2025/07/08
こんにちは。世田谷区等々力にありますけいこくの森動物病院です🌳
愛犬や愛猫の歯をよく見ると、なんだか先端がすり減っているように感じたことはありませんか?それは「咬耗(こうもう)」と呼ばれる歯の変化かもしれません。今回は、動物たちによく見られるこの「咬耗」について詳しくご紹介します。
咬耗とは?
咬耗とは、正常な咀嚼や日常の使用にもかかわらず、対側の歯との接触により歯がすり減ってしまう状態を指します。これはヒトでも見られる自然な現象ですが、動物でも加齢とともにある程度は起こりうる変化です。
咬耗が起こる原因
通常、咬耗は歯が他の歯と接触したり、削れやすい食物を食べたりすることで起こります。とくに高齢の犬では、下の前歯の唇側や上の歯の裏側に、一定の咬耗が見られることがあります。また、不正咬合があると、咬耗が特定の歯に集中しやすくなります。
見た目や症状は?
咬耗した歯は、平坦あるいは波打ったような形状をしており、時には階段状にすり減って見えることもあります。中心部分に見られる茶色のスポットは「第三象牙質」と呼ばれるもので、歯髄(神経)が露出しないように自然に形成された保護層です。
ただし、不正咬合がある場合や、すり減りが急激に進行した場合には、歯髄が露出してしまうこともあり、痛みや不快感、食欲不振、口臭、くしゃみなどの症状が見られることがあります。
咬耗と破折の違い
見た目が似ている「歯の破折」との鑑別も大切です。咬耗は摩耗によって滑らかになっているのが特徴ですが、破折では鋭い縁が残っていることが多く、X線検査で判断を補います。
治療について
治療方針は、咬耗の進行度や歯髄の状態によって異なります。
歯髄が露出していない場合
慢性的な経過によるもので、修復象牙質の形成が見られる場合には、治療せず経過観察を行います。
また、定期的な口腔内X線撮影による根尖部のチェックも重要です。
歯髄が露出している(露髄している)場合
露髄の時期が不明であることが多く、歯髄保存が困難な場合には抜髄・根管治療を実施します。すでに根尖周囲に病変がみられる場合は、歯内治療または抜歯が選択されます。
飼い主としてできること
- 犬や猫が硬いものを噛む習慣がある場合は、与えるおもちゃやおやつの見直しをしましょう。
- 咬耗が進行していないか、定期的にお口の中を観察する習慣をつけましょう。
- 咬耗が疑われる場合や、歯がすり減って色が変わっている、においが気になるといった時には、早めに動物病院で診てもらうことが大切です。
まとめ
歯の「すり減り」を甘く見ないで!
咬耗は必ずしもすぐに治療が必要な病態ではありませんが、不正咬合や外傷、痛みが関与している場合には注意が必要です。歯髄にまでダメージが及ぶと、抜歯や根管治療が必要になることもあります。
愛犬・愛猫のお口の健康を守るためにも、気になることがあればお気軽にご相談ください。
東京都世田谷区、等々力、玉川、上野毛、尾山台、自由が丘、田園調布で、歯でお困りの方は、いつでもお気軽にご相談ください。
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けいこくの森動物病院 世田谷犬猫歯科
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