2025/06/21
こんにちは！世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院・世田谷犬猫歯科です🌳
今回は、わんちゃんに時々見られる「クラスI不正咬合」についてお話しします。
クラスI不正咬合ってなに？
不正咬合は、歯やあごのかみ合わせが正常からはずれている状態を指しますが、クラスI不正咬合は、あごの長さは正常だけど、「部分的に歯が並びから外れている」タイプです。わかりやすく言えば、全体的には正常でも、一部の歯だけがちょっとズレている状態。「鋏状咬合」とも呼ばれます。
どうして起こるの？
クラスIは、基本的には非遺伝性（遺伝によらない）とされています。そのため、乳歯の影響が残ることや、舌や頬の強い力、口唇圧、さらには腫瘍や嚢胞など、局所的な圧力や異常が原因になることが多いです。一部の犬種（シェルティなど）では、やや遺伝的な素因もあると考えられていますが、ほとんどは生活環境や習慣が関与しています。
症状ってどんな感じ？
クラスI不正咬合では、顎の形は正常ですが、一つまたは複数の歯が内側や外側にずれて生えている状態になります。多くは外見上の変化だけですが、次のようなトラブルが発生することもあります：
- ずれた歯が舌や口蓋（上あご）を傷つける（咬合性外傷）
- 歯同士が重なって歯石や歯垢がたまりやすくなる（叢生 → 歯周病リスク増）
中でも、歯周病や口腔粘膜の傷などが続発すると、お口全体の健康に影響することがあります。
診断はどうするの？
- 目で見て、ずれ具合を確認
- レントゲン検査で顎や歯根の状態、歯周ポケットの深さをチェック
できるだけ正確に診断し、治療が必要かどうかを判断します。
治療は必要？どうやるの？
- 見た目だけのずれで問題がなければ、治療は不要です。QOL（生活の質）に影響がないなら、無理に歯を動かす必要はありません。
- 咬合性外傷や歯周病の兆候がある場合には治療が必要です。
歯列矯正
特別な装置を使って、ずれた歯を正しい位置に戻します。
ただし、治療期間が長く、装置の管理や麻酔などが必要になるので、飼い主さまによるケアが難しい場合などには適さないこともあります。
歯冠切断 ＋ 生活歯髄処置
歯の本体を一部切り取って高さを調整し、歯髄（神経）への刺激を避けます。
抜歯
装置をつけられない／切断できない場合、または痛みや歯周病が強い場合に選択されます
まとめ
- クラスI不正咬合は、あごの形は正常でも、一部の歯がズレて生えるタイプの不正咬合です。
- 多くは外見上の問題だけですが、放置すると口腔トラブルのリスクが高まります。
- 見た目だけなら治療は不要。傷つきやすい歯・歯周環境が悪い歯には、歯列矯正・切断・抜歯などの治療を検討します。
- 診察とレントゲンによって、どんな治療が必要かを正しく判断することが大切です。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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