歯が黒ずんでいて、痛がっている…もしかして「う蝕(むし歯)」かも?

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こんにちは!世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です。🌳

 

【犬・猫の歯が黒い…これって虫歯?】               実は違う?飼い主さんが知っておくべき口腔トラブルと対策

今回は、わんちゃんやねこちゃんでも発生するう、いわゆる虫歯についてご紹介します!

実は、「犬や猫にも虫歯ってあるの?」と驚かれる方は少なくありません

結論から言うと——

犬や猫に虫歯はありますが、非常に稀です。

歯が黒く見える原因の多くは「虫歯ではない」ことが多いんです。

ではなぜそう言えるのか?本当に虫歯じゃないとしたら何なのか?

放っておくと危険なケースもありますので、ぜひこの機会にご確認ください!

 

 

 虫歯(齲蝕:うしょく)って何?

まずはそもそも虫歯とは?

虫歯とは、歯の表面に付着した細菌が糖を分解して酸を出し、歯を溶かしていく病気です。

正式には「齲蝕(うしょく)」と呼びます。

人間ではおなじみですが、犬猫にはそれほど多く見られません。

またこの齲蝕が進行し、歯の表面のエナメル質を破壊していくと歯に空洞が生じることもあります。

 

 

犬や猫に虫歯が少ない理由

犬や猫の口の中は、人間とはいろいろと違います。虫歯になりにくいのには、以下のような科学的な理由があります。

唾液がアルカリ性

人の唾液は中性〜やや酸性ですが、犬や猫の唾液はアルカリ性寄り。

細菌が出す酸を中和しやすいため、歯が溶けにくいのです。

虫歯菌がほとんどいない

人の虫歯の主犯である「ミュータンス菌」は、犬猫の口の中にはほぼ存在しません。

歯の形と食べ方の違い

犬や猫の歯は鋭利で、臼歯のような「かみ砕く歯」が少なく、そもそも咀嚼(そしゃく)をあまりしないため、食べかすが歯に残りづらいのです。

 

 

でも、歯が黒くなることはある?

「歯が黒くなってる=虫歯」と思って来院される方は多いですが、実際は別の原因がほとんどです。

▼ よくある例①:歯の破折(はせつ)

硬いものを噛んで歯が割れると、歯の中の「象牙質」や「歯髄(しずい)」が露出して黒く見えることがあります。

放置すると痛み感染の原因になります。

▼ よくある例②:吸収病巣(きゅうしゅうびょうそう)

猫に非常に多い病気で、歯の根元が徐々に体に吸収され、歯が溶けていく現象です。

とても痛く、歯が欠けたり、赤い肉芽ができることも。

▼ よくある例③:歯石や歯周病

茶色〜黒い歯石がこびりつくと、歯が黒く見えることも。これは虫歯ではなく、歯周病の一種です。

 

 

犬猫にも虫歯があることはある?

極めて稀ですが、あります。

年に数例、齲蝕と診断される症例があります。特に以下のような条件が重なるとリスクが上がります。

  • 甘味のあるおやつ・加工食品の多用
  • 歯磨きをしていない
  • 高齢で免疫力が落ちている
  • 唾液量が少ない(口呼吸や基礎疾患)

特に人と同じ生活スタイルで育っているわんちゃんねこちゃんは要注意です。

おやつやパン、人間の食事の“おすそわけ”が習慣になっていませんか?

 

 

もし虫歯や破折だったら、どう治療するの?

犬猫の歯科治療は、人間のように「その場で治療」とはいきません。

基本的にすべての処置は全身麻酔が必要です。

治療内容は以下のようになります

状態

治療内容

齲蝕(軽度)

虫歯部分の除去詰め物

齲蝕(重度)

抜歯

破折

歯髄露出があれば抜髄または抜歯

吸収病巣

抜歯が基本(保存不可)

当院では、レントゲンや歯科用器具を使用して精密に診断・治療を行っています。(麻酔下)

痛みや不快感を長引かせないためにも、早めの対応が何より重要です。

 

 

家でできる!予防のポイント5つ

虫歯を含めた口腔トラブルの多くは、日常のケアで予防できます。

特に次の5つのポイントを意識してみましょう。

✅ 1. 歯磨き習慣をつける

理想的には毎日の歯磨きが肝心です。最初のうちは口元を触ったり、ガーゼから始めたりして徐々に慣らしていきましょう。

✅ 2. おやつは成分チェック

無糖」「歯に付きにくい」タイプを選びましょう。パンやビスケットのような炭水化物系は控えめに。

✅ 3. 硬すぎるものを噛ませない

鹿角、ヒヅメ、石、金属製おもちゃなどは歯の破折リスク大です。

適切な硬さとして、子供用ハサミで容易に切れるものなどと言われます。お家のおやつ・おもちゃの硬さ確認してみてください!

✅ 4. 口臭・歯の色のチェック

いつもと違う」と思ったら早めに受診を。痛みを隠す子も多いです。

✅ 5. 定期的な歯科健診

最低でも年1回は病院での口腔チェックをおすすめいたします。

 

 

まとめ:歯の異変=虫歯とは限りません。でも放置はNG!

歯科レントゲンや麻酔下でのスケーリング、破折・齲蝕・吸収病巣の対応など、専門的な診断と治療が可能です。

「うちの子の歯が黒いんです」「口が臭くて…」といったお悩みを抱えている飼い主さま、それ、見た目では判断できない重大なサインかもしれません。

不安なまま様子を見るよりも、一度きちんと口腔チェックを受けることで、将来的なトラブルを防ぐことができます。

 

🦷 当院の歯科診療:こんな方におすすめです

  • 🐶 歯が黒い欠けているように見える
  • 🐱 食欲はあるのにフードを残す
  • 🐶 片側の歯でしか噛まない
  • 🐱 よだれ口臭が以前より気になる
  • 🐶 歯磨きのやり方がわからない

こうした症状がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

また、当院では歯磨き教室も実施中です!詳しくは病院公式LINEでのお知らせまたはお電話にてご連絡おまちしております!

夏頃に歯科検診キャンペーンも実施予定です。この機会にぜひお家のわんちゃんねこちゃんのお口チェックしてみてください🦷

 

 

 

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。


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けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

〒158-0082

東京都世田谷区等々力1-34-18

シュロス等々力1F

TEL:03-3704-1014

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