2025/06/12
こんにちは!世田谷区等々力のけいこくの森動物病院です。
「最近、うちの子がごはんを食べたがらない」「口臭がきつい」「よだれが多い」——そんな変化に気づいたことはありませんか?
実はそれ、「慢性潰瘍性歯周口内炎」という病気のサインかもしれません。
今回は、犬の「慢性潰瘍性歯周口内炎」について、原因や症状、治療方法、そして日常のケアについて、ご紹介します。
どんな病気?
「慢性潰瘍性歯周口内炎(まんせいかいようせいししゅうこうないえん)」とは、口の中、特に歯茎や頬の内側、舌の周りなどに慢性的な炎症が起こる病気です。
通常の歯周病に比べ、炎症が広範囲に及び、赤み・腫れ・潰瘍(ただれ)などが長期間続くのが特徴です。
痛みも強く、放っておくと食事ができなくなることもあります。
主な症状
この病気にかかると、以下のような症状が現れます:
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口臭がひどくなる
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よだれが増える(時に血が混じる)
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食べるのを嫌がる、食欲が落ちる
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口を触られるのを嫌がる
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前足で口をこすろうとする仕草
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口の中をのぞくと、赤くただれている
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顔まわりを触ると怒る・怖がる
これらの症状が見られる場合は、できるだけ早く動物病院に相談してください。
なぜ起こるの?
原因ははっきりとは解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。
免疫の異常
体の免疫システムが過剰に反応し、本来攻撃すべきでない口の中の細胞を攻撃してしまうことで炎症が起こるという説があります。
歯周病菌や口腔内の細菌
口の中の細菌、特に歯周病の原因菌が増えることで、免疫が反応していると考えられます。
歯石や歯垢の蓄積
歯石や歯垢は細菌の塊ですので、これらが増えれば免疫反応も起こりやすい状態と言えます。
遺伝的要因
一部の犬種では発症しやすい傾向があります。特に小型犬や中高齢の犬に多く見られます。
どうやって診断する?
動物病院では、次のような方法で診断を進めます。
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視診:口の中の状態を確認
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触診:痛みや腫れのチェック
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口腔内レントゲン:歯や歯周組織の状態を確認
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血液検査:全身の健康状態や免疫異常の有無を確認
他の腫瘍性疾患と区別するため、必要に応じて、口腔粘膜の細胞を採取して検査(生検)を行うこともあります。
治療法
「慢性潰瘍性歯周口内炎」の治療は、完治が難しく、症状をコントロールすることが目標となります。以下のような方法があります。
① 歯石除去・口腔内の清掃(スケーリング)
歯石や細菌の塊を取り除くことで、炎症を軽減します。全身麻酔が必要です。ただし、再発しやすいため、定期的な処置を繰り返す必要があります。
② 抜歯
重度の場合や再発を繰り返すときは、炎症の原因となる歯を抜歯することがあります。特に犬歯や奥歯(臼歯)を抜くことで改善が見込まれることもあります。
③ 抗炎症薬や免疫抑制剤の使用
ステロイドやシクロスポリンなどを使い、炎症を抑えます。副作用が出ることもあるため、獣医師の指導のもと慎重に行います。
ご家庭でできるケア
病院での治療と並行して、毎日のホームケアもとても大切です。
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歯みがき:最も基本的な予防。やさしく、無理のない範囲で。
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定期的な健康診断:早期発見・早期治療が大切です。
放っておくとどうなるの?
慢性潰瘍性歯周口内炎は、慢性的な痛みと不快感をもたらし、進行すると「食べられない」「体重が減る」「元気がなくなる」といった深刻な影響が出ます。
さらに、炎症が全身に影響を及ぼし、心臓や腎臓などに悪影響を与えるリスクもあります。
最後に:こんな時はすぐにご相談ください!
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ごはんを残すようになった
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口臭がきつくなった
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よだれが多い・血が混じる
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口を触られるのを嫌がる
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いつもより元気がない
このような変化は、「ただの歯石」や「加齢」では済まされない場合があります。
当院では、口腔内トラブルの早期発見・早期治療を大切にしています。
どんな小さな変化でも、お気軽にご相談ください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもご相談をお待ちしています。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
〒158-0082
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