症例紹介:口腔内扁平上皮がん下顎骨切除

  • HOME
  • ブログ
  • 症例紹介:口腔内扁平上皮がん下顎骨切除

こんにちは!世田谷区けいこくの森動物病院です。

今回は、口の中に悪性の腫瘍である扁平上皮癌ができた犬の顎を切り取る手術を行ったためご紹介します。

 

10歳のシーズーさんですが、別の病院で歯科処置を行った際に下あごの切歯(前歯)周囲に悪性の腫瘍である扁平上皮癌が見つかり、その手術を希望されて当院を受診されました。

下あごの前歯周囲が溶けていて膿が出ている状態でした。

口腔内の扁平上皮癌は、全身に転移することは稀ですが、その周囲の組織を次々に壊していく性質があるため可能であれば外科手術で広範囲に周囲の骨ごと切り取り、取り切れない箇所は必要に応じて放射線照射などを組み合わせる治療を行います。

事前にCT検査を行い、顎の骨がどこまで壊されているか、関連するリンパ節に転移が疑われる様子があるか、既に肺などに転移を起こしていないかなどを確認します。

今回は、幸いなことに全身への転移は見られず、元の腫瘍も下あごの切歯周囲に限られていたため、下あごの先端から一部を切り取ることになりました。

手術後は短くなった顎のせいで食事をとることが一時的に難しくなるため、手術中に食道チューブを設置し流動食で栄養を捕ってもらいました。

幸いにもこの子は術後3日後には再び自力でウェットフードを食べられるようになりました。手術から3週間後にはドライフードも食べられるようになっています。回復までの時間に個体差はありますが、多くの子は顎の一部を失っても器用に食事を摂ることができるようになってくれますので、それまでは辛抱強く介助を行います。

 

口腔内の扁平上皮癌は進行性のため早期の発見と治療が重要です。

今回のように歯科の治療中に偶然発見されることもあるため、定期的な検診や歯科治療もぜひお勧めします。

 

【関連する記事はこちら】

犬や猫の“お口のしこり”や“鼻血”は要注意?扁平上皮癌とのサインかも…!

口の中にできる「扁平上皮癌」について

 

東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。

けいこくの森動物病院  世田谷犬猫歯科

〒158-0082

東京都世田谷区等々力1-34-18

シュロス等々力1F

TEL:03-3704-1014

。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。