2025/07/23
こんにちは！
世田谷区等々力にあります、けいこくの森動物病院です🌳
今回は扁平上皮癌についてご説明いたします。
🐶🐱「お口のがん」である扁平上皮癌とは？
お口のトラブル ・・・ 実は「がん」かもしれません💦
「最近、ごはんを食べにくそうにしている」「よだれが増えた」「口臭がきつくなった」そんなお悩み、ありませんか？
もしかしたら、** 口腔内にできるがん「扁平上皮癌（へんぺいじょうひがん）」**のサインかもしれません。
今回は、犬と猫に発生しやすいこの病気について、詳しく解説していきます。
扁平上皮癌とは？
扁平上皮癌は、口の中の粘膜（舌や歯ぐき、頬の内側など）にある「扁平上皮細胞」から発生するがんです。
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猫では最も多い口腔内のがん
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犬では2番目に多い
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進行すると骨やリンパ節、肺などに広がることも
犬の扁平上皮癌
よくできる場所
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歯ぐき
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舌、扁桃にもできることはありますが、発生頻度は少なめです。
発症しやすい年齢
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平均発症年齢：約9歳
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若い犬でも「乳頭状扁平上皮癌」というタイプが報告されています。
特徴・進行性
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局所浸潤性が強く、骨まで侵食することもあります。
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進行例ではリンパ節や肺に転移することがあります。
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犬のケースではパピローマウイルスの関与が指摘されています。
猫の扁平上皮癌
よくできる場所
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上顎の奥歯周囲
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下顎の前歯あたり
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舌の裏（舌下部）
特徴・予後
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進行が早く、治療に反応しにくい
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舌や上顎にできた場合は特に予後が悪い
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ただし、下顎にできた場合は他より治療反応が良好
扁平上皮癌と診断された猫の口腔内です。
どんな症状が出るの？
気づきにくいことも多いですが、次のような変化が見られます
主な症状
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食べにくそうにする、食欲の低下
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よだれが増える、口臭がきつくなる
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口の中の潰瘍やしこり
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歯のぐらつき、歯列の乱れ
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進行すると：顔の腫れ、眼球の突出、顔面の変形
他の病気と間違えやすいことも
鑑別が必要な病気例
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無色素性黒色腫（メラノーマ）
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歯肉増殖（エプーリス）
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肉腫
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好酸球性肉芽腫（特に猫）
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舌の裏に引っかかった異物
診断には何が必要？
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口腔内の視診・触診
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歯科用レントゲン検査
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腫瘍の生検（細胞を採取して調べる）
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リンパ節の検査
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全身のチェック：胸部レントゲン、血液検査、腹部超音波検査など
治療法について
外科的切除
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早期であれば、広範囲な切除で完治が目指せるケースもあります
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舌にできたものは、部分切除が有効
放射線治療
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犬には効果あり（局所制御目的）
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猫には効果が出にくいが、緩和ケアとして考慮されることも
薬物療法・光線力学療法
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シスプラチン＋ピロキシカムの併用療法が有効だったとの報告があります
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光線力学療法も一部で効果ありとされます
飼い主さんへのメッセージ
お口のがんは、「ちょっと元気がないな」「口臭がきついな」といったささいなサインから始まることが多いです。
特に高齢のわんちゃん・ねこちゃんを飼っている方は、定期的な口腔チェックがとても大切です。
まとめ：早期発見・早期治療がカギ！
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扁平上皮癌は進行が早いため、早期発見が重要です
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気になる症状がある場合は、早めの受診をおすすめします
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治療には様々な選択肢があり、その子に合わせた対応が可能です
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