2025/06/04
こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳
今回わんちゃんねこちゃんで目をシパシパさせている、開きずらそうにしているといった症状が現れる『角膜潰瘍』についてご紹介します!
【要注意】犬・猫の目の異常、それ「角膜潰瘍」かもしれません|放置厳禁!視力を守るための早期対応を
「最近目が赤い」「目を開けづらそう」そんな症状、見逃していませんか?
犬や猫に多く見られる「角膜潰瘍(かくまくかいよう)」は、放置すれば視力障害や失明にまで至ることもある、非常に危険な眼科疾患です。
角膜潰瘍とは?目の「レンズ」が傷ついた状態
角膜は、眼球の最も外側にある透明な膜で、光を取り入れピントを合わせる「カメラのレンズ」のような役割をしています。この角膜が物理的・化学的ダメージや感染などで深く傷ついた状態が「角膜潰瘍」です。
潰瘍が進行すると、角膜の透明性が失われ、重症の場合は穿孔(穴が開く)→失明のリスクも。
つまり、見た目が「ちょっと赤い・ショボショボする」だけでも、実は重篤な眼疾患のサインである可能性があります。
主な原因|角膜潰瘍を引き起こす要因
角膜潰瘍は、さまざまな要因で発症します。以下は、特に多い5つの原因です。
外傷(ひっかき・枝・異物など)
犬が前足で目をこする、猫同士のケンカでひっかかれる、草むらで枝が刺さるなど。外傷性の潰瘍は非常に頻繁です。
逆さまつげ・異所性睫毛(睫毛異常)
短頭種(シーズー・パグ・フレンチブルドッグなど)に多いまつげの異常。まつげが常に角膜に触れることで、慢性的な刺激となり傷がつきます。
ドライアイ(乾性角結膜炎)
涙の量が減少して角膜が乾燥→傷つきやすくなります。シニア犬やチワワ、シーズーに多く見られる病態です。
細菌・ウイルス感染
角膜の傷から細菌が侵入すると「融解性潰瘍」に進行することも。猫ではヘルペスウイルスが原因のケースもあります。
眼瞼異常・慢性疾患
眼瞼内反や免疫異常による自己攻撃も原因になります。慢性的に治らない潰瘍は要注意。
よくある症状|このサインがあればすぐに受診を
角膜潰瘍の症状は、初期では軽度なものに見えることもあります。
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涙が多くなった/目ヤニが増えた
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目をショボショボさせる/まぶしがる
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目をこする/こすらないようにしている
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黒目(角膜)が白く濁って見える
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片目だけ閉じている/開けにくそうにしている
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元気・食欲の低下(痛みのサイン)
注意! わんちゃんねこちゃんは「目が痛い」と言えません。見た目の違和感に早く気づくことが重要です。
角膜潰瘍の診断|何が原因かを見極める
病院では、以下の検査を行い、角膜潰瘍の有無や重症度を診断します。
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フルオレセイン染色検査:角膜の傷を染めて可視化します。
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スリットランプ検査:角膜の層構造や潰瘍の深さを詳細に確認。
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細菌・ウイルス検査:感染の有無を調べる培養検査やPCR。
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涙液量測定:ドライアイの有無をチェック。
早期発見と原因の特定が、治療方針の決定と回復の鍵になります。
治療方法|重症化させないための即時対応がカギ
角膜潰瘍の治療は、傷の深さや原因によって異なりますが、以下のようなアプローチを取ります。
軽度の場合(表層性潰瘍)
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抗菌点眼薬(感染予防)
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人工涙液(乾燥予防)
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エリザベスカラー(自己損傷防止)
中等度~重度の場合(実質層に及ぶ)
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点眼に加え、抗生剤や鎮痛剤の内服
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ソフトコンタクトレンズの装着(保護目的)
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頻回通院による経過観察
穿孔のリスクがある場合・慢性潰瘍
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結膜フラップ手術(角膜の保護)
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角膜移植手術
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獣医眼科専門医による高度治療
※治療中は「目をこすらせない」「投薬を怠らない」ことが非常に重要です。
角膜潰瘍の予防法|家庭でできる5つのケア
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顔まわりの清潔を保つ(目やに・涙やけケア)
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目の異常にすぐ気づけるよう観察習慣を持つ
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まつげや目の構造のチェックを定期的に行う
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乾燥しやすい子には人工涙液を処方してもらう
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ドッグラン・草むらでは目を傷つけるリスクを意識する
短頭種やシニア、眼のトラブルが多い犬種・猫種では、定期的な眼科検診を強くおすすめします。
当院のご案内|角膜潰瘍の早期診断と治療に対応しています
当院では、以下のような体制で角膜潰瘍の診療にあたっています
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眼科用スリットランプ完備
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フルオレセイン染色は即日実施
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点眼薬の処方から眼科専門医紹介まで一貫対応
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高度な症例には眼科専門医との連携あり
「なんか目が変かも?」という段階でも、まずはご相談ください。
愛犬・愛猫の目を守るために、早めの対応が何よりも大切です。
まとめ|角膜潰瘍は「様子見NG」の緊急性あり!
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角膜潰瘍は視力を失うリスクのある緊急疾患
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「涙が多い・目をショボショボする」は危険サイン
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放置せず、すぐにご相談ください!
目の健康は“生活の質(QOL)”に直結します。
小さな異変に、飼い主さまが気づいてあげることが何よりの予防です。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
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