目がしょぼしょぼ、開きにくそう…それもしかして角膜潰瘍かも?

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こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳

今回わんちゃんねこちゃんで目をシパシパさせている、開きずらそうにしているといった症状が現れる『角膜潰瘍』についてご紹介します!

 

 

【要注意】犬・猫の目の異常、それ「角膜潰瘍」かもしれません|放置厳禁!視力を守るための早期対応を

「最近目が赤い」「目を開けづらそう」そんな症状、見逃していませんか?
犬や猫に多く見られる「角膜潰瘍(かくまくかいよう)」は、放置すれば視力障害や失明にまで至ることもある、非常に危険な眼科疾患です。

角膜潰瘍とは?目の「レンズ」が傷ついた状態

角膜は、眼球の最も外側にある透明な膜で、光を取り入れピントを合わせる「カメラのレンズ」のような役割をしています。この角膜が物理的・化学的ダメージや感染などで深く傷ついた状態が「角膜潰瘍」です。

潰瘍が進行すると、角膜の透明性が失われ、重症の場合は穿孔(穴が開く)→失明のリスクも。
つまり、見た目が「ちょっと赤い・ショボショボする」だけでも、実は重篤な眼疾患のサインである可能性があります。

主な原因|角膜潰瘍を引き起こす要因

角膜潰瘍は、さまざまな要因で発症します。以下は、特に多い5つの原因です。

外傷(ひっかき・枝・異物など)

犬が前足で目をこする、猫同士のケンカでひっかかれる、草むらで枝が刺さるなど。外傷性の潰瘍は非常に頻繁です。

逆さまつげ・異所性睫毛(睫毛異常)

短頭種(シーズー・パグ・フレンチブルドッグなど)に多いまつげの異常。まつげが常に角膜に触れることで、慢性的な刺激となり傷がつきます。

ドライアイ(乾性角結膜炎)

涙の量が減少して角膜が乾燥→傷つきやすくなります。シニア犬やチワワ、シーズーに多く見られる病態です。

細菌・ウイルス感染

角膜の傷から細菌が侵入すると「融解性潰瘍」に進行することも。猫ではヘルペスウイルスが原因のケースもあります。

眼瞼異常・慢性疾患

眼瞼内反や免疫異常による自己攻撃も原因になります。慢性的に治らない潰瘍は要注意。

よくある症状|このサインがあればすぐに受診を

角膜潰瘍の症状は、初期では軽度なものに見えることもあります。

  • 涙が多くなった/目ヤニが増えた

  • 目をショボショボさせる/まぶしがる

  • 目をこする/こすらないようにしている

  • 黒目(角膜)が白く濁って見える

  • 片目だけ閉じている開けにくそうにしている

  • 元気・食欲の低下(痛みのサイン)

注意! わんちゃんねこちゃんは「目が痛い」と言えません。見た目の違和感に早く気づくことが重要です。

角膜潰瘍の診断|何が原因かを見極める

病院では、以下の検査を行い、角膜潰瘍の有無重症度を診断します。

  • フルオレセイン染色検査:角膜の傷を染めて可視化します。

  • スリットランプ検査:角膜の層構造や潰瘍の深さを詳細に確認。

  • 細菌・ウイルス検査:感染の有無を調べる培養検査やPCR。

  • 涙液量測定:ドライアイの有無をチェック。

早期発見と原因の特定が、治療方針の決定と回復の鍵になります。

治療方法|重症化させないための即時対応がカギ

角膜潰瘍の治療は、傷の深さや原因によって異なりますが、以下のようなアプローチを取ります。

軽度の場合(表層性潰瘍)

  • 抗菌点眼薬(感染予防)

  • 人工涙液(乾燥予防)

  • エリザベスカラー(自己損傷防止)

中等度~重度の場合(実質層に及ぶ)

  • 点眼に加え、抗生剤鎮痛剤の内服

  • ソフトコンタクトレンズの装着(保護目的)

  • 頻回通院による経過観察

穿孔のリスクがある場合・慢性潰瘍

  • 結膜フラップ手術(角膜の保護)

  • 角膜移植手術

  • 獣医眼科専門医による高度治療

※治療中は「目をこすらせない」「投薬を怠らない」ことが非常に重要です。

角膜潰瘍の予防法|家庭でできる5つのケア

  1. 顔まわりの清潔を保つ(目やに・涙やけケア)

  2. 目の異常にすぐ気づけるよう観察習慣を持つ

  3. まつげや目の構造のチェックを定期的に行う

  4. 乾燥しやすい子には人工涙液を処方してもらう

  5. ドッグラン・草むらでは目を傷つけるリスクを意識する

短頭種やシニア、眼のトラブルが多い犬種・猫種では、定期的な眼科検診を強くおすすめします。

当院のご案内|角膜潰瘍の早期診断と治療に対応しています

当院では、以下のような体制で角膜潰瘍の診療にあたっています

  • 眼科用スリットランプ完備

  • フルオレセイン染色は即日実施

  • 点眼薬の処方から眼科専門医紹介まで一貫対応

  • 高度な症例には眼科専門医との連携あり

「なんか目が変かも?」という段階でも、まずはご相談ください。
愛犬・愛猫の目を守るために、早めの対応が何よりも大切です。

まとめ|角膜潰瘍は「様子見NG」の緊急性あり!

  • 角膜潰瘍は視力を失うリスクのある緊急疾患

  • 涙が多い目をショボショボする」は危険サイン

  • 放置せず、すぐにご相談ください!

目の健康は“生活の質(QOL)”に直結します。
小さな異変に、飼い主さまが気づいてあげることが何よりの予防です。

 

 

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

〒158-0082

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TEL:03-3704-1014

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