機能性イレウスについて

こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳

今回はわんちゃんねこちゃんで、下痢・嘔吐や腹部膨満などの症状が現れる『機能性イレウス』についてご紹介します!

わんちゃんやねこちゃんが突然の嘔吐や食欲不振を示した場合、その原因の一つに「機能性イレウス」があります。これは腸管自体の運動機能の低下によって引き起こされる疾患で、早期の発見と適切な対応が重要です!

機能性イレウスとは?

機能性イレウス(Functional ileus)は、腸管の蠕動運動が障害され、腸内容物の通過が遅延または停止する状態を指します。腸管自体に器質的な障害がないにもかかわらず、腸の動きが低下するため、「無力性イレウス」とも呼ばれます。

犬における機能性イレウスの特徴

犬では、特に以下のような状況で機能性イレウスが発生することがあります。

  • 術後の回復期腹部手術後に腸管の動きが一時的に低下することがあります。

  • 重篤な全身疾患腎不全や膵炎などの疾患が腸の動きを抑制することがあります。

  • 薬物の影響鎮痛薬や抗コリン薬などが腸の運動を抑制することがあります。

これらの状況では、腸の動きが低下し、食物の通過が遅れることで嘔吐や食欲不振が生じることがあります。

犬の機能性イレウスの症状

犬の機能性イレウスでは、以下のような症状が見られることがあります。

  • 嘔吐

  • 食欲不振

  • 元気消失

  • 腹痛(腹部を触ると痛がる、または腹部が硬くなる)

  • 便秘または下痢

  • 腹部膨満

これらの症状は、腸の運動機能が低下することによって、腸内容物の通過が妨げられるために発生します。特に、膵炎や腹膜炎などの重度の炎症が原因で腸の動きが低下することがあります。

猫における機能性イレウスの特徴

猫では、以下のような状況で機能性イレウスが発生することがあります。

  • 毛球症毛が腸内に蓄積し、腸の動きを妨げることがあります。

  • ストレス環境の変化や飼い主の不在などが腸の動きを低下させることがあります。

  • 消化器疾患腸炎や感染症などが腸の運動を抑制することがあります。

これらの状況では、腸の動きが低下し、食物の通過が遅れることで嘔吐や食欲不振が生じることがあります。

猫の機能性イレウスの症状

猫の機能性イレウスでも、以下のような症状が見られることがあります。

  • 嘔吐

  • 食欲不振

  • 元気消失

  • 腹痛

  • 便秘または下痢

  • 腹部膨満

猫の場合も、腸の運動機能が低下することによって、これらの症状が現れます。特に、異物の誤飲や腫瘍、腸重積などが原因で腸の動きが妨げられることがあります。

 診断方法

機能性イレウスの診断方法として、以下のものが挙げられます。

  1. 問診と身体検査症状の詳細を確認し、腹部の触診や聴診を行います。

  2. 画像検査X線や超音波検査で腸の状態を評価します。

  3. 血液検査電解質の異常や感染症の有無を確認します

 

 

治療法

機能性イレウスの治療は、原因に応じて以下のように行います。

  • 支持療法絶食や点滴で腸の休息と水分補給を行います。

  • 薬物療法腸の蠕動運動を促進する薬剤を使用します。

  • 基礎疾患の治療腎不全や膵炎など、原因となる疾患の治療を行います。

これらの治療により、腸の動きが回復し、症状が改善を図ります。

予防とアドバイス

機能性イレウスの予防には、以下の点が重要です。

  • 異物の誤飲を防ぐ小さな物を飲み込まないように注意が必要です。

  • 定期的な健康診断早期に異常を発見し、適切な対策が重要です。

  • ストレスの軽減環境の変化や飼い主の不在など、ストレスを最小限に抑えることが大切です。

また、嘔吐や食欲不振などの症状が見られた場合、お早めに病院へご相談ください!

まとめ

機能性イレウスは、犬や猫の消化器疾患の中でも見逃されがちな病態です。原因は多岐にわたり、診断には慎重な対応が求められます。早期の発見と適切な治療により、回復が可能な疾患です。

何か気になる症状や不安なことなどございましたらお気軽にご相談ください!

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