歯の摩耗について

2025/05/31

こんにちは！世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳

ワンちゃんの歯をよく見てみると、なんだかすり減って平らになっている…そんなことに気づいたことはありませんか？

もしかするとそれ、「歯の摩耗」が進んでいるサインかもしれません。

今回は、犬に多くみられる「歯の摩耗」についてわかりやすく解説していきます。

歯の摩耗ってなに？

歯の摩耗とは、本来かむ相手である歯（対合歯）以外の物質によって、歯の表面がすり減っていく状態を指します。これは年齢による自然なすり減りではなく、外部からの力や刺激によって起こる「異常な摩耗」です。

犬の歯は人の歯よりもエナメル質（歯の表面を覆う硬い層）がとても薄いため、摩耗が進行しやすく、象牙質という中の層までダメージが及ぶと、歯の内部の神経（歯髄）にまで影響を及ぼすことがあります。

歯の摩耗の原因はさまざまですが、多くは「硬いもの」「ザラザラしたもの」をかじる習慣から始まります。

たとえば…

テニスボールは意外かもしれませんが、表面のフェルトがサンドペーパーのような働きをして歯をどんどんすり減らしてしまいます。特に夢中になって遊ぶ子は注意が必要です。

最初のうちは、歯の先端が平らになってくる程度ですが、進行すると茶色っぽい丸い斑点（歯髄の露出）が見えることもあります。これが神経の部分までダメージが及んでいるサインです。

そのまま放っておくと…

といった重い症状につながることもあります。

摩耗のパターンから原因を推測することもあります。たとえば、上の犬歯の唇側の先端が削れていたら、サッカーボールやバスケットボールが原因の可能性があります。

治療は、歯の摩耗の程度や歯髄（歯の神経）の状態によって異なります。

この場合は無治療での経過観察となります。原因となる行動（フェンス噛みやボール遊びなど）を見直し、環境の改善を行うことが重要です。

ボンディング材で象牙質を保護し、知覚過敏や細菌感染を防ぎます。摩耗の原因となった行動や習慣を見直すとともに、定期的なX線検査で歯の状態をモニタリングします。

状態に応じて抜歯または歯内治療（根管治療）を行います。多くの症例では、いつ歯髄が露出したか不明なことが多く、歯髄を保存する歯髄覆罩法より確実性の高い抜髄根管充填（神経を除去し、内部を洗浄・密封する方法）が選択されます。その後は定期的なチェックで経過を観察します。

場合によっては、歯を保護するために金属製クラウン（被せ物）を装着することもあります。これにより摩耗の進行や破折を防ぐことができます。

歯の摩耗は、意外と多くのワンちゃんに見られる問題です。原因を知って、早めに対策をすることで、大切な歯を守ることができます。

「なんとなく歯がすり減ってる気がする…」「おもちゃで遊ぶときに音が違う？」

そんな小さな変化にも気づいてあげられると素敵ですね。

当院では、歯の健康チェックや適切なおもちゃ・ケア方法のアドバイスも行っておりますので、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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けいこくの森動物病院世田谷犬猫歯科

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