このごろ目がしょぼしょぼしている…もしかして眼の中に東洋眼虫がいるかも!?

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こんにちは!

世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳

今回は東洋眼虫についてお話します。
暑くなってきたこの時期に増えてくる虫なので、予防のためによく知っておきましょう!

東洋眼虫とは?

東洋眼虫は、犬や猫、人の目に寄生する線形動物門の寄生虫で、体長は約10〜17mm、白色で細長い糸状をしています

その名のとおり東アジア(中国、韓国、日本など)を中心に分布していますが、近年ではヨーロッパ(イタリア、フランス、ドイツなど)でも確認されており、感染例は確実に拡大しています。

生活環と媒介者

この寄生虫には、中間宿主としてメマトイ(ショウジョウバエ科)が関与しています。

このメマトイと呼ばれる虫が、人や犬、猫の涙を吸う際に東洋眼虫が目に移り寄生されてしまいます。

また、宿主がよく活動する春〜秋(西日本では特に多い)に感染例が集中しています。

日本国内では主に西日本での症例が多かったのですが、近年関東・東北でも報告が増加しています。

症状の特徴

感染初期は無症状〜軽微ですが、成虫が結膜や角膜上を動くことで次の症状が見られます。

  • 流涙・目やにが多くなる
  • 結膜炎や充血、瞬膜の炎症
  • かゆみから頻繁に目をこするようになり、角膜損傷や潰瘍に発展する恐れあり
  • まれに視力低下や角膜混濁、失明リスクも
  • ヒトにも動物からうつることがあり、ヒトでは異物感・痛みを伴うことが多い

診断方法

視診

結膜・瞬膜をひっくり返し、虫体を確認します。

洗眼検査

生理食塩水で洗眼し、浮き出てきた虫体を検出します。

※観察の繰り返しが重要です!

虫体は目の奥に潜りがちで、一度で見つからないことも多いです。

角膜染色

必要に応じて染色液にて角膜損傷の有無をチェック。

治療法

虫の摘出

点眼麻酔下でピンセットや綿棒を使って成虫を摘出。

    • 瞬膜の裏側や涙管内にいるため、複数回処置が必要な場合あり。
    • 動物が協力できなければ、全身麻酔下での対応も検討されます。

駆虫薬の使用

成虫には効果が限定的ですが、ミルベマイシンやモキシデクチン等が幼虫駆除に有効です。

再発防止

虫体除去後も洗眼、抗炎症点眼や抗生剤使用で角膜炎に対応していくことが大事です。

予防のポイント

  1. 緑地や森林、公園などハエの多い環境での注意しましょう。
  2. フィラリアなどと併用した駆虫薬の継続投与をしましょう。(春〜秋)
  3. 環境管理:ハエ発生源のゴミや排泄物の除去を徹底しましょう。
  4. 日常観察の習慣化:目の違和感や涙や目やにの増加に早期対応するようにしましょう。
  5. ヒトの感染予防:動物からヒトへの感染リスクがあるため、動物の感染予防は結果的に飼い主家族の健康も守ることになります。

最後に

東洋眼虫は決して珍しい寄生虫ではなく、日本全国に広がりつつあります。

目に異変を感じたら、すぐに動物病院にご相談ください。

迅速な対応で愛犬・愛猫の眼の健康は守れるようにしましょう♪

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

〒158-0082

東京都世田谷区等々力1-34-18

シュロス等々力1F

TEL:03-3704-1014

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