【耳をかゆがっていませんか?】犬猫に多い「外耳炎」― 症状・原因・治療と予防

こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳

今回は耳をかいてばかりいる」「頭をぶんぶん振っている」などの症状があらわれる、犬猫の外耳炎についてお話します。

外耳炎(がいじえん)は、犬や猫にとてもよく見られる耳の病気のひとつです。早めに気づいてあげれば、しっかり治すことができる病気ですが、放っておくと慢性化したり、強い痛みが出たりすることもあります。

 

外耳炎ってどんな病気?

外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの「外耳道(がいじどう)」という部分に炎症が起きた状態のことです。

犬や猫の耳の中は人と違ってL字型に曲がった長いトンネルのような構造になっていて、湿気や耳垢がたまりやすくなっています。そのため、ちょっとしたきっかけで細菌やカビが増えてしまい、炎症を起こすことがあるのです。

外耳炎は、特に犬に多い病気ですが、猫にもよく見られます。とくに耳ダニに感染した子猫では、黒い耳垢がたくさん出るタイプの外耳炎がよく見られます。

外耳炎のサインって?

飼い主さんが気づける「外耳炎のサイン」は、以下のような行動や変化です。

  • 頭を何度も振る
  • 耳をかく、壁や床にこすりつける
  • 耳の中からにおいがする(酸っぱいような、腐ったようなにおい)
  • 耳の中が赤くなっている
  • 耳垢が増えている(色が黒や茶色、ベタベタしていることも)
  • 耳を触ると嫌がる、痛がる
  • 片方の頭を傾ける

これらのサインがひとつでも当てはまる場合は、外耳炎の可能性があるため、なるべく早く動物病院で診てもらうことをおすすめします。

外耳炎の原因はいろいろ

外耳炎を引き起こすきっかけは、いくつかあります。犬猫に多い代表的な原因を、以下にまとめました。

細菌の感染

 耳の中に常在しているブドウ球菌などの細菌が、耳の湿気や傷をきっかけに増殖し、炎症を引き起こします。

真菌(カビ)の感染

 「マラセチア」と呼ばれるカビの一種が増えると、茶色くベタベタした耳垢が出て、においも強くなります。皮脂の多い子や湿気が多い季節に悪化しやすいです。

耳ダニ(ミミヒゼンダニ)

 とくに猫、特に外に出る子猫でよく見られます。黒っぽい耳垢がたくさん出て、強いかゆみが出ます。ほかの動物にもうつることがあるため、早めの対処が必要です。

アレルギー体質

 アトピーや食物アレルギーを持っている子は、皮膚と同じように耳にも炎症を起こしやすく、外耳炎を繰り返す傾向があります。

耳の形や体質

 垂れ耳や耳毛が多い犬種は、耳の中が蒸れやすく、外耳炎を起こしやすくなります。また、トリミングやシャンプーのあとに水が耳に残ることも原因になります。

動物病院ではどうやって診断するの?

外耳炎が疑われる場合、動物病院では以下のような検査を行います。

● 耳の中をのぞく(耳鏡検査)

専用の器具を使って耳の奥まで見て、赤みや腫れ、耳垢の量、異物が入っていないかなどを確認します。

● 耳垢の顕微鏡検査

耳垢を少し採取して、顕微鏡で細菌・カビ・耳ダニがいないかを調べます。これによって、どの薬が効くのかを見極めることができます。

外耳炎の治療はどうするの?

治療は、原因に合った点耳薬(耳に入れるお薬)を使うのが基本です。必要に応じて、耳の中を洗浄したり、内服薬を使ったりします。

● 点耳薬(耳の薬)

抗菌薬・抗真菌薬・ステロイド(炎症を抑える薬)などが配合されていて、原因に合わせて選びます。最近は1回の処置で長く効くお薬もあり、毎日の点耳が難しい子にもおすすめです。

● 耳の洗浄

たまった耳垢や汚れを取り除くことで、薬の効果がしっかり届きやすくなります。ご自宅での洗浄はやり方を間違えると逆効果になることもあるので、基本的には動物病院で行います。

● 内服薬

炎症がひどい場合や、体質的にアレルギーが関与している場合は、内服の抗炎症薬やアレルギー薬を使うこともあります。

外耳炎をくり返さないために

一度治ったように見えても、外耳炎は再発しやすい病気です。とくにアレルギー体質の子や、耳の構造的に蒸れやすい子は注意が必要です。

再発を防ぐポイント

  • 耳のにおいや汚れをこまめにチェック
  • お散歩やシャンプーのあと、耳の中に水分が残らないようにする
  • 定期的な健康診断で、早めに異常を見つける
  • 耳掃除の頻度や方法は獣医師に相談して正しく行う
  • 外耳炎になりやすい体質の子は、生活環境の見直しも大切

※自己判断で市販の洗浄液を使ったり、綿棒を耳の奥に入れるのは危険です。かえって傷つけたり、悪化することがあります。

まとめ:耳のトラブルは「早めの発見と治療」が大切!

耳の病気は見た目では分かりづらいことも多く、気づいたときには悪化しているケースもあります。でも、日頃から耳の様子をチェックしてあげることで、早期発見・早期治療が可能です。

「耳がにおう」「耳を気にしている」など、ちょっとした変化でも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


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