に、大切なパートナーの健康を全力で支えてまいります。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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